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(1) A True Story (真実の話)
 


「ペットボトルのリサイクルには、一から作るよりも多くのエネルギーが必要である、だからリサイクルには意味がない。」 という話を聞きました。
皆さんはどのように考えますか?


現在の科学は専門に細分化されすぎました。
数学、工学、物理、化学、生物、医学・・・いや、それだけじゃなくて頭に修飾子が付いて、高分子物理学、遺伝子工学、分子生物学などなど、もっともっと細かくなっています。専門家は自分の好きな場所に“穴”を掘って、その専門性をどんどん深く掘り進めてきました。


顔を上げて私たちの周りを見回してみましょう。
この世界は専門分野に分かれてなどおらず境界線もありません。
さらに、この社会、この宇宙は科学だけで成り立っている無機質なものでもありません。
人々の思想、生きるための倫理、意志疎通のための語学、そのほかに心理学や歴史、音楽、経済、宗教など・・・全てのものが幾重にも重なり合って統合化されたものがこの“宇宙(Universe)”であり、“この世”なのです。 
決して外界から隔離されたフラスコの中にある訳ではありません。

今の時代、専門性を追求することも大事ですが、全体を眺める総合力がもっと必要とされています。


最初の話に戻りましょう、リサイクルは意味のないことでしょうか?
エネルギー的にはそのとおりです、科学はそう答えます。 
だからと言って、まだ新しいペットボトルを生産し続けますか? 
自然界に存在し得ない、半永久的に分解されない素材を生み出してしまった私たち、これをまだ増やし続けますか?
大通りの中央分離帯に転がっているペットボトルは、私たちが滅びても、そこにそのまま残り続けるのです。

科学は判断材料を与えてはくれますが、何が正しいかは教えてくれません。
どの道を選ぶかは私たちの心が判断することです。
静かに考えてみれば何が正解か分かるはずです。

そのために出来るだけ高い木に登り全体を俯瞰する習慣をつけるべきと思います。  

 “Think global, act local.”