文字の限界

私がインターネットと出会い、自分の趣味の範囲だがホームページも開設してしまい、どっぷりとこの世界にはまってしまってから数年が経ってしまいました。
今では日常茶飯事にメールのやりとりや掲示板、チャットでのやりとりが普通になっています。
しかし、ふと思うと、この世界は今でこそ動画や、ショックウェーブなどのリアルタイムなものが楽しめるようになっていますが、ちょっと前まではリアルタイムと言えばチャットぐらいしかありませんでした。
しかし、いくらリアルタイムのチャットであっても、基本となっているのは「文字」です。
平たく言えば、短い手紙をリアルタイムでやりとりしているに他ありません。
メールなどは手紙そのものですよね。
 
そんな中で、文字で書き表すことや、表現すること、ニュアンスを相手に伝えることの難しさ、困難さに良く直面します。
日本語というものはとても難しく、文字にすると同じでも違った意味に受け取られることもあります。
読み手側がどのように受け取ったかまではわかるはずもなく、書いた本人が意図したのとは全く違った受け取り方をされる場合も良くあります。
時々メールのやりとりの中や、掲示板でのやりとり、チャットでのやりとりで気まずくなったり、売り言葉に買い言葉のようになったりしているのを見かけますが、これだって、ようは言葉足らずであったり、用いた文字が不適切であったりという、たわいもないことのようです。
確かに、相手に対しての気遣いや心遣いのない、いわば大人げない参加者の方もいるようですが、時には私から見れば、ざっくばらんに歯に衣着せぬ言動であるようにも思える事があります。
それが初めてチャットでお会いした方の発言であってでもです。
 
人にはそれぞれ、その方の話し方や表現の仕方、またはその地方での方言やその世代や仲間内での表現方法があります。
これらは万人に通用するいい方ではなく、不特定多数を相手にするときや良く知らない方々とお話しするときには、用いるのに不適切な場合もあります。
第三者が見ていると、ののしり合いにしか見えないようなやりとりでも当人間においてはただのお遊びであったり、挨拶代わりの会話であったりすることもあります。
また、そう言ったやりとりはどこかほほえましい感じがすることさえあります。
関西人である私はよけいにその様に思うのかも知れません。
どこまでが冗談でどこからがマジなのか、ほとんど冗談なのが多いのですが、それが故に誤解されることも多々あるようです。
 
同じフィールドでたまたま出会ったにせよ、はじめてのことでも、同じ仲間、親しい友人として考えている、とも受け取れます。
当然、「初めまして○○さん、どうぞよろしくお願いします。」などというご挨拶はあってしかるべきですが、以後はあまり気にせずに世間話や意見交換などしたいものです。
自分の理論や方法論とは違う意見が出たときに、徹底的に論争することに対してあまり快く思われない、雰囲気が悪くなると仰る方もいらっしゃいますが、私は決してその場を壊したり、雰囲気を壊したりするものではないと思います。
ただ、「気を悪くしないで欲しいのですが、私はそれは間違っていると思います」と言うようなていねいな言い回しが必要で、めんどくさいですが、文字だけのやりとりを考えるとどうしても必要なように思います。
 
また、読み手側にも気を付けるところが多々あります。
前々から”こいつの言動は気に喰わんかった”、などという理由で参加されたのでは、この世界では誰とも仲良くなれ無いように思います。
また、俗に言う「深読み」と言われる、その言葉の裏を探るような、腹の中を想像するような読み方も禁物です。
さっと流して読まなければいけないように思います。
 
私は常々、この世界に入ってきて、色々な書き込みをしたり、意見交換、チャットを楽しもうとする方の中に「悪戯な方や悪い方は存在しない」、と言う前提条件でおつき合いするようにしています。
個人的には「おまえはアホか!」「おまえよりましじゃ!」などと言い合える方が大変気が楽で楽しいのですが、なかなかこの世界では無理なようです。
「親しき仲にも礼儀有り」とはよく言ったもので、この世界にはぴったりの言葉のように思います。
明治時代や江戸時代の手紙のやりとりのようにも思うことがありますね。
 
また、私はいつも何か書くと長文になり、読む方にとっては疲れるタイプなのかも知れません。
しかし、その様なことを考えれば、電話では5分ですむことであっても、それを順序立てて文字を使い文章にして伝えるにはひょっとしたら1MB必要になるかも知れません。
それだけ文字だけで伝えることは難しいものだと感じています。
相手の顔が見えないやりとりはそのニュアンスや表情が受け取れません。
冗談で言ったのか、冗談ぼく言ったのか、マジな顔で言ったのか、全く分からないのです。
 
特に最近では若い方が多く、色々な場所に出てこられることと思います。
もともと、このような最新の先端世界は若い方のフィールドなのかも知れません。
この世界では相手の年齢や仕事、その他のプライベートなことは何一つ分からないでのおつき合いとなります。
10代の方と60代の方とのやりとりだってたくさんあるのです。
また、そこが良いところでもあり、難しいところなのかも知れませんね。
また、時々ですが、「掲示板荒らし」などと言われる、故意にとんでもない連続書き込みをしたり、プログラムを破壊したりすることを楽しんでいる方もいるようですがとても寂しく思います。
 
この世界で相手に何かを伝えたいときや自分の見解を示したいときは出来るだけ詳しく表記するように心がけ、矛盾しますが読み手は一言一句真剣に推察するようなことはしてはいけないのです。 (ページの内容にもよりますが・・・)
ムッとするようなときは多々あるでしょうが文字の限界と受け取るように心がけたいものです。
 
また、インターネットは自分が知っている世界よりもずっと大きいと言うことを認識しなくてはいけません。
まさに世界がそのフィールドであるわけですが、少なくとも日本語でやりとりできる地域や人種間と考えていなくてはいけないでしょう。
そう言った現状を考えずにいつもの自分で発言すると思わぬ誤解や不快感を与えることにもなります。
「ムカつくぅ〜!」と言う表現も若い世代の方は何気なく深い意味無しに使用しますが、30代以上の者から見れば”カチン!”とくる言われ方になるかも知れませんね。
特に最近では10代前半の方でもこの世界に登場してきていますから、若い方はそれなりによく考えて発言したり、周りの方の発言の仕方などをよく見て発言されるようにすれば良いように思います。
まっ、初めてお会いする方には自分の年齢を表記するのも良いかと思います。
 
ベテランにあってはそれらのことを重々承知の上で、この世界に入ってこられた初心者の方を排除するような言動は慎み、良き先輩であらねばなりません。
始めは誰だって何も分からないのですから・・・。
あまり細かいことなどは指摘せずに、第一に「楽しめる」環境の維持に貢献するべきであるように思います。
そう言った中で自然と少しずつその場でのルールなどが分かってくるものであるはずです。
○○は相手に対して○○さんと言わないとか、年下のくせに偉そうだ、等という発想はしないように努力しなくてはいけないでしょう。
これも、現実の世界とは異なるインターネットというバーチャルな世界である性であるようにも感じます。
 
今回はあまりアクアに関係ないことですが、アクアな世界でも文字の限界が多く存在しています。
 
色々なホームページを拝見させて頂いて、色々勉強させて頂いている訳なのですが、ある程度経験のある方がそれを読むと、なんでもないことが、全くの初心者の方がそれを読むと、とんでもない解釈をされたりというのは良くあることです。
かといって初心者の方でも間違った解釈を絶対にしないように表記することなどは、とうてい困難なことだと思います。
作家や小説家、文字を書くことを仕事にしておられるプロの方とは違い、私達素人がなしえることは誤解や誤認識を生み出す元凶なのかも知れません。
”間違いなく相手に伝えることは困難である”ことを認識しこれからも楽しみたいものですね。
 
また、この世界において先人に対して助けを求めたりアドバイスを求めたりする方がたくさんいらっしゃいます。
色々な方のホームページに存在するQ&Aや質問箱がよく利用されているようですね。
私はまだまだ人のお役に立てたり、アドバイスできるような実績や経験もありませんが、このような質問に対する回答は「とても困難で難しいものなのだ」と良く聞きます。
それは相手の状況が的確に分からないからだそうです。
水槽1っ1っに色々な環境や水質があることを考えれば、当然のことで、どのような底床を使用していてどれぐらいの期間が過ぎていて、濾過器は何を使用してどのような濾材をどのように組み合わせどれぐらい経過しているのか、メンテナンスはどのようにしているのか、また、水換えに用いている元水はどのような水質なのか、などなどそれはもう聞きたいことだらけなのだそうです。
ありとあらゆる状況を聞かせてもらってはじめてある程度有効なアドバイスが出来るのだ、と言うものだそうです。
それでも的を射る確率は低いかも知れませんね。
 
本当であれば困っている方の水槽の前に行って、いろ色状況をお聞きすればより確率の高いアドバイスが出来るのでしようが、そんなことはご近所でもない限り不可能ですよね。
掲示板でのやりとりなどほとんど役に立たない恐れがあると言うことです。
メールのやりとりにしても同じ様なものでしよう。
それを思えば電話でのやりとりの方がずっと話の進展が早いかも知れませんね。
気兼ねなく質問したりアドバイスを求めたりすることが出来るのがこの世界の最も良いところかも知れませんが、その様な危険性もあることは良く覚えておかなければならないことかも知れません。
 
アドバイスを受けられる方もあくまで参考にとどめ最後は自分でどのような対処をするのかを決定しなくてはいけません。
例えそれが結果として間違っていた対応であったり、的確な対処でなかったとしても、アドバイスをしてくれた方の責任ではないのです。
 
アクアな事での問題は1つのアドバイスで全てが解決するとは限りません。
また、状況の変化によって対応策も変わってくるようです。
また、段階を追って改善していく場合もあるでしょう。
そして厄介なことにアドバイスを色々な方に求めれば色々な答えが返ってきます。
どれを採用して良いのか迷ってしまいますよね。
 
「コケだらけになってどうしようもありません。どうしたらいいのでしょうか?」と言う質問にどのように答えられるかを考えると、私の回答でさえなん通りもの回答が出来てしまいます。
これがベテランの方が良く嘆いておられる”困った質問”と言うことになるのでしょう。
私も気を付けるようにしていますが、これから質問しようと思っている方々もちょっと覚えておくと、より正確なアドバイスが頂けると思います。
 
私なりに思った質問するときのこつですが、
  • 1.水槽の大きさと飼育環境、飼育生体、通常の水換えなどのメンテナンス状況を出来る限り詳しく記述すること。
  • 2.その上で何に問題があるのかをはっきりさせること。
  • 3.現在行っている対処を説明すること。
  • 4.問題が発生した時点までの経過。
  • 5.餌は何をどのくらい与えているのかなどその他のこと。

  • などが上げられると思います。
     
    長文にわたる質問は失礼であると思われるかも知れませんが、飼育環境の詳しい説明は長文であればあるだけその状況が良く分かって頂けるようです。
    その上でいくつかの不足している説明を指摘して頂き、チェックポイントを上げて頂く。
    その結果を報告し、対処の仕方をアドバイスして頂く。
    1週間様子を見て現状報告をする。
    その後の対処と気を付けなければならないことをアドバイス願う。
    このような順序でなければ本当の意味でのアドバイスは出来ないと言うことのようです。
     
    また、難しいことにアドバイスする方の経験値や考え方、方法論の違い、そしてそれを受ける方の経験値の違い、理解しておられる基本の違いなどもありますので、アドバイスする方とされる方の相性が合わないとうまくいかない場合もあるようですね。

    どうしても文字でしか伝えられないこの世界、先端の技術の結晶ではあるのですが、どこか歯がゆさを感じている今日この頃です・・・。

    それではまた。