算数・数学

なぜ四則計算が大事なのか


 四則計算の四則計算の重要性について、お茶の水女子大学藤原正彦教授の言葉をお借りして説明します。
 四則計算ができれば買い物をするときにも非常に便利です。ただそれだけなのでしょうか。四則計算の真の重要性は(買い物で便利という)実用的効用にあるのではなく、「数感覚」を養うことにあります。「数感覚」とは、例えば、30はいろいろな整数で割れますが、31は何をもってきても割ることはできません。こういうことを瞬間的に感ずる感覚のことです。計算練習の主目的は数感覚の養成であり、この感覚だけはコンピュータでは代用されません。コンピュータにまかせれば、自ら計算する必要はなくなるだろうというのは大きな間違いです。
 かつての日本は、「読み、書き、そろばん」のような基本、基礎を徹底するような教育を行っていました。例えば、1940(昭和15)年には国語が週12時間ありました。しかし現在では週3,4時間です。他の教科に関しても同様に時間数が減っています。この時間数で基礎学力を身につけるのはきわめて難しいことです。四則計算は小学校でしか習いません。これが身についていないまま中学校に入ります。今までは分数のできないこどもがいると言われていました。ところが最近では、小学生、中学生で九九ができないこどもがたくさんいます。これが「ゆとり教育」の現状です。 インドでは22×20までの掛け算を徹底的に暗記させる教育で、優秀なシステムエンジニアが多数育ち、活躍しています。基礎がしっかりしていれば、必ず独創性や創造性も身についてきます。逆に、基礎がないのに独創性や創造性を発揮しようとしても無理なことです。今のゆとり教育がまさに、基礎をないがしろにして独創性や個性を謳っていると思いますが、果たしてこのままでよいのでしょうか。こどものためにも基礎が身につく教育というのが一番重要なことではないでしょうか。


教材内容


インドの掛け算


 
copyright(C)2002.11-2003 Aken all rights reserved
All contents &graphics may not be used without permission