本文へジャンプ
(1) A True Story (真実の話)
 


まぁ、ちょっとここに来て座りなさい。

毎日、つらいことや苦しいことはあると思うけど、それはみんな同じなんだよ。

早く来るか遅く来るかの違いだけなんだよ。

遅刻したって、怒られたって、嫌われたって構やしない。

子供の頃に教わったおりこうさんを続けなくてもいいんだよ。

あなたはあなたなんだから。


まぁ、ちょっとここに来て熱いお茶でも飲みなさい。

顔を上げて、できるだけ前を向いてごらん。

空の上から、自分の住む街を見てごらん。

いろんな人がいるから。 

笑っているお母さん、怒っているお父さん、真剣になっている学生さん、寝ている赤ちゃん、...そして、泣いているあなた。

楽しさや苦しさは、順番に廻ってくるもんだよ。


まぁ、ちょっと鏡を覗き込んで、自分の眼を見つめてみなさい。

瞳の中に、神様が住んでいるのが分かるかい。

人間はみんな神様なんだよ。

人も、木も、犬も、石ころも、山も、水も、隣のおっちゃんにも、みんなみんな神様が住んでいるんだよ。

あなただけじゃない。
ひとりぼっちじゃない。


ちょっと足を延ばして川原の土手にすわってごらん。

びっくりしたトノサマバッタが飛び立つだろ。

かわいいテントウムシが草を登っていくだろ。

柳の木を風が駆け抜けるだろ。

みんな、友達なんだよ。

あなたの仲間は、あなたが知っている友達だけじゃないんだよ。

地球が友達なんだよ。


だから、
ちょっとここに来て私の膝枕で寝てごらん。

地球のふところで気の済むまで寝てごらん。

いつか、きっと晴れるから。

      

今日も会社から帰ってテレビを見ると、中学生の自殺のニュースが報道されていました。
いたたまれない心から言葉がにじみ出てきて、15分で一気に書き上げました。


(2006年11月15日 記)