きれい事ではすまない話

今日話すことは、僕が働いていて思っていることなんです
ちょっと、面白味に欠ける話だと思うし
ちょっと真面目な話です

以前・・ニュースステーションを見ていた
そうすると、少人数グループホームの話題をしていた

少人数グループホームというのは
老人ホームのような感じであるが
10人以下で、普通の家に共同生活をしていくものみたいです

それを紹介される前に
特別養護老人ホームの話題をしていた

「人間扱いしていない」
「体を縛る」
「ロボットのような管理体制」

様々な問題があります。

実際に私も学生時代、「特別養護老人ホーム」で実習を受けたことがあります
確かに、すごい状態でした
徘徊するし、異常行動もみられるので
縛り上げ、寝たきりにさせ、
その為に床ずれができている
そのでき方も激しくて
背中に穴があいているんですよ・・・

病棟内の臭いも相当なものでした

でも、介護職員、看護職員も十分ではない

その職員さんが話してくれたことで
こんなことを言っていた

「この施設の順番を待っている人は400人近く
ここに入っている人は家族が引き取るということは
ほとんどなくて
待っている人は入っている人が亡くなるのを待っているようなものだ
私の親なら、ここには絶対に入れない」


中でも取り上げられたのが
「抑制」
つまり紐で体を固定することです

危険防止のためというのが
建前であるが・・・

こちらの看護しやすいようにするというのもありますよ

抑制する人って
「車椅子に乗っているけど体の動きが激しいから
転倒してけがをする人」
「点滴中に自抜しないようにするため」
「眠れない人にベットにいて横になってもらうため」
てな理由で抑制します。

厚生省では「抑制をしないように」という
おふれを出しているそうだが
人数を増やさない限り
出来ないと思いますよ

もし抑制をしない場合どうなるでしょうか

足下のおぼつかない患者が
夜間に徘徊する
暗い病棟内を歩いているために
足下が見えにくい
何かにつまずき、そういう患者は
かなり神経が鈍くなっているから
受け身がとれず
頭を強打し、脳出血を起こし
死に至るケースもあります

そうなると、誰の責任になるでしょうか
観察不充分ということで
看護職の責任になります

誰だって、そんなことになってほしくないです。
全然しゃれになりません
それに、夜間は3人・・・
昼間でもうちの場合
1人で16人見るときがあります
それで充分な観察が出きるでしょうか
できるわけないんですよ
しかし・・・やるしかないんです

前の病院にいるときに抑制に関する
看護研究をしようという話が上がったが・・・できなかった
できない理由は・・・危険が大きすぎるから
抑制をせずにどういった行動をとるかということを観察しようという話だったけど
実際にデータを取る場合・・・相手はわけが分かっていない患者
意識が混濁し、意味不明な行動をする患者
しかも脳の手術後ですので、頭に管が入っている場合が多いんだけど
そんな患者の抑制をとった場合、もし管がぬけたときに
患者に重篤な状態が訪れる可能性が高い

そして、患者の観察をするわけなんだから
抑制を外している患者に付いていなければならない
昼も夜も、特に夜ということは
自分の夜勤帯ではできるわけがないので
自分の休みに夜を徹夜で病院で過ごすことになる
それはちょっといただけない、別に手当が出るわけではないし
そんな、病院命令でしている研究なら手当が出るかもしれないけど
強引に押しつけられた看護研究ごときに自分の休みを壊すような
ことはしないでしょう、たぶん、僕なら


まぁ、こんな事書いたら
「やり方が悪い」
「プロとしての自覚がない」
とか言われるのですけどね

私にもおばあちゃんがいます
今病院に入院してます
だけど、ここにいたときよりも
衰弱しているというより
元気がないです
でも、家で見るのは限界だったと思います

家庭で患者を見るとき
もし、排泄物をいじっているのを発見したら
僕なら
「何やってるの!」と
怒ってしまいます。特に自分の身内ならなおさらだと思います
それが続くと
患者にとっても自尊心があるから
傷つくし
家族にとっては多大なストレスになる

痴呆専門の病院とか
そういう受け皿って必要になる
でも、縛ることはたぶんなくならないだろう
人が増えるか
その病院自体の考え方が変わらない限り

僕はこの仕事が好きなのかどうなのかは
解らないんですよ。実際の話・・・