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第二回講演会 当日のプログラム 

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第一部講演「日本から見たイギリスの魅力」中央大学法学部教授 折田正樹 

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第二部講演「ギャップイヤー」NPO法人テラ・ルネッサンス 上原誠子

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 NPO法人テラ・ルネッサンスの上原誠子と申します。私が今回、この原稿を書く機会をいただいたのは、3年前の大学院在学中に広島大学で開催された、ギャップイヤー研究会にて秦先生とご縁をいただいたからです。  これから書く事は、正式なギャップイヤーの概念とは少し異なるかもしれませんが、高校生が海外に行く事によって生じた心境の変化、国際協力領域におけるキャリア形成の一例として、自身の進路選択を紹介させていただけたらと思います。  さてまず話は、高校時代に遡ります。私は高校3年生の夏に初めて海外に行きました。 (財)香川県国際交流協会が主催する高校生タイ・ラオススタディツアーに参加しました。現地の病院やゴミ処理場で活動されている青年海外協力隊員の活動を見学し、村落部の小学校訪問、文房具の贈呈などがプログラムに組み込まれていました。小学校訪問では村に数冊しか無い教科書をみんなで分担して裏紙に書き写し、自前の教科書を作成し、みんなで行儀よく勉強している子ども達を見て、自身の日本での生活を恥じました。同時に日本に戻れば、“夢”を叶える為にサポートをしてくれる環境があることに感謝しました。いつか途上国の方達と福祉や医療の側面から仕事がしたい、と考え、大学で心理学を学ぶ事を選択しました。「今さら」と様々な事から距離をとっていましたが、全ては自分自身であることに気付く旅となりました。  立命館大学文学部心理学科に進学後は、学内だけの学びにとらわれず、病院での実習やNGOでのインターンシップ等にも参加しました。やがて大学院卒業を機に、“現場”に出たいと考えるようになり、青年海外協力隊員として海外で活動することを選択しました。 隊員時代は、派遣国のセネガルにて、エイズ対策隊員として感染予防の啓発や、検査の補助を行ってきました。また任期中は業務出張としてアフリカエイズ国際会議に参加し、アフリカでエイズ対策に関わっている国連機関やその他政府機関、NGOの発表に触れ、自身の活動に活かす機会もいただきました。 “現場”での2年間が終わりに近づいた頃、私は次第にNGO職員として働きたいと考えるようになりました。対象者との距離が近く、オーダーメイドの支援が行えると考えたからです。これまで学んできた心理学、アフリカにてHIV/AIDS問題に向き合った経験が活かせると考え、元子ども兵の社会復帰支援を行っている団体で、勤務する事となりました。  タイ・ラオスを訪問し、国際協力の領域で将来は働きたいと決心してから、今年で10年が経ちます。国際協力関連の仕事に就けた事がゴールなのではなく、自分への課題は何かを常に考え、日々前進する気持ちでいたいと思います。