その後のクリスタルレッド専用水槽

(2000年8月)
 
2000年4月に作成しましたクリスタルレッド専用水槽のその後の状況です。
作成してから5ヶ月が経過しました。
水槽はあれから約1ヶ月以上かかって安定期に入り、現在までなんの問題もなく経過しています。
 
当初簡単に作成しましたレイアウトは、その他の水槽でのレイアウト作成などの関係から、2ヶ月後に変更いたしました。
変更したと言ってもボルビディスを他の水槽に移し、ミクロソリウム・ウェンデーロブを変わりに追加しただけです。
また、最近になってロタラ・インディカをCO2無添加水槽でどうなるのか見てみたくて植栽しました。
当初レイアウトに使用していました南米ウィローモスは時間の経過と共に見苦しい状態になってきましたので、普通のウィローモスに変更しました。
南米ウィローモスはCO2無添加でも枯れはしませんが、CO2を添加し十分な光量がある環境との比較ではその姿は大きく異なりました。
好条件でのその姿は逆三角形の綺麗な状態になりそれが見事に密に絡まりあって見る者を魅了します。
しかしながらCO2無添加で弱い光量しかない場合には一部が枯れてきたり、生長しても綺麗な逆三角形にならなかったり、密に絡まり合わなかったりしました。
最高の状態を知っている者から見れば「とても綺麗」とは言えない状態です。
ですのでノーマルのウィローモスに変更しました。
これですと別段CO2を添加しなくとも光量が弱くとも問題なく綺麗に生長しています。
 
最近植栽したロタラ・インディカですが、こちらも問題なく生長しているようです。 
しかも綺麗なピンク色のまま成長しています。
当然水面近くまで伸びていますので光量も格段に少ないわけではありません。
ただし、底床に肥料分がないこととCO2が無添加であるため小振りな新芽しか展開していません。
 
次に同居させたスカーレットジェムですが、ネット仲間から「以前同じ様なことをしていてクリスタルレッドの稚エビを全部喰われてしまった」と助言いただいたため、すぐに退去頂くことに致しました。
変わりにラスボラ・ウロフタルモイデスを入れました。
 
セッティング状況では夏場の水温上昇対策としてミニ扇風機を壁からつるして設置し、置き場所もエアコンの風が良く当たる壁際に移動させました。
ご存知のようにエビという種は水温が高くなると非常に落ちやすくなります。
今までの私の経験からも30度を超えるとまず弱い固体から順に落ちていきます。
しかも今回の水槽はM水槽という小さな水槽ですので水温変化も早く、夏場を乗り切ることが最大の関門だと感じていました。
上記のような対応により夜間以外はエアコンが作動し設定温度は28度程度、ミニ扇風機は24時間稼働でおおむね26度で安定しました。
しかしながら日々の蒸発による水位低下は激しく、日に1〜1.5センチは低下しています。
これには2日に一度程度足し水して対処しています。
 
水換えなどのメンテナンスですが飼育している生体も少なくクリスタルレッドも小さな固体ですので、10日〜2週間に一度程度1/2程度行っています。
濾過器の吸水口に取り付けたスポンジフィルターは、ワンタッチフィルターからの流量が少なくなってきた時点で取り外しもみ洗いしています。
 
以上、これまでの経過ですが、濾過が出来上がる、立ち上がるまでは濾材の詰め込み過ぎなどでかなり時間がかかりましたが、ある程度安定してからはなんの問題や事故も起こっていません。
そして肝心のクリスタルレッドですが・・・・・確実に増えています。
おそらく5ヶ月で3倍以上の数になっていると思われます。
ただし、赤っぽいビーシュリンプも一緒に入れていましたので、その子供も増えており、A級のクリスタルレッドだけで見ると10〜20匹程度ではないかと思われます。(正確には数えられない・・・・)
最初の投入数が取り混ぜて10匹程度なので成果としては良い方だと思います。
 
と言うことで現在の水槽は・・・・
このような状況です。
  
ここでこの水槽のセットアップにまつわる裏話をもう1っ・・・
濾材に使用しましたパワーハウス・淡水水草用ですが、この濾材はあまり評判が良くありません。
何故かというと、この濾材は良い濾材の大原則である「水質に全く影響しない」濾材ではないからです。
この濾材の特徴としてはペーハーを安定させる働きがある、弱酸性に固定させる、等という特徴があります。
また、濾材の材質が幾分とけ出したり、材質の微塵な粒子が流出する等とも言われています。
確かに水換えなどを行い、濾過器を再稼働させたときに微塵な粒子が水槽内に噴出します。
これは良く濾材に付くダスト的なものと濾材の材質の微塵な粒子が混じったようなものですが、このようなことを防止する目的で濾材の最上部にはウールを詰めています。
それでも毎回同じように噴出しています。
だからといって実害があるわけではなく、しばらく放置すると綺麗になくなって(沈んでいるかもしくは再度吸水口から吸い込まれている)何事もなかったようになります。
 
このような特徴(水質に影響する)は良い濾材として有名なシポラックスにも言えることですが、シポラックスはセット初期のある一定期間だけに言えることで原則としては水質に全く影響を与えないと言えます。
何故私が今回この濾材を選んだのかというと、1っはエビは水質の変化に弱く特にペーハーが酸性に傾けば傾くほど、低くなればなるほど飼育が困難であると言うこと、もう1っは底床にアクアソイル・アマゾニアを使用すると言うことで、必然的に水質が低ペーハーの超軟水になってしまう、特にセット初期の段階ではそれが非常に強く出る場合がある、と言う懸念があったからです。
それなら大磯などの底砂を使用すればいいのですが、それは個人的にソイルの方が見た目に自然的に見えるだろうと思ったからです。
しかも色を黒にしたかったと言うことで、全くの個人的な好みですがこのようなセットにしました。
よって濾材に特徴がありペーハーを6.2以上に戻してくれるような効果を期待して使用したと言うことになります。
また、底床ベースにパワーサンドを使用せず自家製の底床ベースを作成しましたし、投入したアマゾニアの量も多くないので極端なことにはならないであろうという予測はありました。
自家製底床ベースに使用した軽石は中性のものですから大丈夫だろうという自信はあったのです。

セット初期における水質のチェックはこのようなこともあり欠かせないものでした。
予想通り水質は弱酸性で一定していましたし現在でも変化はありません。
このようにあまり良くないと評されるもの(ここでは濾材)でもその特性を良く理解していれば利用価値が出てくる場合もあるようです。
そう言った面では、自分が購入しようとする商品の特徴や特性は十分に理解しているにこしたことはないと言うことですね。
しかしながらその様な特性はあまりパンフレットや取扱説明書などにも記載されていないのが現実で、その様な情報を入手するすべがないのが一般的のようです。
その様な状況から見たこのインターネット上における情報交換などは、非常に有意義でなおかつ貴重な情報源であるようです。