1分間長縄格言集

１分間長縄の指針となるキーワードを考えてみました。
これらは長縄指導の先達、茨城県の桑原和彦氏から実地に教わったり、氏のサイトから学んだりしたものを元にしています。2009年3月、メルマガ「ピピタ」69号に掲載していただいたものを少し改変しています。

１　素直に跳んで４０回
跳び抜けるさいに、くるっとひねってみたり、ポーズをとってみたりする子がいる。
高速回転の長縄跳びを目指すには、無駄な動きがないほうがよい。素直に跳ぶのが一番いい。
これができれば１分間に４０回はいく。

２　ドンマイドンマイ５０回
縄にひっかかって失敗してもドンマイの精神が大事。友達がいるから長縄ができる。
支え合っていかないと、はみ出す子が出てくる。それでは教育としての長縄にならない。

３　リスタートで６０回
失敗して縄が止まったときのリスタートをいかに素早く行うか。
「せーの」というかけ声で縄を回し始めてリスタートする。　　　

４　ラインを守って７０回
縄の回し手のすぐそばから縄入りして、向こうにいる回し手のすぐそばから縄出する。
まっすぐのラインで跳び抜ける。
また、並んで縄入りを待っているときも、がたがたに並ばすに、きれいに並ぶ。

５　間をつめて８０回
跳び手は前の子と間隔をあけすぎてはいけない。
前の子の肩に自分の手を置いた距離ぐらいを基本とするとよい。
短距離走の速い子は前の子との距離を開けたがるものだが、開けすぎてはいけない。
次の子の縄入りが遅れる。次の子が困る。長縄は思いやりが大切。

６　ガードを固めて９０回
縄が高速回転すればするほど顔や首に当たったときの痛みはひどくなる。
首に赤い筋がいくこともある。
また、縄入りしようとした子が踏みとどまってしまい、次の子の顔に後頭部が当たることもある。
顔や首を守るために、ﾎﾞｸｻｰのように両手で顔面をガードする。
こうすれば、腕の不要な動きもなくなる。

７　プロのステップ１００回だ
縄を跳び超すときは、ケンケンのステップを使う。
両足踏切や両足着地をすると、どうしても動作が遅くなる。
ステップの基本は「右→左→左→右」が基本。
ステップを身につけるにはラダーがいい。
教室の後ろの床にビニールテープを貼ってラダーを作っておくのも手だ。

　

８ギアチェンジで　１１０回
クラスにはどうしても長縄の得意な子とそうでない子がいる。
得意な子を固めて並ばせ、その後に不得意な子を固めて並ばせる。
こうして得意グループが縄入りするときはロープを高速に回し、不得意グループのときはやや遅く回す。

９　ターナーワークで１２０
ターナーというのは縄の回し手のことである。
ターナーが微妙に加減しながら縄を回すことで、通常ならポーズしてしまうジャンパーも跳ばすことができる。
ロープワークの微調整を個に応じてすることだ。
ターナーには「絶対に跳ばせる。ひっかけさせない。」という強い決意がいる。

１０　緊張、集中１３０
これぐらいの回数になると、一人でも一瞬のぼーっとした時間を持つと、リズムが崩れて、縄がポーズすることがある。
全員が一人残らず心を研ぎ澄ましてかからねばならない。
小さな気の緩みが落とし穴になる。
なお、「長縄跳びにポーズはつきものである」と指導者は心に刻んでおきたい。
ポーズしたくてポーズする子はいない。

１１　並びの妙技で１４０
ギアチェンジの並び方を少し工夫する。
跳び抜けるのが遅い子の後ろには、俊敏な子を配置する。
身長の高い子や低い子を凸凹に並ばせない。
好きな子を前後にする。
といったようなことである。

１２　クイックスモール１５０
まさに跳び抜けようとしているとき、速く小さな姿勢をとる。
特に身長の大きい子だ。
ジャンプは低く、姿勢はやや前屈みになる。　

１３　音で反応、１６０
これぐらいの回数になると、子どもは回転する縄を見ていない。
縄入りのさいには、縄が地面に当たる音を耳で聞きながら、前の子を見ていると言う。
音で反応しているとは正直、驚いた。知らなかった。子どもからの学び。

１４　１７０以上は神業だ
私が担任したクラスは１７０回以上を出したことがない。
退職するまでに出るだろうか。それとも夢で終わるのだろうか。

付記　残念ながら退職までに170回以上を出すことはできなかった。
　　　　
　　　　管見内だが、ギネス記録を載せておく。
　　　　平成23年8月21日　埼玉県熊谷市立玉井小学校6年生　213回
　　　　平成25年8月25日　岐阜県可児市立広見小学校6年生　217回
　　　　これらの記録を見たとき、正直、長縄はもうやめようと思った。
　　　　とてもじゃないが、出せるような記録ではない。
　　　　両校の6年生に心からの拍手をおくる。