*NOSTALGIC LOVERS*

Nostalgic Lovers

いつか見た、夕日に染まる街はただ紅く。
瞳を閉じれば、俺も染まれるのだろうか、黄昏色に鮮やかに。
普通の人のように普通の日常にまぎれられるのだろうか、夕暮れ時に密やかに。
長くのびる影を引きずり、ふいに泣きたくなる瞬間。そんなことを考えていた。
頬に触れるやさしい手のぬくもりだけを信じられるなら、過去なんて未来なんて、捨てられる俺だけど…



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