7、風が吹けば実際の気温より冷たく感じる

山登りの時だけでなく、下界(平地)でも感じるのですが、冬などの気温の
低い時に風が吹いていると実際の気温より寒く感じる事は経験されていると
思います。
これは体感温度と言い一般的には風速1mに付き1度C冷たく感じると言われ
ています。
風がなければ身体の周りに体温で暖められた空気の層ができ、空気の断熱効
果で寒さが緩和されるのですが、風が吹くとこの空気の層が吹き飛ばされ体
温が奪われて行くためです。
しかも気温が氷点下の場合はもっと寒く感じ(グラフ参照)、気温の低い高
い山では低体温症となり山岳遭難の疲労凍死と報道されている事故の原因の
一つになっています。


グラフ上をクリックすると大きくなります。

体感温度

寒さによる影響

4℃〜-6℃
寒い。不快

-7℃〜-17℃
大変寒い。大変不快

-18℃〜-28℃
ひどく寒い。露出した皮膚は5分以内に凍結する。

-29℃〜-56℃
極端に寒い。露出した皮膚は1分以内に凍結する。
屋外行動は危険となる。

-56℃以上
極寒。露出した皮膚は30秒以内に凍結する。
(NOAA NWSより)

上の表は米国ナショナルウェザーサービスの体感温度による影響を示したも
のです。
体感温度がマイナス29℃を下まわれば生命に危険が及ぶと言われています
現実には上のグラフでは気温がマイナス10℃で風速が10m/sで体感温度
マイナス29℃になります。
これより気温が低かったり風速は強かったりすると防寒具の性能にもよりま
すが、生命に危険が及ぶ危険ゾーンに入っていると思って良いと思います。
こんな環境では行動せずに温かくて風の当たらない安全な所に避難する必要
があります。

止むを得ず行動しなければならない時の防寒装備には、インナーウエアーは
軽くて保温性の高い衣料をゆったりと数層に重ね着します。
これにより各層に貯えられた空気層が保温します。
アウターシェルは防水、防風効果がありフードがあるものが必要です。
体温の1/2は頭部から失われるので帽子は必ず必要です。
極端な冷気から肺を守るために口を覆わなければなりません。
手袋はグローブよりもミトンの方がより有効です。
極寒環境でのポイントは常に乾燥を保ち、防風に心掛ける事です。
以上のように米国ナショナルウェザーサービスでは勧めています。

一方、気温の高い夏山でも気温が5度Cで風速が10m有れば、体感温度は
−6度Cとなり、この上に雨などで身体が濡れておればもっと体温を奪われ
疲労凍死となる事は不思議な事では有りません。

防水、防風効果の高いレインギアーや高性能防寒ギア−は登山における
必須のアイテムと言われるのはこのためです。


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