Last updated: 2007/1/22


Profile


051030
プロフィール
 
秋山完
AKIYAMA,KAN
 
私、秋山完は、おおむね平日に会社員として働きながら、
休日にSFやファンタジーのお話を書き、
ときどき出版社に本を出していただいています。
日本SF作家クラブ会員。
性別は男。某年12月22日の山羊座生まれ。
いちおう世帯主ですが、年齢は不問ということで。
1992年、『第18回ハヤカワ・SFコンテスト』で佳作。
1993年、長編を応募した『早川書房 ハイ!ノヴェル大賞』は、
最終選考まで残れました。
そして1995年、ソノラマ文庫『ラストリーフの伝説』でデビュー。
以来、編集担当の方々や挿画の先生に助けられて、
年一冊のスローペースですが、書き続けることができました。
すべての作品を、多少の無理は片目をつぶりながら、
同じひとつの世界の出来事として、描きます。
全作品の総合テーマは、……“なつかしき未来(ノスタルジック・フューチャー)”
これは、つまり、
「過去にはあったけれど、現在は失われた良いものを、未来において再発見する」
ということです。
ですから、私の書くお話は、けして、新しくありません。
19世紀から20世紀初頭の、古式ゆかしき
“優雅なりし時代(ジ・エイジ・オブ・エレガンス)”から抜け出したような、
少年と少女が、紳士淑女や志士たちが、開拓者が、
冒険家や革命家や魔女めいた人々が、祖父の代から使い古した航宙船を駆って、
古典的な愛と勇気、昔ながらの夢と希望を追い求めて、
星降る天の河を飛び越えてゆくような、
たぶん、そんな話をめざしています。
物語は、疾走しません。
小さなエンジンは積んでいるけれど、普段はほとんど帆で走る機帆船のように、
ゆるやかに歴史の水面を進んでいくことと思います。
 
よろしければ、どうぞ、ご一緒に。                 ……秋山完
 
     ☆☆☆
 
秋山完の好きな作品。
子供のころからSFとかアニメが好きで、
『サンダーバード』や『サブマリン707』、『銀河帝国の興亡』や『レンズマン・シリーズ』
『火星年代記』に『華氏451』。チャペックの『R.U.R.』、ついでに『ダーシェンカ』
『トリフィドの日』『超生命ヴァイトン』テア・フォン・ハルボウの『メトロポリス』※
※映画もいいけど、小説もすごい。
『サイレント・ランニング』『プリズナーbU』『マックス・ヘッドルーム』
映画の『スペースボール』『スペース・トラッカー』『スペースキャンプ』も。
なんといっても、人生を変えたのは、
トム・ゴドウィンの『冷たい方程式』や、ネビル・シュートの『渚にて』※
※映画も、切なくてほろりときます。
終末戦争もので、『破滅への二時間』『フェイル・セイフ』
笑える悲劇『世界の小さな終末』『魚が出てきた日』
叙情漂う、ネイサンの『ジェニーの肖像』
胸に沁みる、R・F・ヤングの『たんぽぽ娘』、
ダニエル・キイスの『アルジャーノンに花束を』※
※ ただし長編でなく、世界SF全集の中編版
ジャック・フィニイの『ゲイルズバーグの春を愛す』と、『クイン・メリー号襲撃』。
そして、宮沢賢治、O・ヘンリ、ケストナー、サローヤンの作品群。
ピート・ハミルの『黄色いハンカチ』は、文庫でわずか6ページの超短編ですが、
百回読んで百回泣ける、稀有の名作。
いかなる超大作も超えた、巨大な感動を秘めています。
ファンタジックな映画では、オーソン・ウェルズの『市民ケーン』
『ドリームチャイルド』『ロストチルドレン』『ハーヴェイ』
『ある日どこかで』と『グランド・ツアー』※
※CLムーアのあの名作『ヴィンテージ・シーズン』の映画化。
時間旅行ものの秀作です。少女の演技が光る。
戦争・冒険ものでは、アリステア・マクリーンの『女王陛下のユリシーズ号』
映画の『太平洋奇跡の作戦キスカ』『独立愚連隊西へ』『マーフィーの戦い』
『U・ボート』『K−19』『大列車作戦』『赤いテント』※
※飛行船ファンがDVD化をひたすら待ち望む幻の超大作。
『青島要塞爆撃命令』『ガンバス』
男たちの夢と儚さ、『飛べ、フェニックス!(旧)』と『恐怖の報酬』
TVもので『ラット・パトロール』
ラヴストーリーでは、やはり『カサブランカ』『ローマの休日』『わが青春のマリアンヌ』
特別なのが『シベールの日曜日』
ミュージカルの『心をつなぐ六ペンス』『ラ・マンチャの男』
凄い、の一言に尽きるのが『ドクトル・ジバゴ』。
漫画では萩尾望都の『アメリカン・パイ』※いまだに涙の出る、いいお話。
また、筒井百々子の『ものまね鳥シンフォニー』、手塚治虫『ライオンブックス』
超短編アニメですが『ジブリ実験劇場 On Your Mark』も。
TVアニメでは、古くは『JQ』や『0戦はやと』、『ペリーヌ物語』『未来少年コナン』
『無責任艦長タイラー』の21話以降、犬の名探偵ホームズ『ドーバーの白い崖』※
※原題『ドーバー海峡大空中戦』
比較的最近では『カウボーイビバップ』『少女革命ウテナ』『ノワール』
『ゲートキーパーズ』と『ゲートキーパーズ21』をセットで。『パタパタ飛行船の冒険』
TVアニメ以外では、『アリーテ姫』『天使のたまご』
『銀河鉄道の夜』『王立宇宙軍 オネアミスの翼』
『風の谷のナウシカ』はもちろんとして、
『ルパン三世 カリオストロの城』『ヴイナス戦記』『青の6号』も。
 
そして私にとって、最大の原点は、
東映動画の昭和43年作品『太陽の王子ホルスの大冒険』。
劇場版アニメが、まだ“総天然色長編漫画映画”だった時代に、
膨大な時間と労力と、おそるべき情念をこめて、一コマずつ丹念に手作りされた、
奇跡のような一作。
人の手が、かくも美しくこまやかな世界を創り出せるものかと、
心底から戦慄したものです。
 
     ☆☆☆
 
秋山完の投稿歴。
1989年春。ワープロを購入。機種は文豪ミニHG。いつか、ワープロの名に
恥じない“文豪ミニ”くらいになりたいものだと夢を描く。
ワープロは、書き手を、数百枚もの原稿を手書きで清書する重労働から解放し、
休日のみの執筆でも長編を制作可能にしてくれるという、
まさに希望の福音でした。
90年2月。京都新聞「読者の短編小説」で佳作。新聞紙上に掲載。
91年8月。第17回ハヤカワSFコンテスト一次選考通過。
応募480作中の78作に入る。あ、ひょっとして、と思わせる。
92年3月。集英社第1回ファンタジーロマン大賞一次選考通過。
応募800作中の80作に入る。やればできそうな気がしてくる。
92年11月。第18回ハヤカワSFコンテスト佳作入賞。
他に上位の入選作がなく、応募445作中で一番だったことに感激。
しかも自分ひとりだけの名前が早川書房SFマガジンの発表ページに載ったので、
とてもラッキーな気分になる。
しかし“佳作”では掲載はかなわず、次回のコンテストに向けて奮起するも、
ハヤカワSFコンテストそのものが第18回で中断してしまった。残念。
もひとつ残念なのは、“佳作”は賞金でなく“記念品”がもらえると
いうことだったが、後日早川書房へ菓子折を持って御礼に伺ったところ
「そのうち差し上げます」みたいな形で終わり、そのまま現在に至ってしまったこと。
既に時効だし、今更請求するつもりもありませんが、あの時しつこくおねだりして
もらっておけば、今頃、自慢のお宝(なにしろ、ハヤカワSFコンテスト
史上最後の記念品!)になっていたはずで、
ちょっと未練な気持ちがなくもないかも……。
93年2月。早川書房ハイ!ノヴェル大賞の最終選考に残る。
応募152作中の5作に入った。
しかし本コンテストもこれ一回で終わり、リベンジならず。
なにかこう、今一歩のところで夢かなわずという日々ではありました。
ともあれ早川書房様、いずれまた、
作品をご提案させていただく節は、何卒よしなに……。
93年3月と6月。朝日ソノラマの雑誌『グリフォン』の創作ジムに短編2作掲載。
93年12月。同『グリフォン』に短編採用、掲載。
94年11月。富士見書房第六回ファンタジア長編小説大賞二次選考通過。
応募666作中の25作に入る。
95年3月。ソノラマ文庫で長編『ラストリーフの伝説』を出していただき、
以後はソノラマ文庫に作品を発表。ソノラマ様、ありがとうございます。
振り返れば、ワープロを買ってから文庫デビューまで六年、
休日しか使えないので、長編で年一作を書くのがやっとという
時間的・空間的・人間関係的制約の中で、自分なりに
夢を追ってこれたような気がします。
そこで、秋山完の夢は何かといえば、たったひとつ、
「一作でいいから、世代を越えて読み継いでもらえる作品を残すこと」です。
親が子供に「自分が子供のとき読んだお話だけど、良かったからおまえも読みなさい」と、
古くなったその本を渡してあげるという、そんな作品ですね。
なにかお話を書こうと思って書いている人間にとって、
これが最高の喜びだと思うわけです。
 
     ☆☆☆     
 
《参考》尊敬する作家のデビュー年齢
『夏への扉』のR・A・ハインライン……31〜32歳
『黄色いハンカチ』のピート・ハミル……32〜33歳
『ゲイルズバーグの春を愛す』のジャック・フィニイ……35歳
『火星のプリンセス』『ターザン』のE・R・バローズ……36歳
『最後の一葉』『天窓のある部屋』のO・ヘンリ、獄中のデビュー……36〜37歳
『たんぽぽ娘』『9月は30日あった』のR・F・ヤング……37歳
『冷たい方程式』のトム・ゴドウィン……37〜38歳
ピート・ハミルはハイスクール中退。ヤングはカレッジに進学していない。
何が言いたいかというと、人生の早い時期に挫折と失望を経験していても、
かつ、デビューが三十代以降になっても、なにかが残せるということです。
ネビル・シュート『渚にて』の映画のラストシーンに掲げられていた言葉……
「兄弟たちよ、まだ遅くはない(There is still time……brother!)」なのです。
 



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