けんいちの個人情報 etc.
「個人のホームページ(HP)って何てくだらないんだ!」「こんなもの誰が読むんだ?」「イタいなあ」「みんな自分が好きなんだな」とか言って,他人のHPをちょっと馬鹿にしていた私でしたが,うっかり自分でもHPを作ってしまって,「誰が読むんだ?」的な少々恥ずかしい事態 になり,さすがに 阿呆な私も人様にあわせる顔がなくなりました.とは言え,皆様に読んで貰いたい気持ちも正直チョッピリありますので,もしお時間が許すようであれば少々お付き合いいただけますと,嬉しく思います.

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■ 名前(世を忍ぶ仮の名前です)
大森けんいち(Ken Omori)
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■ 年齢
我が家の体脂肪計の目盛りは,私の肉体は 「21歳」に相当するということを示しています!学生のみなさんと同じくらいですね\(^▽^)/やった〜
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勤務先 近畿大学経済学部(教授/2010年10月より学部長)
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■ 学位 京都大学博士(農学),京都大学農学修士
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■
最終学歴 京都大学大学院農学研究科修士課程修了(農林経済学専攻)
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■
関心領域 農村経済論,地域開発論,産業考古学(交通)などが主な関心領域です(謙虚なわけでもないのですが,専門領域とはなかなか言えませんね).出自や所属学会から言えば,私は「農業経済学者」なのでしょうが,勤務先での主担当科目は「地域経済学」ですし(赴任1年目は「経済地理学」「都市計画」まで担当してしまいました.前者はまだしもですが,後者は・・・),「第2種兼業農業経済学者」とでも名乗った方が良いかも知れません.2010年現在の担当科目(廃止が決定されている科目は除く)は,「地域開発論」「地域経済学」「過疎地域政策論」「食と風土の経済学」です.
なお,最近「専門は何ですか?」と一般の人に聞かれると,面倒なので「経済学です(経済学部にいますからね)」と涼しい顔をして答えています.しかし,実際には「勝手知ったる他人の家」と言ったところが,私にとっての経済学でしょう(でも増改築部分では不案内な箇所も増えてきました).
ところで,私は「合成の誤謬」の存在に気付かせることと,「機会費用」の重要性を認識させることが経済学の最大の役割だと思っていますが,この認識でよいのでしょうか?(私のような
「なんちゃって経済学者」はあまりわかったようなことを言ってはいけませんね).

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■
現在研究していること・考えていること
@ 地域農業の動態構造分析
A 地域・土地への「愛」の構造と機能
B
産業遺産に関する言説の数量分析 など
上記@は地道な実証研究(のつもり)ですが,Aは少々妄想系です(真面目な動機によるものですが.関連拙稿
).「愛」を基軸に据えた地域開発理論の構築を目指しています.トンデモ系とか電波系とか言われないように気をつけてはいますが….こういうのは自覚症状はあるのでしょうか?方法としては,統計的テキスト分析に大きな可能性を感じています.
上記Bにつきましては産業考古学会などで最近ぼちぼち報告しています.「産業遺産を保存し後世に伝えることの意義」について考えている一環です.必ずしも地域開発と産業遺産を結びつける意図はありません(そのような論者は多いので,あえて私がやらなくても・・・).

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所属学会 地域農林経済学会,日本農業経済学会,日本農業経営学会,農村計画学会,産業考古学会,近畿産業考古学会
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学会活動 過去におきましては, 農業生産技術管理学会編集委員,地域農林経済学会理事(2期),同常任理事(2期),同編集委員(1期),同常任編集委員(2期.うち1期は副編集委員長)を務めました.現在は,農村計画学会査読委員(2期目),日本農業経営学会編集委員などを務めております.
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■
社会活動 覚えている限りで書きますと,過去におきましては,島根県広域行政推進検討委員会専門委員,島根県中山間地域研究センター研究アドバイザー,山陰中央テレビ放送株式会社放送番組審議会委員,財団法人しまね農業振興公社評議員・経営委員(議長),社団法人島根県畜産振興協会非常勤畜産コンサルタント,島根県農業生産法人指導センター経営コンサルタントなどを務めました.私なりに地域貢献には努力したつもりです.
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■ 職歴など 大学院の博士後期課程の2年生の夏休み頃に,湖畔の小さな城下町にある地方国立大学農学部から,私の師匠を通してお声がかかり, 学生に毛が生えたような存在 でしたが(「学生には毛が生えていないのか!むしろ逆ではないのか」という突っ込みは無しですよ),恥ずかしながらその秋から教員として採用されることになりました.助手(現在の「助教」に相当します.その頃は国家公務員で,官職名は「文部教官教育職(一)2級」だったと思います)からスタートし,専任講師,助教授(現在の「准教授」に相当)を一通り経験しつつ,最愛の妻に支えられながら落ち着いた雰囲気の中で研究生活を送ってきました(専任講師への昇格と新婚生活スタートが同時でした).連合大学院の担当として,お隣の県にある国立大学の助教授も併任しました.大学ではそこそこの研究費と自由な研究環境(助手の頃は博士論文に没頭する時間も)を与えられ,文部科学省の長期在外研究員として英国の古い大学町
に滞在する機会もいただきました,
しかし,恩義を感じながらも,国立大学法人化による環境大激変を契機に,少々考えるところがあり,大都市圏の大規模私立大学の経済学部(要するに現在の勤務先)に移籍する決心をしました.地理的環境も,学部の性質も,法人の形態も,大学の規模も,学生気質も大きく変わりましたが,私にとっては良い刺激になりました.新しい職場環境も悪くなく,移動したことを後悔することはまったくありません(
水都大阪
もとても気に入りました.散歩が大好きな私には,長い歴史に培われた大阪の町は大変魅力的です.食のレベルも高水準だと思います.それにしてもマスメディアの紹介する大阪は偏向していますね.道頓堀界隈と通天閣,粉物・串カツだけが大阪ではありません).
ただ「地理的環境(水)が変われば子供ができるかな?」と儚い希望(あまり科学的ではないですが)を持っていましたが(移籍の理由の一つ),こればかりは目算通りとはいかず,いまだに
子宝に恵まれていません(大変残念です) .
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■ 好きなこと
愛妻とえんえんと語らうこと,愛妻と共にする食事の時間(これも結構長いよ),何の役に立つのかわからない本をとにかく沢山読むこと,目的を定めないで旅をすること,長距離を散歩すること(近大から難波くらいまで歩くのは何でもありません.知らない町をあてもなく歩くのが兎に角好き),温泉入浴,食材見て歩き(私自身は料理をまったくしませんが・・・見るのは好き!),など.
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■ 嫌いなこと 私はとにかく偽善と偽善者が大嫌いです.たとえ善人であっても偽善に気付いていない人も嫌いです.綺麗事や建前ばかり言う人も当然嫌いです.本末転倒なことを言う人も嫌ですね.それから,頭の固い人も嫌だけど,逆に言動がブレブレの人も嫌だなあ.あれっ!「嫌いなこと」ではなくて,いつのまにか「嫌いな人」になってますね.失礼しました.
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■
愛用マシン(PC) お小遣いを貯めて最初に自分で買ったパソコンがマッキントッシュ・クラシックU.でも,だんだんマックのデザインがダサくなっていったので(ドイツのフロッグデザイン社が担当してた頃が良かった),パワーマック9500を最後にいつの間にかマックは使わなくなりました.
現在,Windowsマシンを何台か持っていますが,マックほど愛着がないので機種名をまったく把握していません(台数も正確に把握していません.私にとってはただの機械だから).その中で,比較的愛用しているマシンが,5年以上使っている真っ赤な天板のレッツノート(本当はピンクの天板にしたかったのですが,選択できませんでした).今は授業の時のプレゼン専用機となっていますが,頑丈でまだまだ現役で使えそうです.
研究室のメインはイイヤマのデスクトップPCですが中味はマウスコンピュータみたい(と言うか,イイヤマっていつの間にかマウスコンピュータに吸収されたんですね).私の部屋のは図体がデカくて無愛想なマシンなんですが,3年近く順調に作動しており,ほとんどトラブル知らずです(とても安いPCなんですが).モニタはナナオの19インチ(PC本体よりもちろん高価です).キーボードはなぜかジャストシステムのATOKに特化したもの(これも高かった).それにロジクールの無線マウス.それから,PCではないけど,最近はキングジムのポメラがお気に入りです.
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■ 仕事でよく使うソフト
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サクラエディタ
:軽快なフリーのテキストエディタ
◎一太郎:NECのPC9800シリーズ全盛期は,一太郎が大嫌いでしたが,今はアンチMSなので.でも一太郎もなかなかのものですよ.機能はもちろん,見た目も洗練されてきました(何と言ってもカラーバリエーションとしてピンクが選択できます!実はこれが決め手だったりします).「ATOKだけ使う」なんて言わないで,みんなで国産ソフトを盛り上げようではありませんか
◎三四郎
:ユーザーは少ないようですが,Excelより軽快です.面倒な計算は他の専用ソフトに任せる人にはこれで十分だと思います
◎ 花子
:授業資料で需要曲線や供給曲線などを描くのに使ってます
◎ MathType:Wordの前のバージョンまで入っていた数式エディタの完全版.数式を書くのにとても便利.TeX形式への変換も可.一太郎でも使えるよ
◎R
:フリーの統計解析環境の定番.プログラミング言語としても使えます.私が使い始めた頃は,和書では中澤港氏の名著「Rによる統計解析の基礎」(ピアソンエデュケーション,2003年)くらいしか解説がありませんでした(もっぱらネット上の情報に頼っていました).しかし,その後,ぼちぼち関連書が出版され始め,私はそのたびに全部買ってましたが,最近はあまりにも関連書が多いので,もう買うのはやめにしました(もちろん,「これは」と思うものは買いますよ).Rを始めたい人は,本屋さんで自分に合ったものを選んでください(本当に一杯あります).最初の1冊として,けんいちがお奨めするのは,舟尾暢男・高浪洋平「データ解析環境「R」」(工学社,2005年)です.
◎ gretl
:フリーの計量経済分析用ソフト.バージョンアップを重ねてフリーとは思えない完成度に.昔,外国出張先でたまたま買ったラマナサンの計量経済学の本の付録FDに入っていたのが知ったきっかけ(その時のバージョンはまだ発展途上の印象でしたが)
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なお,
TeXを使っていたこともありますが,いつのまにかヘタレワープロ・ユーザーになってしまいました(TeXは図を貼るのが面倒ですし,急いでいるときにコンパイルでエラーが出ると「焦っちゃう」というのが使わなくなった理由のような.数式は圧倒的に綺麗なんですが).なお,TeX専用のエディタであるLabEditorがとても使い勝手が良かった記憶があります(シェアウェアです).
数式処理の定番ソフトである Mathematicaも大枚をはたいて購入しましたが,稼働率はそれほど高くありません(マックユーザーの頃から使っており,結構これには投資しました.使うととても面白いのですが).私程度のヘタレ・ユーザーなら,数式処理はフリーのMaximaでも十分過ぎるかも.
また,フリーのオフィスソフト
OpenOffice.org
はバージョンアップのたびに期待して使ってみますが,いまだに起動が遅すぎで(この点はMS-Officeの方がマシなことも),イライラして,そのうち使わなくなってしまうことの繰り返しです.OOoがもっと軽快になれば,一太郎・三四郎コンビから移行するかも知れません.でもMathTypeとの相性も悪いんだなあ.
ところで,このページはフリーの
alphaEDITで作成しています.なかなか使い勝手がよいと思います(けんいちは,市販のHP作成ソフトを使った事がないので,それらと比較しての話はできませんが).
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■愛読書・好きな作家
など
私は,活字中毒なのですが,仕事の本以外では,実は繰り返し繰り返し読む本はそれほど多くありません.色々読みたいけど時間が限られているし・・・で多読な方なのですが1回キリの本が多いのです.それでも,何度も読み返している本,いつかまた読み返したい本が何冊かあります.以下,少しずつ紹介しましょう(また更新すると思います).
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◇愛読書
◎梅棹忠夫「東南アジア紀行」:大学1年生の頃の愛読書です.本書は,まだ海外学術調査が珍しかった時代に,民族学者である著者が学際的な調査団を組織して,タイ,カンボジア,ラオス,ベトナムを縦断するフィールドワークを行い,これらの国々の自然環境やそれに適応して暮らす人々の生活実態を克明にリポートしたものです.調査結果だけでなく,調査の準備段階からのプロセスも生き生きと描かれています.私は,この本を読んで,東南アジアそのものは勿論のこと,フィールドワークという知的行為にも憧れました(「自分もこういう仕事がしたいな」と能力も顧みず思ったりしました).
しかし,私自身はその後,どちらかと言えば書斎に閉じこもるタイプの研究者になってしまいました.それでも,就職してから,東南アジアのフィールドワークに出かける機会を得ましたが,師匠に動員された共同研究であり,私の仕事のメインになるものではありませんでした.しかし,生まれて初めて東南アジアの地に立った私は,この本を愛読していた当時を思い出し,感慨深いものがありました.
本書は,のちに中公文庫にも入りますが,私はこちらも購入して再読しました.同じ著者の代表作「文明の生態史観」
も当然読んでいますが,こちらは愛読書とまでは言えません.そのほか,類似の書物である中根千枝「未開の顔・文明の顔」
も同じ頃の愛読書で,若い私は,少なくない影響を受けました.
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芹沢光治良「人間の運命(全14巻)」 :中学生の頃からの愛読書です(最初は単に「長い小説だから」と言う理由で手を出しました).手垢にまみれ,もうボロボロです.芹沢本人がモデルである主人公・森次郎の成長を描く大河小説です.私はこの手の大河小説がどうも好きなようで,まったく毛色は異なりますが,明治・大正・昭和を生き抜いた一人の女性の人生を描く船山馨「石狩平野」も大好きで何度も読み返しておりますし,井上靖の「北の海」ほか自伝(?)三部作(+「あすなろ物語」)も大好きです(多くの人が愛読書だと言うので,天の邪鬼の私は何となく言いたくないのですが,司馬遼太郎「竜馬が行く」なども「好きです」と小さい声で言っておきます).あるいはパールバックの「大地」を小学生の時に読んで感動した記憶もあります.
「人間の運命」に話を戻しますと,主人公・次郎(芹沢)は一高・東大経済学部を経て,農商務省に入省し,その後,中央大学講師(貨幣論)を経て,最後は作家専業となります.私はこの本で初めて理工系だと思っていた農学部には農業経済学(農経)という奇妙な分野が存在することを知りましたし(次郎の農商務省の同僚として農経出身者が登場),作中には石黒忠篤も登場し,戦前の日本農政史を知る上でも面白い本だと思います.多分,私の進路に,色々な意味で最も大きな影響を与えた書物ではないかと思います.旧制高校生の実態も良くわかります.中高生の私は,読みながら,旧制高校生って「青臭いな」と思ったり,彼らのエリート意識に鼻持ちならぬものを感じたり,逆に「なんて大人なんだ」と思ったりした記憶もあります.
時間ができましたら,また「一挙に」読み返したいと思っています(最後に読み返したのは,就職を目前にした大学院生のときで,チビチビではなく,一挙に読み返しました).大河小説は一気読みに限ると言うのが私の意見です.
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◎ 藤原正彦「若き数学者のアメリカ」
:これも大学1年生の頃からの愛読書.著者は「国家の品格」で一躍メジャーになったあの藤原正彦氏です(以前から数学者兼エッセイストとして読書人の間では有名でしたが).氏のアメリカでの青春時代(独身時代の藤原氏が,ミシガン大学研究員のちにコロラド大学助教授としてアメリカに滞在していた時代)を描いた作品であり,氏の研究者・教育者,あるいは一人の青年としての日常が綴られるとともに,アメリカの学生や研究者の生態が非常に生き生きと描写されています.個人的経験談をはるかに超越した優れた文化論にもなっており,本業を別に持つ人間のエッセイ処女作とは思えないほどの完成度です.
藤原氏の作品では,英国・ケンブリッジ大学での在外研究員生活を描いた「遙かなるケンブリッジ」も私は好きで,よく読み返します(読み返す頻度だけで言うと,こちらの方が多いかな).私自身がその後,ケンブリッジで在外研究員生活を送るようになりましたので,特に印象深いものがあります.著者の意図とは異なるかも知れませんが,もっとも優れたケンブリッジガイドの一冊として読むこともできます(ケンブリッジ大学のシステムは複雑です.これについてわかりやすく記された本としては,フランス文学者・川上あかねによる「ケンブリッジの贈り物」をお奨めします).
このように,マスコミ的にメジャーになる前の藤原氏のエッセイには秀作が少なくないのです.「国家の品格」以降の藤原氏だけを見て食わず嫌いになるのは損です(「国家の品格」自体は大変面白い本であると思いますし,共感する部分も少なくありません.藤原氏よりも,むしろ,その後出た便乗本「○○の品格」の著者が個人的にはちょっと・・・).
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◎菱沼達也「私の農学概論:農学における人間の研究」:経済学や農学の本は,ここでは取り上げないつもりでしたが,この本は例外とします.この本は,やはり大学1年生のときの私の愛読書です.著者の菱沼氏は,農林省の研究機関から東京教育大学(もちろん今はありません.この大学を廃止して筑波大学が作られました)の農学部の教員に転じた農学研究者であり,本書は著者の農学研究に対する姿勢を具体的に綴った書物です.菱沼氏は獣医学から農業経済学をはじめとする農学一般(氏の仕事は文理両面に渡り,土壌分析などを行う一方で,農業経営調査や農民の生活実態調査をされています.氏の主宰する研究室名は「総合農学」でした)に転じた変わり種でもあります.仕事の一部は農村医学にも及びます.
農学の歴史をはじめとして色々なことを菱沼氏はこの本の中で書いていますが,特に私の印象に残っているのは,成田(空港のあるあの成田です)のある農業集落の中に東京教育大学農学部の分室(と言っても費用は自前)を作り,そこを活動のベースにしながら,参与観察に近い形で農村に入っていく著者の姿です.学生と一緒に田植えの手伝いなどもします.農民との日常的なつきあい・対話の中から問題を掴み,その解決策を農民と一緒になって試行錯誤し,農民の生活改善に役立てることを目指す姿は,農学を志す大学1年生の私には非常に衝撃的でした.感激して何度も読み返しました.「農学はこうでなければならない」とも思いました.
ところが,その後の私は,菱沼氏とはまったく対照的な研究者になってしまいました.私なりの言い分もあります(菱沼氏はマルクス主義を志向しているようですが,そういうこととは関係なく).しかし,今でも初心を思い出すために,書棚から時々本書を引っ張り出します.本書については,もう少し何か書かないといけない気がしています.
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◇好きな作家
多くの人も多分同じなのだろうと思っていますが,好きな作家が見つかると,とにかく新刊で手に入る限りは(古本も買いますけど)すべて買って読もうとする傾向が私にはあります(そのうち,飽きが来たりもしますので,それ以降は買わなくなることもあります.なので,特定の時期だけ,ある作家のものがすべて揃っているということもあります.のちに嫌いになる場合もあります).
◎松本清張:小学生(確か5年生くらい)の頃からの 松本清張
ファンです.少年向けのミステリ(ポプラ社版の江戸川乱歩「少年探偵シリーズ」など)にいささか飽きてしまった私は,祖母の書棚から仁木悦子「猫は知っていた」を借りて読み,大人向けミステリの面白さに目覚め,さらに味をしめた私は,続けて祖母の書棚の清張の「黄色い風土」「眼の壁」に手を出し
,ついに少年物に戻ることはできなくなりました.しかし,小学生の私にとっての清張の小説は,大人の暗い世界を垣間見せてくれる存在であり,心が凍り付くような怖さを感じた記憶があります(怪人が出てくるわけでも残虐なシーンがあるわけでもないのですが,とにかく怖かった).
祖母の書棚への依存から独立し,自分で清張の本を買い始めたのは(と言ってもお小遣いでですが),中学生になってからです.たとえば,中学1年生の時の大晦日から正月にかけて,清張の文庫本を大量に買い込み,何もしないでひたすら 「砂の器」「蒼ざめた礼服」「影の地帯」「蒼い描点」「黒い画集」
その他(もう何冊か一緒に読んだような気がします)をコタツで一気読みしました(途中,仮眠を挟みながら).しかし,読後は清張ワールドの毒に当たって,さすがに気分が悪くなりました(そもそも読後感が爽やかでないのが清張文学の特徴ですね).大学生の時に「清張文学と鉄道」という超恥ずかしい評論もどきをサークルの会報に書いた記憶もあります.
なお,大人になってから,私が小学生時代を過ごした自治体の広報紙に,巡回図書館の前で箱入りの文藝春秋社版の松本清張全集の1冊を大事そうに抱える小学生の私の写真が掲載されているのを愛妻が発見しました
.「
霧の旗/砂漠の塩」を5年生の時に巡回図書館から借り出した記憶があるので,たぶんそれでしょう.でも,どろどろとした復讐譚の「霧の旗」 を読む小学生なんて嫌ですね.
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◎その他の好きな作家:以下の通りです(名字の50音順.エッセイストも含みますが,科学エッセイストは含めません.1〜3冊程度しか読んでいない作家は,たとえ好きでも省きました.逆にかなりの数読んでいる作家でも,実は好きではない場合もあり,それらは当然省いています.既に言及した作家も除きました).
鮎川哲也,ジェフリー・アーチャー,池波正太郎,五木寛之,遠藤周作,岡嶋二人(井上夢人),折原一,加賀乙彦,エラリー・クィーン,アガサ・クリスティ,小林信彦,パトリシア・コーンウェル(検屍官シリーズ限定),小松左京,椎名誠(自伝的青春小説限定),篠田節子,下川裕治,東海林さだお(エッセイ限定),妹尾河童,太宰治,筒井康隆,夏目漱石,ナンシー関,貫井徳郎,東野圭吾,広瀬正,藤沢周平,三浦哲郎,水上勉,宮本輝,山口瞳,山崎豊子,横山秀夫,吉行淳之介(エッセイ限定),連城三紀彦,渡辺淳一(初期限定)など.
以上のラインナップを見て,文学好きの人は「何だこりゃ」と思われるかも知れません.思い出せないだけで私にとっての重要人物を沢山落としているような気もします.林望や丸谷才一,佐野洋も一時大好きで,手に入るだけ買って読んでいましたが,どういうわけか,最近は好きな作家リストには入れたくなくなりました(他にもそういう作家が何人かいます).
それから,クィーンやクリスティを挙げておきましたが,彼ら(彼女ら)を愛好するコアなミステリ・ファンは大勢いらっしゃいますので,私のような者がここにお二人(おっと三人か?)の名前を出すのは少々憚られるものがあります(それにしても,クリスティの「アクロイド殺人事件」は天地が揺らぐほど衝撃的でした.その後の私の折原・連城好きにもつながります).東野圭吾はデビュー作「放課後」からのファンですが,大化けしましたね.流行作家になるとは思いませんでした(ベストセラー作家を敬遠する私にとって,東野氏は数少ない例外).あれだけ多作なのに質が全然落ちていないのが驚異的.なお,私はミステリの筋はすぐ忘れる方で,タイトルまで忘れて二重買いの事故も多発しています.多分,私にはミステリ談義はできないでしょうね.
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◇私の読書傾向 学生時代は格好をつけて(異性にもてたいから),サルトルやカミュ,ラディゲとか読んでいました.渋澤龍彦などにも手を出して,通を気取っていました.しかし,これらの書物が,私の血となり肉となったかは疑問(あくまでも「私にとって」であり,他の人には有益でしょう.多分).愛読書にも当然入れていません(どちらかと言えば,私は,五木寛之のような作家を偉大だと思うような,大衆小説好みの俗人です.しかし,五木を大衆作家と言ってしまってよいのかな?).
今は雑食で,「好きな作家」をご覧いただいてもおわかりの通りミステリでも何でも手当たり次第という感じ.数学や自然科学の啓蒙書もよく読みます.私のお薦めの本は,サイモン・シン「フェルマーの最終定理」で,名著だと思います.青木薫の訳も良いですね.それから脳科学関係の本も好きでブームになる前からよく読んでいましたが(研究で農村景観評価をやっていた時期があり,その関係で心理学に少し手を出したということもあります),中でも知覚心理学者・下條信輔による「サブリミナル・マインド:潜在的人間観のゆくえ」がとても面白いと思います(何度でも読み返したい).科学することの楽しさがビンビン伝わってくるのと同時に,本当に読後に人間観が変わります.著者による東大教養学部での一般教養の講義ノートがもとになっているようですが,このような講義を受けられる学生さんを羨ましく思います.
私は,原則として,ベストセラーは読まない主義ですが(単なる天の邪鬼),マスコミでも有名な脳科学者・茂木健一郎のものはついつい買ってしまいます.多作なのに,この人の文章は荒れていないばかりか,格調があります(多分).特に「生きて死ぬ私」などが私は好きです(脳科学の啓蒙書の域を超えて,立派な文学だと素人の私は思いますが,玄人の評価はどうなのでしょう?「脳と仮想」で小林秀雄賞を受賞されていますが,私は権威主義で言っているのではありません).
それから,私の好きなジャンルに紀行文学もあります.私は,アメリカ人の小説家がユーラシア大陸とその周辺(日本を含む)をとにかく汽車に乗って旅して回るポール・セルー「鉄道大バザール」が大好きです.これは紀行文学の傑作中の傑作だと思います(一時,講談社文庫にも入ったようですが,今は入手できないようです).あの阿川弘之が訳しており,訳文も日本語として名文です.もちろん,紀行文学としては,内田百閨u阿房列車シリーズ」は外せません.「乗り鉄」の教祖(?)宮脇俊三の鉄道紀行関係も当然読みます.氏の「時刻表昭和史」は,タイトル通りまさに昭和史の一つの側面を鮮やかに示しており,紀行愛好者や鉄道ファン以外の方にもお奨めしたい名著だと思います(氏の「時刻表2万キロ」があまりにも有名ですが,作品の完成度はこちらの方が断然高いです.性格が違うので比較するものでもありませんが).
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■ よく聴く音楽
読書と同じでマイ・ブームがあります.ジャンルにはあまり拘らない方で,クラシックでもポップスでも何でも聴きますが,好きになると特定の演奏家や歌手,作曲家のものだけを聴き続ける傾向があります.
そのようなわけで,駆け出し研究者時代は,寝ても覚めてもグレン・グールド
を聴いていました(その頃はバッハの「ゴールドベルク変奏曲」や「フーガの技法」を鼻歌にしていました).博士論文も,グールドを聴きながら書いていました.
また,テクノポップ大好き少年だった時代もあり,イエロー・マジック・オーケストラ(YMO)に痺れていました(昔から臍曲がりなので,「テクノポリス」「ライディーン」のような坂本龍一や高橋幸宏(ユキヒロ)が書くメジャーな曲よりも,「アブソリュート・エゴ・ダンス」のような,ライブではほとんど演じられることがない,いかにも細野晴臣的マイナーな曲が好きでした.今でもこの曲を聴くと,身体が自然に反応し,踊り出したくなります.細野さんはすごい!).
さらに,ここ数年は,サラ・ブライトマン
にはまっています(愛妻もファンです).もちろん,2009年3月に大阪城ホールにサラが来た時は,愛妻と生サラを拝観・拝聴しに行ってきました.アレッサンドロ・サフィーナ
との「大いなる世界」「オペラ座の怪人」のデュエットは鳥肌ものでした.
「オペラ座の怪人」と言えば,何年か前にロンドンのハーマジェスティ劇場まで愛妻と観に行きましたが(その時はもうクリスティーヌはサラではありませんでしたが),サラがその昔歌い踊っていた舞台であるというだけで私は感激しました(サラの演じるクリスティーヌが本当に観たかった).もう一度あの舞台にサラが立つことがあれば万難を排してロンドンまで飛んで行きます.それにしても,「オペラ座の怪人」のアンドリュー・ロイド・ウェーバー
の作曲は,他の作品に比較すると異様に冴えています(「愛」の力でしょうか?).
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■ 鉄道趣味
小・中学生の頃は時刻表少年でした.中学・高校生の頃から廃線跡にハマリはじめますが(小学生の頃から予兆あり),当時は「どうして線路もない草茫々の空き地や田んぼ道に興味があるのか?」「そんなことして(何の変哲もないように見える道を歩いたり写真をとったり測ったりして)何の価値があるのか?」と周りから(鉄道ファンからも)言われました.
しかし,いつのまにか廃線跡探訪は世の中のブームになり,沢山の関連書籍も出版されるようになり,あげくはテレビの旅番組にまで廃線跡が取り上げられるようになりました.ただ,私自身は,天の邪鬼なので,ここまでブームになると自分の出番は無いと勝手に思い込んでしまい,ここしばらく廃線跡からは意識的に目を逸らしてきました(でも,JTBの「鉄道廃線跡を歩く」シリーズや新潮社の「日本鉄道旅行地図帳」は全巻揃えてしまいました.なぜか研究室の書棚の一角を占めていますが,まあ産業考古学の資料ということにしておきます….もちろん私費).
ところで,英国にも日本に負けないくらい廃線があります.その昔,英国国鉄総裁のビーチング博士が大鉈を振るって(いわゆるビーチング・アックス(斧)),非常に多くの不採算路線を切断(廃止)してしまった結果です.英国滞在中も,休日に廃線跡を歩いたり(なぜか写真に撮っていない.今から思えば残念),ボランティアの手によって部分復活した廃止路線に乗車したりしました.書店には廃線跡についての書籍が結構並んでいました(これもなぜか買わなかった.帰国してからアマゾンで買えるものは買ったりしています).英国では鉄道趣味は大人・紳士のものですが,わが国はどうでしょうか?
わが国でよく見られる光景ですが,列車にせよ路線にせよ廃止の時だけ大騒ぎするのは大人げない感じがしています.鉄道の本が売れるとなると,次々便乗本が現れるのも,一寸嫌な感じです.

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■ 趣味のバレエ 前任校時代,健康のために一時,バレエ教室に通ったことがあります(このときの事情は『洛友会報』(京都大学農学部洛友会発行)の何号かに「肉体派宣言」
というタイトルで書きました.参照しようと思ったのですが,原稿がちょっと見あたらない).
恥ずかしながら白タイツで舞台も踏みました(「白鳥の湖」の王子!).初舞台では,仕事で知り合った人々(学外の某委員会の同僚の皆さん),職場の同僚やその奥様,学生さん(留学生も含む),もと上司の名誉教授,学生時代の恩師,通っていた病院の看護師さんなど非常に沢山の方々に応援に来ていただきました(観客席の過半数が私の関係者でした.私の独演会ではないのですが…).「ブラボー」と拍手喝采を浴びることの快感を覚えてしまいましたが,その後,間もなく私は英国に渡ってしまったので(勿論,ロイヤルバレエスクールへのバレエ留学ではありません),私のバレエ人生は終わってしまいました(帰国後は何かと忙しく,教室から足が遠のいているうちに,間もなく転出してしまいました).
ロイヤルオペラハウスにも何度か足を運び,楽屋見学ツアーにも参加しましたが,最近はもっぱら自宅でバレエのDVDを観ているだけです.ちなみに好きなダンサーはロシアの ファルーフ・ルジマートフ
です(「海賊」のアリ役が良いですね.神業です).なお,最後に私の王子姿の写真を貼ろうかと思いましたが…皆さんが悪い夢を見るといけませんので,止めておきましょう.
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■ テレビっ子
今はテレビをほとんど観ませんが,小中学生・高校生時代は茶の間でテレビを観ながら宿題をしていました.テレビのない自分の勉強部屋ではあまり勉強できない(集中できない)子でした(今も雑踏の中の読書が一番集中できます
).
「遠山の金さん」「特別機動捜査隊」「Gメン75」
が特に好きな番組でした(ハードボイルド好みの私には「太陽にほえろ」
は人情味過多で気持ち悪く今一つでした).もちろん,横一列に並んで歩くGメン75ごっこをしましたし(夏木陽介演じる小田切警視が一番かっこいいと思いましたので自分もなりきりました.近所で野良犬の変死体が発見されると,「さあ捜査だ!」と俄然張り切り出す馬鹿な小学生でした(小学生の時は,読書も好きだったけど,昼間は外で遊んでばかりいました).
なお,テレビっ子だったからと言うわけではありませんが,前任校時代,上司の推薦で地元の民放の番組審議委員を2期4年間務めました(放送エリア内の有識者から構成され,私は地元国立大学の代表みたいな顔をして座っていました.普段テレビを観ないのに大丈夫?と言う感じもしますが・・・).月1回,局の会議室に招集され,課題番組を視聴し,番組批評と改善意見を述べるのが主な仕事でした(時々審議の模様がローカルニュースで放送され,私も何度かブラウン管に登場しました).議事録が公開されるので,あまり変なことも言えませんが,私なりに番組改善に尽力させていただきました.自分で書くのも何なのですが,「あなたは"ユニーク"な意見を言う」とか「"面白い"意見を言う」とよく言われましたので(お世辞かな?それとも,ひょっとして皮肉かしら?),少しはお役に立ったのかな?
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好きな俳優・映画 けんいちは, ケビン・コスナーの大ファンです.彼の「ボディガード」が好きで,最後にケビンがホイットニー・ヒューストンを助け自分は凶弾に倒れてしまうシーンは何度も繰り返し(DVDで)観ました.瀕死の重傷を負いながらも,顧客(ホイットニー)を守りきる,ボディガードという仕事に徹するプロの仕事師ぶりに私は痺れました.あまりにカッコイイので,私をケビン,愛妻をホイットニーに見立てて,クライマックスシーンを真似したりしています(調子に乗るとけがをしますが).また,ケビンには珍しい「ロビン・フッド」のような冒険活劇も私は大好きで,ストレス解消によく観ます.実際に私はシャーウッドの森にも行ってしまいました.
なお,ケビンはカッコイイ役もいいのですが,背中に風が吹く哀愁漂う男の役もステキです(「ボディガード」
にもある種の哀愁は漂っていますが).亡き妻との純愛物語「メッセージ・イン・ア・ボトル」は愛妻家の私は過剰に感情移入してしまい,ハンカチ無しには観ていられません(ラストは「守護神」に似てるようにも思いますが,ケビンはこんな終わり方が好きなのかな?).とにかく,亡き妻をいつまでも思い続ける男の哀愁をケビンはうまく表現していました.「八月のメモワール」(原タイトルは"The
War")での戦場で負った心の傷に悩む父親役にも味があります(これも最後は泣けますが,終わり方がやはり前記2作と似ている気がするのは私だけかな?).
ケビンの「八月のメモワール」は,戦争の悲しさをうまく表現した映画で秀作なのですが,ソフィア・ローレン主演の「ひまわり」は,それ以上に,(いわゆる残虐なシーンを一つも使わずに)戦争の持つ残酷さを描ききった作品だと愛妻は申します.私も愛妻に奨められて「ひまわり」を観ましたが,なるほど愛妻の言う通りであり,しばらく放心状態になりました.自分がその立場になったら・・・と考えると胸が締め付けられます.
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