アクアショップ

アクアリウムを趣味とする上ではアクアショップとは切っても切れない関係です。
みなさんはどんなショップがもっとも良いと考えますか?
当然、いいものを安く売るお店が良いに決まっているんですが、ショップという存在はそれだけで良いものなのかどうか?
ショップとしての事業も成り立たなくてはいけません。
最近ではホームセンターなどの量販店等でもすごい品揃えと売り場面積の所があるようです。
このようなところもショップと呼んでも良いのでしょうか?
規模や品揃えは?私達に対する対応は?どうして同じ物がいろいろな価格で販売されているの?ボッタクリってどんなこと?等々様々な疑問や納得できないことがあります。
しかしながら、ようは利用する個々の人たちが納得していればいいことなのですが、じゃ、誰でもが良いというショップとはどんなところなのか? いろいろな要因をふまえて考えてみたらどんなショップになるでしょうか?

[私の望むショップとは」

どんなショップが理想か?非常に難しい議題であります。
結論から先に言いますと、誰もが良いというショップは存在しません。
それは、お客になる個々の人たちの好みや希望することが違うからです。
例えば、親切丁寧に接客してくれる店を好む人、いやいや、話しかけないでくれ、ゆっくり自分で見たいから、と言う人、はたまた、私は水草の珍種や種類ががたくさんないといやなんた゛と言う人、様々だからです。
また、出来るだけ近くのショップで良いんだという人、いや、往復3時間、交通費何千円をかけてでも良いお店には行くんだ、と言う人もいらっしゃるでしょう。
そういう個人個人の嗜好の問題を考えれば、ようはその人の好みにあったショップが一番良いショップになってしまうのです。
 
しかし、一般的に言って理想とするショップとは、器具に関しては他のショップより安く販売し、水草や生体が豊富にあって状態良く適正価格で販売されている、また、育成知識や経験が豊富にあって適切なアドバイスをしてくれる、その他の商品についても豊富な知識を持っている、対応が良くて・・・・等々ではないでしょうか?
ただ、ここで考えなくてはいけないのは、ショップの経営とはボランティアではないと言うことです。
ショップの経営とは、その事業を通して利益を上げ、それを生活の糧とする商行為であることです。
簡単に言えば”飯喰うため、金儲けのため”の手段だと言うことです。
雑誌などに出ている超有名店や大型店はさらにその色合いが濃くなり、会社として、企業として利益を追求して生長していかなくては行けませんし、多くの社員の生活を保障していかなくてはならない、と言うことになります。
 
このような事を言われると、幾分ショップの見方が変わってくるでしょう。
「何だ、親切に言ってくれるのは結局金儲けのためか!」と思われるかもしれませんが、それが当たり前なのです。
特に若年層の方々にとっては「儲けやがって!」何て思う方がいるかも知れませんが「儲けること」は悪いことではなく、「儲けること」が仕事なのです。
お金を稼がないと生計を立てていけないのはサラリーマンでも同じ事なのです。
 
ちょっと大きなショップへ行くとよく見かけるのに会員制度というものが存在します。
会員って何なの?と私は良く思うのですが、結局、会員制度というのは形のない権利みたいな商品を売ることになるようです。
本来の意味の会員とは何らかの条件を満たすことによって得られるステイタスであり、それは、お金で得られる場合があったり、人種や地位、経歴や役職によって得られたりするものだと思います。
アクアショップなどで行っている会員制度というものは単なるショップ側の販売活動の一種であり、経営の安定化や固定客ずくりの一環として行われている販売促進方法に他ならないことです。
会員であるものとそうで無いものとを差別しようと言うのは、会員にメリットを出さなければ誰も会員にならないからであり、経営の安定化や固定客ずくりには役に立たなくなります。
本音としてはショップは出来る限りは安く売りたくはないのです。
ただ、この会員制度というのは少なからずとも消費者にとって有利になるようにしてあるわけですから、しょっちゅう行くようなお店の会員にはなっておいて損はないと思います。
 
本当に優れたショップで有ればどのようなお客様にも(良く来る人、始めてきた人、高額の器具をたくさん買う人、趣味として熱帯魚や水草を買いに来る中学生等々)差別することなく同じ扱いをし同じ接客をしてくれるお店であると思います。
特にその地方を代表するようなショップは会員制度などと言う販売手法は取って欲しくない様な気がします。
また、会員制度と銘打ってはしていないが顧客によって販売価格などが変わってしまうようなお店もあるようです。
水草などは良く来る方には同じ価格でも状態の良いものや量も少し多かったりするのに、初めてのお客やあまり来ないお客だと同じ販売価格でもえらく差があったりします。
常連さんとそうでないお客とに幾分差があってもしかるべきですがずいぶんと違っては困りますよね。
常連さんが紹介してくれた所へ行ってみると、言われていた様子とずいぶん違ったら気を悪くしますもんね。
こういった所も見落とせないところだと思います。
 
器具の販売に関してはショップごとに価格が違います。これは、仕入れ値の違いや、仕入先の違い、はたまた年間の取引額やそのショップのいろいろな経費、運営事情によって異なってくるのです。
ホームセンターなどの量販店で器具類の販売価格がものすごく安かったりするのは、何十店舗分もの仕入を一括して執り行うために一般小売ショップよりもずっと安く仕入れられるからです。
しかし、正常な販売形態としてはどこのショップに行っても同じ価格で販売されていることなのです。
だだ、ここで問題になることがあります。定価が高すぎると言うことです。
その器具や商品に見合った価格でない製品が多く存在することが大きな問題です。
また、メーカーや卸業者も大量仕入れをしてくれるところを好む傾向があります。
だって、一回の商談で大きな売上が得られるわけですから手っ取り早いですよね。
すると、大量に買ってもらえるなら少々値引きしたって大きな利益を得ることとなってしまい、メーカー間や卸業者間では値引き合戦が始まったりします。
これは別段特別な現象ではなく、一般的なことなのですが、そればかりに目がいってしまうと個人経営のショップでは太刀打ちできなくなります。
ショップによってはほとんど器具類の在庫していないような所もあるようですが、将来的に長い目で見ればこのようなショップも大事にして行かなくてはいずれ業界全体が縮小してしまうように思います。
 
横道にそれますが、日本の現在の流通コストなどを考えた場合少々高くなってもいたしかたない事情もあります。
ここでは詳しく書きませんが、製造会社から消費者の手元に届くまでにいくつもの関所で通行料を払っていかなくてはいけませんし、ごたいそうなパッケージや箱に入っていないと売れゆきが悪くなってしまったりします。
人件費や運送料もバカになりません。
このような事情はアクアリウム業界だけが抱える問題ではなく、日本の社会そのものが抱える問題でもあります。
これを打破して、生産会社から直接各ショップへ商品が供給されるようになれば、定価が下げられて前述した定価販売も可能になるかもしれません。
 
話は変わって、初心者の方やこれから始めようとされる方が良く陥ることに、知識不足による無駄な用品の購入や誤った使用方法による失敗というのがあります。
それがたまたまショップで勧められたものや知り合いから勧められたものであったとします。
失敗した本人は「だまされた!」と思うかも知れません。
しかし、本当はその本人の知識不足や経験不足が原因だったかも知れないのです。
アクアリウムにも色々なスタイルがありますし、ショップによってはアドバイスされることが違ってくる事もしばしばあります。
それゆえ初心者は初心者としていろいろな情報や知識を吸収せねばなりません。
ただ、悲しきことに、誠の真実というものはどこの雑誌を手に取ってみても、また、どんなショップに行ったとしても、なかなか知ることが出来ないものです。
ほとんどのアクア雑誌は、アクアメーカーの大切なスポンサーであり、収入源なのです。
アクアショップもまた、売ることが仕事であり、利益を上げるのが第一の目的であります。
そう言う事情を考えると、このインターネットの世界、とりわけ個人が運営するホームページというものは個人の見解としてそれらの情報を提供している、数少ない情報源なのであります。
いろいろな方のページを訪れて、遊んでいるうちに、知らず知らずの内に知識が身に付いていきます。
私もそう言った人間の一人です。
ですからみなさんもいろいろな方のページに行かれて、色々と情報を吸収し勉強されるのが最も近道になるかも知れません。
 
このようなことから私は、買う側の人間がもっと勉強して、賢くならなければいけないと常々思っています。
そして自分にとって都合の良いショップの良いところだけを取っていけばいいのだ、と言うことにたどり着いているのです。
知らずに買って損をしたのは誰でもなく自分のせいなのです。
 
ただし、ここで声を大にして言いたいことがあります。
それは各商品についているキャッチコピーや説明不足の点です。
現在、出回っているいかがわしいと言われる商品のキャッチコピーは消費者に多大 な誤解を招くような誇大広告です。
また、添付してある説明書はお世辞にも親切丁寧とは言えません。
しかし、ここでもその商品を買って悪循環していた環境が好転 してうまく行った人や、感謝している方がいるかもしれませんし、使い方を間違ったり、自分の水槽の状態を良く見極められなかったが為に水槽崩壊を起こしてしまって文句を言っている人もいることを忘れてはいけません。
 
しかしながら大半のいかがわしいキャッチコピーの商品は詐欺にも等しい宣伝文句が平然と書かれています 。
そのような商品にはまず疑ってかかるという消費者の条件反射が必要です。
説明書において、もっと情報を公開し、使う環境や使い方によってはこんな事にも成ります、とはっきり書いておかなくてはいけません。
と、私は思います。
言い忘れましたが、これらの商品を販売して大儲けをしようとたくらんでいる発売元、メーカーがもっとも態度を改め、懺悔せねばならないことは言うまでもありません。
 
以上のようなことも考えれば、良いショップというのは、正直にその商品や添加剤 、生体、水草の特徴と注意点を教えてくれるところではないか、と思います。
そうであれば俗に言ういかがわしい商品の何点かが店頭に並んでいても私は良いと思います。
「これはコケには良くきくけど水草もダメージは受けるから適用量の半分から使ってみて下さい。」などと言ってくれるショップなら私は大いに信用します。
それがまた、人と人とのつき合い、信用できるショップではないでしょうか。
 
器具はいくらでも安く売っているところはありますが、細かいアドバイスをサービスしてくれるお店の方が、私はそこが通販より高くてもそちらを選びます。
だって、それを購入して少なくとも損をすることは防げるからです。
その製品の長所と短所をていねいに説明してもらえれば、それを生かすも殺すも後は自分自身の問題です。
 
ですから、専門ショップでは、ただ単にものを安く売るだけや状態のいいものを売るだけでなく、お客の立場に立った販売と形のないアドバイス、信用を商売として販売し、大いに利益を上げて頂いて、我々の良き相談者であって欲しいのです。
それが私の理想とするショップの姿であります。
 
みなさんはどのように思われますか?

ではまた・・・。