「eyes〜Haruka×Michiru」





君を見る、君の瞳を覗き込む。

幾千回繰り返したとしても、瞬きほどの時間にさえ目眩を感じる、その魅力。



「海には底がある」誰の言葉?

「宇宙には果てがない」誰の言葉だったんだろう...?



この眼差しは底知れぬ宇宙、果てなき深海。

君の心を知ろうとする僕は難破船、翻弄されては流されてしまいそう。

けど、透き通るきらめきは驚くほど近い。

鮮やかな熱帯魚のうろこさえ見えそうなほど。



君はどっち?遠くて近い、近くて遠い...?



ああ、思い出すのは、太古のむかし。

栄えた王国、非情の月光、孤独の星で。

戦うために生かされた僕の瞳がとらえるもの、それは。



願いも祈りすらも届かない銀河で、ただ、この思いよ届けと見つめ続けた海の女神の星。



遠く遠く、離れ離れの僕と君の惑星、蒼と碧の運命に殉じて途切れた切ない惑星たち。

君はいま、魅力という引力をもって、吐息の触れあう距離で微笑む。

焦がれて止まなかった、あの星と同じ色、同じ輝きで、僕と生きては未来をみつめる。



僕の蒼、君の碧。

僕は風、君は海。



君を見る、君の瞳を覗き込み、ただひとり映る僕は、思いよ届けと深海の瞳の中を泳ぐ。






「eyes〜Haruka×Michiru」
(2003JUNE)
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