2005 CHRISTMAS SPECIAL STORY/side Mu×Shiryu



世界から隔絶された世界。それがジャミール、ムウの館。
いつからか当たり前のように、そこへ帰るようになった。


「ただいま」
「おかえり」

「おやすみなさい」
「おはようございます」

「いただきます」
「ごちそうさま」

「いってきます」
「いってらっしゃい」


何気なく交わされる挨拶さえも、まるで告白のよう。
愛おしさを募らせながら、繰り返される日々が好き。

だって、確かな、俺たちの、家。
昨日は、今日は、明日は。あっという間に過ぎていく。

貴方以外の何者もいらない。

そんな気持ちになってしまうよ。
貴方はまっすぐに、俺が俺だからこそ好きだ、と言ってくれるから。

俺はうつむいて、言い慣れない言葉をそっと贈る。


「Merry Christmas...」
「...and a happy new year !」


また増えた、挨拶という名の、告白ひとつ。
今年のように、ふたり揃って。来年も共に過ごせたら、素敵だね。

貴方をこれ以上好きになるのは困るけど。
俺を、いま以上に愛してもらっても、いいですか...?

聖なる夜に、少しだけ、大胆になってみよう。
では、もう一度。

「Merry Christmas...and I love you.」








the end of "2005 Christmas Special Story"
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