「そこで待っていてね」
言い置いて去る姿が、憎らしいけど、美しいから。
波が君を放したあとで、小さな布地を飾るリボンをほどこうと決めて、目を閉じた。
まぶたの裏に、太陽の光、海の残像。
僕ノ灼熱に渇いた舌を、光る滴もはじけるような、君ノ身体で濡らそうか。
炭酸の泡が、ぬるく消えるまで。

(0822)■next→