暗 夜

光の中に佇むお前は不可侵の女神

闇に身を置くオレには眩しすぎて、夜毎にお前を背徳へと誘う(いざなう)




柔らかく温かい身体を組み敷き

甘い匂いのする首筋に顔を埋め

その細い腰を抱いて身体中に印を付ける




―――アイシテル―――


唇からは「毒」を

身体には快楽をそそぎ込んで、

お前の翼を黒く染め上げていく。




二度と飛ぶことなど出来ないように。




誰にも渡さない。

絶対に逃がさない。




独占欲。

嫉妬。

愛憎。

欲望。




初めて感じるどこか甘く、激しい痛み。

そしてわき上がる、深く暗い喜び。




オレの毒にマヒしたお前は気づかない。

十重二十重(とえはたえ)に張り巡らされた罠に、捕まってるという事に。

もう、その背の翼は羽ばたかないという事に。




何も知らずお前はその瞳にオレだけを写して微笑む。




オレだけのお前に

オレだけの女神に




オレと共に堕ちて・・・


2000/9


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