2004年6月24日
アクション・リサーチの紹介 1 理論編
アクション・リサーチとは?
1 アクションリサーチの定義
「アクション・リサーチとは、授業内におけるさまざまな問題を解決するために、教師自らが中心となって、その授業に関するデータを収集・分析し、その問題の解決策を導き出していく研究方法である。」
三上明洋(2000:87) 「英語授業改善のためのアクション・リサーチに関する一考察」
『関西英語教育学会紀要』 No 23.
その他、ARへの理解を深めるために、参考となる資料を2つご紹介します。
(1) Action research is a powerful tool for change and improvement
at the local level.
Cohen, Manion and Morrison(2001:226) Research Methods in Education (5th ed.)
London: Routledge.
ARは、ご自分の担当されている授業における問題点を見つけ出し、それを解決していくための最も有効な方法の1つであると考えられます。その解決策は、必ずしもすべての他のクラスで同様な効果が得られるとは限りませんが、リサーチを続けていく中で、担当クラスに対して最も効果的だと思われる改善策を導き出し、それを実践することによって、少しずつ指導に改善がはかられ、より大きな教育効果が期待できるようになると考えられます。
(2) To do action research is to plan, act, observe and reflect more
carefully, more systematically, and more rigorously than one usually does
in everyday life.
Kemmis and McTaggart(1992:10) The Action
Research Planner. (3rd ed.)
Geelong, Victoria: Deakin University Press.
授業の中でどのような指導実践を行うかを事前にしっかりと計画し、それに従って実践を行い、その時あるいはその後の生徒の様子・反応を注意深く観察し、実施された実践が本当に効果的であったか、改善が必要な点はないかなどについて、しっかりと内省をして、次の新たな実践へとつなげていく。このように、実際ARで行われることは、多くの先生方がすでに普段行っていることかもしれません。しかし、それを体系的に、継続的に行うことによって、得られる効果が異なってくるといえます。
Kemmis and McTaggartが言うこの4つの行程を繰り返し行うことによってこそ、教師と生徒にとって理想とする授業に少しずつ近づいていくことができるのではないでしょうか。
2 ARの5つの特徴
1 教師と学習者が中心である。
2 reflectiveである。
3 量的データだけではなく、質的データをも積極的に活用する。
4 結論の一般化を求めない。
5 実践と理論の橋渡しとなる。
*さらに詳しい説明は、 インターネット英語教材研究会(代表:三重大学教授 早瀬光秋)
アクションリサーチ入門参照。
http://engserve.edu.mie-u.ac.jp/~eg6003/AR/HP.html