18、集中豪雨

梅雨期や秋雨のころ停滞前線が日本列島上に停滞していて局地的に大雨が降る
事がよくあります。
浸水やがけ崩れなどの災害が起こり被害が出て新聞・テレビなどで「集中豪雨」
とよく報じられます。
この「集中豪雨」と言う用語は正式な気象用語ではなく、メディアで使われ出
した用語で現象を良く表現しているためか定着し、気象関係でも使われる様に
なりました。
しかし、どれくらいの時間に何ミリ以上の雨が降る時を指すと言う様な正確な
定義はありません。
感覚的には1時間に30ミリを超えるような激しい雨を「集中豪雨」呼んでい
ます。

下の模式図は集中豪雨が発生する時の状態を表したものです。

集中豪雨は日本列島上に梅雨前線や秋雨前線のような停滞前線が停滞している
時に多く発生します。
上の図は集中豪雨が発生する時のケースを一緒に模式的に表したものです。
この全てが揃った時に発生するものではありませんし、全てが揃う事はありま
せんので誤解のない様にして下さい。

基本的には日本列島上に停滞している停滞前線(梅雨・秋雨前線)に温かく湿
った気流(暖湿流)が流れ込んで来ると発生する可能性があります。
この暖湿流は図のように台風と大平洋高気圧により送り込まれて来ます。
台風の周りでは風は反時計周りに大きな渦をまいて風が吹いています。
台風が日本列島の南西に進んで来ると南よりの風となり吹き込んで来ます。
一方、大平洋高気圧が日本列島の南東にあると、高気圧の縁辺を時計廻りに吹
く風が南よリになり暖湿流を送り込んで来ます。
ほとんどはこのどちらかのケースですが、まれに二つが重なる事もあります。

前線付近では大気の状態が不安定になっており、前線上に小低気圧が連なって
いる時もあります。
この時、上空に冷たい乾燥した空気が流れ込んでいると、なお一層大気の状態
が不安定になり、強い上昇流が発生して成層圏付近まで達する積乱雲が発達し
強い雨とともに雷や突風をもたらします。
また、上空にジェット気流があると上昇した空気の逃げ道が出来て上昇流を強
化するとも言われています。

下層では暖湿流が舌状になって日本列島付近に延びてくるがあります。
これを「湿舌」と呼んで集中豪雨を持続させる働きをします。
この時の「湿舌」の中では暖湿流の強い風の流れがあり、これを「下層ジェッ
ト」と言い集中豪雨の発生の目安となります。
また、集中豪雨は局地の地形にも影響を受けます。
太平洋側の南西側や南東側の斜面は上昇流発生の要因になっており注意が必要
です。
内陸部でも沿岸部で発生した雲が次々に送り込まれて1ケ所に集中豪雨をもた
らすこともあります。

現在の予報技術では上の様な環境になる事は高い確率で予測する事は可能です。
しかし、集中豪雨が発生する可能性が高い事は予測出来ても、いつごろどこで
発生するかまでは予測する事は出来ません。
これは、極めて小規模な現象が短時間に変化しながら起こるためで、集中豪雨
が発生する環境になった場合は、いつ発生しても対応できるようにレーダーな
どで注意をしている必要があります。


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