たこ焼き屋さん

看護の仕事って、マイペースでできないんだよね
その場の雰囲気を読んで、手が足りないところは率先して手伝いに行く
そうしないと、円滑に回らないし、仕事も終わらない

でも、マイペースな人もいるんですよね

それは、主任さんなんです

ICUから患者さんが降りてきたり、入院患者が来たり
手術出しとか、リハビリ呼び出しとか・・・検査、レントゲン出し
凄く目の回るような忙しさの時に・・・


その主任
「今から、その患者さんを移動するし、ベットも変えてください」

ベットを変えるということは・・・マットもシーツも全部変えることなんです
しかも、ICUとか入院患者とか関係ない患者のベット移すとか言ってるのです
もっと落ち着いたときにできるのに

何を言い出すんだ、主任・・・・
今、この魑魅魍魎とした状況が見えてないのか
先輩もイライライラ、私も切れかけ


「なんでこんな時に、こんなことしなくちゃいけないのよ」
とご立腹です。

夜勤も一緒になったことはあるんですが・・・
さぁ、一段落して・・・ちょっと休憩しようとすると・・・
主任さん、いきなりナースステーションのレイアウトをかえだしました

「akkiy君、悪いけど、この机持って」
まぁ、断れない立場なんで・・・・それから、主任さんを手伝いましたよ

もちろん休憩時間はなくなりましたが・・・

前置きはこの辺にして・・・今日の話はある日曜日の話です。

日曜日は普通の入院も、普通の手術もないんですよ
あと、リハビリ出しも、検査も、レントゲンもない
のどかな1日となるはずなんです

そこで、主任さん・・・料理が好きですから
みなさんにたこ焼きをごちそうしようと
休憩室で、たこ焼き作っていたんですよ

ところが・・・その日曜日は・・・のどかではなかったんですよ

急変があったんですよ・・・そして、緊急入院も・・・・

目の回る忙しさだったそうです


主任さんはその日チームリーダーで、病棟の責任者です
その場を指揮しなければならない立場なんですが・・・


ひたすら、たこ焼きを作っています。
とにかく、たこ焼き作っています。


先輩が・・・「病棟にもどってください、かわりますから」
ということで先輩がたこ焼きを作る

それからです、その日来ていた
いろんな先輩が立ち替わり立ち替わり
たこ焼きを作っていく・・・


「なんで、こんな時にたこ焼きなんか」
「状況みてよね」
といいながら

そんなとき、私は夜勤(準夜勤)入りで、病棟に入りました
そうすると、ぼくが一番恐れている先輩が

怖い顔で・・・たこ焼き作ってました・・・



一応、たこ焼きはおいしかったです