セレブ気取りで
〜バリ島で優雅な休日を〜

 ふたりで南の島へ行こう!と計画したのは2年ほど前かしら。本当は去年行くはずが突然にNYへ行かなければならなくなったため延期。
 でも実はバリではなくモルディブに行こうと思っていたのです。水上コテージというものに一度泊まってみたかったのですよね。
 でも皆様ご存知のとおり、あの辺は津波で大きな被害が出ました。復旧もいつになるやら、、、という感じだったので、以前から興味があった「バリの豪華なホテルで優雅に」という旅行をダンナに提案。
 私が集めたパンフレットの数々を見たダンナ。「うん、こういうのもええな」とバリ行き即決定。
 どのホテルにしようか迷いましたよー。ホントに素敵なホテルがたくさんあるんですもの!最終的にフォーシーズンズかリッツカールトンで悩みましたが、ダンナが「オレはリッツがええ。絶対リッツや」と言うのでリッツカールトンに決定。
 どうしてリッツに決めたかというと『宿泊者はパターゴルフ無料』だったからです。プールとかビーチとかテニスはたいていのホテルにありましたが、ゴルフはリッツにしかなかったそうです(ダンナの調べによる)。

 というわけでホテルはリッツカールトンバリ リゾート&スパに決定!


(7月9日)
 さてさて、出発の前夜はふたりとも仕事で午前様。睡眠時間数時間で家を出る。
 朝7時半頃の関空快速に乗り込む。イェ〜イ!
 一応、出発便の2時間前に空港に着きましたが、荷物を預けたり両替したり、出発時間が少し早まったりしたせいで、慌しく出国手続へ。ダンナが免税店でウイスキーだけ買いました。サントリーの響(定価9000円が6000円に)。

 ガルーダインドネシア航空にて関空を出発。朝11時。
 まもなく着陸体制に入るかと思われる頃、フライトアテンダント(男性)に「OO様!OO様いらっしゃいますか?」と名前を呼ばれてびっくり!誰も手を上げないので「我々のことか?」と半信半疑で手を上げる。

「ご結婚おめでとうございます!!!」

 はぁ!?
 フライトアテンダントはにこやかにシャンペンボトルを差し出した。ボトルには『HAPPY WEDDING』と書いてある。
「はぁ・・・どうも」
 と言いながら受け取った。確かに結婚してるけど・・・いまさら「おめでとう」と言われるまでもないけどな。。。←結婚8年目。
 私:「どうしよう・・・同じ名前の新婚さんと間違えてるんとちゃうやろか・・・」
 ダ:「ええやん、もらっとき」
 私:「でも・・・もらうべき人がもらってなかったらかわいそうやん」
 ダ:「ええねん、誰も手ぇ上げへんかったやろ。上げへんのが悪い」

 ウチのダンナ、血液型は不明である。生まれたときはAと言われたそうだが、高校の生物の時間に実験したらO型の反応が出たらしい。AなのかOなのかいつか調べてもらおうと思いつつそのままになっているらしいが、多分O型だろう。ダンナは変なところでいつまでもいつまでもクヨクヨする性格だ。そういうところはA型っぽいが、こんなふうに変なところで大雑把なのはいかにもO型っぽい。
 うーん、どっちだろう。この旅行でじっくり観察しようと思った私でした。
 デンパサールに到着したのは16時半頃(現地時間・時差は日本より1時間早)。入国手続を済ませると「Porter」と胸元に書いてある制服を着た人がたくさん出迎えていて我々の荷物をいち早く運ぼうとする。ダンナはされるがまま。
「あかんて!荷物持たせたら!取り返してきぃ!!」
 最近デンパサール空港ではポーターが法外な料金を請求するトラブルが多発しているそうです。
 荷物を取り返し、足早に外に出ると旅行社の現地係員が待っていたので荷物を預けて車に乗り込んだ。
 車で走ること40分くらい。雑然とした街なかを離れ、坂道を登りどんどん田舎へ。道中は岩を切り崩して平地化している途中みたいな場所がたくさんありました。ホテルはジンバランという地区にあり、ここは少し前までは単なる漁村でしたが、最近急激に開発が進んでいるそうで、これからリゾートホテルがたくさん立ち並ぶのではと思われます。
 街から離れているので静かです。ちなみにリッツと迷ったフォーシーズンズホテルもこの辺りにあります。


 ホテルのゲートに到着。小屋から人がたくさん出てきて車の横や下を入念にチェック。テロ対策だろう。
 チェックが終わり、さらに車は行く。ホテルの敷地はすごく広い。
 ようやくホテルのロビーに到着。フランジパニ(プルメリア)という白い花の首飾りをかけてもらい、歓迎される我々。係員がチェックインの手続をしている間、ソファに座って待つ。
「すみませーん、間違えました。ここはホテルロビーです。あなた方の泊まるのはホテルではなくヴィラなのでヴィラロビーに移動します」
 係員、申し訳なさそうに言う。車に戻りヴィラロビーへ移動。

 リッツカールトンはホテル棟とヴィラ棟に分かれていて、ホテル棟はいわゆる普通のホテル、ビルの中に客室がある。
 我々の泊まったのはヴィラ、いわゆる一軒家タイプ。プライベート感を満喫できるのです。
 ヴィラも2種類あり、オーシャンビューヴィラとクリフヴィラ。オーシャンビューはその名のとおり海を見渡せる場所にあり、部屋も南国リゾート風。クリフは最近できたそうで、シックなモノトーン系の室内だそう。クリフの方が広いがお値段もお高い。
 我々はオーシャンの方にした。安いからっていうのもあるけど、アタシ、モノトーン系ってあんまり好きじゃないのよね。
 オーシャンヴィラは東西に長く点在していて、我々のヴィラはヴィラロビーよりホテルロビーの方が近かった。
 チェックイン後、ホテルのバギーカーで部屋へ移動。敷地内は歩いて移動もできるけど、バギーを呼べばいつでもどこへでも乗せてってくれる。
 そして部屋へ。門をくぐり中へと。

玄関


玄関を開けると家が

リビング(飾ってある花がとってもいい香りで、部屋中に甘い香りがしてました) 洗面所 バスルーム(洗面所と一体。広い部屋にぽつんと浴槽がある感じ)

 床はすべて大理石。バスルームには入浴剤、バスソルトはもちろん、防水枕まで。徹底的に「おくつろぎモード」なのでした。

憧れの天蓋付ベッド ハネムーナーじゃないんですが

 天蓋付のベッドに寝てみたくて「部屋のベッドは天蓋ついてますよね?」と旅行会社に念入りに確認しました。
 そして念願かなう。ベッドには花びらが飾ってあった。これはハネムーナー用のサービスだ。どうやら旅行会社の手違いで我々は『新婚旅行』ということになっているらしかった。旅行会社に予約に行ったとき、「新婚旅行ですか?」と聞かれたような気もするが、「そうです」と答えた記憶はないけどな。
 ま、いーか。

 家の外の庭。ジンバラン湾が見える ガゼボ(東屋・お昼寝用にバスタオルも常備) プライベートプール(掛け流しで清潔)


 着いたとき、すでに夕方だったので、我々は食事に行くことにした。
「辛いものが食べたい」と意見が一致。タイ料理のレストランへ行くことに。
 ホテル棟とオーシャンヴィラの近くにあるレストラン群は「陽気な南国風」、クリフヴィラの近くにあるレストラン群はシックなオトナ系。
 滞在中、どちらの方にも行ってみたけれど、私もダンナも「陽気な南国風」の方が気に入った。今度ここに行くことがあったとしても私たちはクリフではなくオーシャンヴィラに泊まると思う。


 左;バナナの花のサラダ(鶏肉と花の炒め物)、奥;トムヤンクン 右;チキンカレー 手前;インドネシアのビール「ビンタン」


 食後はすんなりと部屋へ。バラとフランジパニの花びらがたくさん浮かんだ風呂に入った♪
 そしてやっぱり飲み足らない我々は空港で買ったサントリー響に手をつけた。本当は家でチビチビやろうと思っていたのに。
 ダ:「かーちゃんはウィスキーあんまり好きやないんやろ」
 確かに。でも飲みたい。嫌がるダンナからボトルを奪い、ストレートでいただく。
 う、うまい!初めてウィスキーがうまいと思った。やはり高級酒は違うなぁ。


 フラワーバス。初日だけのサービスでしたがお姫様気分を楽しめました。
ダンナの入浴シーンも撮りましたが、大事なモノが写りこんでいたのでココに載せるのはやめときます。

(7月10日)
 今日の朝食はルームサービスということになっている。わくわく♪洋食と中華とインドネシアンを選べるのでありますが、我々はインドネシアンを注文。
 そして9時頃。来ましたよー、朝メシが!

 
左からソトアヤム(春雨と野菜たっぷりスープ)
中央 インドネシアの郷土菓子・フルーツ盛り合わせ
右手前 ナシゴレン(焼きメシ) 右奥 ミーゴレン(焼きそば)

 私はバナナジュース、ダンナはミックスジュース。インドネシアのお菓子もついている!食べてみたかったんだよねー。ゼリーとお餅の中間みたいな食感で、そんなに甘くなくておいしかった!

お菓子をアップで。
緑色の3つは米粉で作られた餅のような感じ。あとの2つはゴマ団子と米粉のカップケーキ
一番おいしかったのは左上の白地に緑の団子が乗ってるヤツ♪(ココナッツ味でした)

 インドネシア料理ってマレー料理みたいな感じかなあ。あっさり味で食べやすく、疲れない。
 ブラヴォー、インドネシアンフード!!!
 食べきれないほどの量の朝ごはんでしたが、我々は完食!
 ダ:「ホテルの人もビックリやろなー。『コイツら全部食いよった』って思うで」
 普通の日本人なら半分くらいでギブアップするやろなぁ〜。
 

 そして次はパターゴルフへ行く。
 ダンナの一番の楽しみだったパターゴルフ。さあ出かけよう。

 時刻は10時半くらい。ホテルの敷地に18ホールのゴルフコース。きれいに刈られた芝、遠くに見えるは青い海。
 しかし・・・炎天下である。ゴルフをしている人は我々のみ、と思ったが、しばらく進むと日本人の若い男5人組が上半身裸でゴルフをしてました。
 リッツカールトンは日本人だらけでした。で、ホテルの人もたいてい日本語が話せます。ムリに変な英語で話しかけると「日本語でいいですよ」と言われたりして赤面することしばしば・・・(情けな)。
 バリは南緯8度であります。当然暑いです。いや熱いと言った方が適切です。
 ゴルフは私が1打差で勝ち。中盤までは7打差をつけて大幅にリードしてましたが、最後2ホールで1打差まで追いつかれちまいました。

 1時間半ほどゴルフに興じたあとは部屋へ戻る。
 とにかく喉が渇いてしょうがないので、飛行機の中でもらったハッピーウエディングシャンペンを開ける。アテは部屋に常備されているフルーツで。

昼間に飲む酒はなんでこんなにうまいんだろうか

 午後からはプールに行く予定にしていたのですが、あまりに熱いので(肌が熱くてしょうがないのです。明らかに日本の暑さとは違う温度です)、庭のプールで体を冷やしていくことに。
 肌が落ち着くと今度は眠くなり・・・ガゼボでしばしお昼寝。おおっといけない。ここで寝込んでしまってはプールへ行く時間が!
 浮き輪を膨らませるといざプールへ。炎天下、ダンナ、歩きながら歌う。
 「〜♪プールサイドでwow wow wow 〜♪」(チェッカーズの「あの娘とスキャンダル」より)
 嬉しくなって私も歌う。
 「〜♪プールサイドでwow wow wow 〜♪」
 プールは3つあり、メインプールと子供用プール、そしてクリフヴィラの方にもプールがあった。クリフのプールは細長く、どうやら「流れるプール」らしかった。行かなかったので詳しくは知りません。
 ダ:「プールの監視員、黒人や。溺れても助けてもらえんぞ」
 ダンナ、私の『水恐怖症』をよく心得ている。そうだ、アタシは水が怖い。子供の頃からそうだった。
 ダ:「黒人は体脂肪が少ないから水に浮かへんのや、これホンマやで」
 私:「・・・・・・」
 メインプールは上下2段になっていて海が見渡せ、上段は深さ1mちょい、下段は2m。ダンナは下段のプールで潜って大喜びしていましたが、足が届かないところで泳ぐなんて到底できない私はもっぱら上段のプールで&浮き輪を使用しぷかぷかのんびり。
 しばらく浸っているとホテルのウエイターさんがお皿を持ってプールに入ってきた。冷たいスイカの無料サービス。この他にもサンセットの時間になるとシャンペンを売りに来たりしてました。いちごをつまみながらプールの中でシャンペン片手に夕日を眺める・・・そういうこともできるんですね(ただしこれは有料です)。

プールの近くの庭 メインプール(上段) リッツカールトンサングリアを注文

 日暮れ近くまでプールで遊ぶ。プールも日本人が多く、新婚と思われるカップルが多数存在。男は女を抱きかかえ、女は男の首に抱きつき。いかにも新婚ホヤホヤっぽい。
 我々もこの旅は新婚旅行ということになっているのであるから、ひとりで素潜りを楽しむダンナのところに泳いでいって言ってみた。
「アタシもあのカップルみたいなんやってほしい」
 早速ダンナの首に抱きつき、だっこしてーと言ってみた。
「やめなさい」と言われるも「だっこなんて水の中でしかでけへんやろ」と無理強い。断りきれないダンナは私を抱きかかえてくれました♪
 が、即効で投げ飛ばされました。ジャボーン(寒)。味をしめたダンナは今度は私を丸太のように肩にかつぎ、再び水の中へ投げ捨てた。ジャボーーーン。
 これも愛・・・???(疑)
「こんな乱暴して。外国の人が見たらびっくりするわ。女性にあんな乱暴をするなんて日本人、アンビリーバボー!!って」
 完全に無視(哀)。
「浮き輪なんか持ってんの、かーちゃんしかおらんで」
 と、ダンナは私をバカにするが、
「ゴーグルなんかつけて本気で泳いでるのはアンタしかおらんで」
 ダンナ、競泳用のゴーグル持参。潜水したりクロールやバタフライまでしている。が、余興として『クロールの途中で心臓麻痺になって沈むヤツのマネ』『水死体のマネ』まで演じてみせてくれた。笑かすわ。

 夕暮れになったら寒くなってきたので部屋に帰った。浮き輪で浮いてただけなのに、体重計に乗ったら2.5キロも減っていた(バリ到着時と比較)。今朝あんなに食べたにもかかわらず。炎天下ゴルフ&昼間プールでマイナス2.5キロ。毎日やったらどうなってただろうか。

 次はライブラリーに行く。部屋にCDデッキがあったので、CDを借りに行きました。規模は小さく、本もCDも選び放題というわけにはいきませんでしたが、パソコンが2台ありました。CDも本もレンタル無料、パソコンも無料で使える!さらに紅茶とクッキーまで出してくれるスタッフ。
 思いがけずパソコンに触れられることがわかったので意気揚揚と自分のHPにアクセス。南の島でブログるぞ!と狂気したのもつかのま。
 日本語入力ができなーい!英語で書き込みせにゃならんか!?本棚を物色して和英辞書を探したけれど、さすがのリッツカールトンもそこまでケアはしてないらしく・・・。
 仕方ないので自己の単語力の範囲内で書き込み。英語って難しいですね。。。過去完了?仮定法?時制の一致???なんやわけわからんぞ。ま、いっか〜、記念の書き込みですからねー。あまり深く追及しないでくださいましね。

 ライブラリーはクリフヴィラ棟の中にあったので、夕食はクリフのレストラン群に行ってみた。私はカジキマグロのステーキ、ダンナはラム肉のソテーを注文。おいしかったです。デザートのココナッツアイスもおいしかった!

デザートメニューの一部。
ストロベリーの日本酒煮 緑茶の卵黄ソースと煎りゴマとともに
ってやつがありましたが、どんな味なんでしょ???

<10000Rp(ルピア)=約130円です>

(7月11日)
 今日は夫婦別行動。ダンナは朝5時に部屋を出て行った。世界遺産のボロブドゥール遺跡見学ツアーに参加。バリ島を離れ、飛行機でジャワ島に行ってしまった。
 私は朝9時半からホテルのスパへ。バリへ来たからにはバリエステを経験しないとね!最近は男性の利用も増えているそうで「チンタアバディ(永遠の愛)」などという名前のついたカップル専用のエステメニューもあるそうです。もちろんダンナとふたりでこれをやりたかったのですが、「男がエステなんて恥ずかしい」と。うちのダンナ、意外と封建的である。
 スパまでの道のりを歩いていたらバギーが通りかかり、「どこへ行くの?」と英語で聞かれた。「スパ」と答えると「OK!」と言ってバギーに乗りなよ!と合図をしてくれた。
 ここのホテルのスタッフたちはみんなフレンドリー。すれ違う人全てが朝にはgood morningを、昼にはhelloを、夜にはgood eveningと、とびきりの笑顔で声をかけてくれる。挨拶するだけで幸せな気分にさせてくれるのです。
 そしてスパに到着。担当者が来るまでお茶を飲みながら待つ。しばらくして担当者がやってきた。ちょっとシャイな感じの若い女の人でした。
 更衣室に案内され、服を脱ぎ、紙のパンツを履き、浴衣みたいなんを着る。そして個室へと。
 大きな木のボウルには氷と花びらとミントとライムが浮かんでいました。まずはフットスパ。ボウルの中に足を入れ、足の裏を石でこすってもらう。こするというより撫でる感じ。
 あれ?もう終わり?30秒くらいでフットスパ終了。日本式のフットマッサージを想像してたので物足りない。
 次はボディマッサージ。これは満足。今回私は「クブビーチトリートメント」というコースを選んだ。クブビーチとはホテルが所有しているプライベートビーチの名前。そのビーチの砂かどうかは知らないけど、細かい砂で全身をマッサージしてくれる。これ、気持ちいい〜〜〜。特に背中がね。ウットリ。腕の毛、みんな抜けてツルツルになってしまったけど、全然痛くなくて心地よい刺激でした。これは1時間ほどやってくれた。満足!
 シャワーで砂を落とすとフラワーバスに浸る。ジンジャーティーを飲みながら。
 次はボディ&フェイスマスク。体には海泥を、顔にはヨーグルトやフルーツやはちみつなどを塗ってくれた。いい匂い〜♪はちみつを顔に塗るなんてなんて贅沢。ぐんぐん吸収していかにも肌によさげな感じがしました。

 

スパで使用しているもの
キュウリ・オレンジ・卵・ハチミツ・ヨーグルト・オートミール等々

 エステのあとは「アクアトニックプール」に入る。これはいわゆる海水ジャグジーですな。海水のミネラルを全身にたっぷり吸収。高台にあるので下の道をバギーで行き交うスタッフたちがにこにこと手を振ってくれるのに答えたり、遠くの海をノンビリ眺めたりしながら2時間を過ごした。
 終わったのは午後2時くらい。ランチをしようかとも思ったけどお腹があまりすいていないので、デザートでも食いに行こう。ライスプリンとパパイヤジュースを飲みながら阿呆のようにぼけーっと過ごす。今日の空も雲ひとつない。

 夕方になったのでライブラリーに行くことに。今日はダンナがいないのでゆっくりとブログをしよう。
 しかし先客があったので本を読みながら待つ。昨日はクッキーと紅茶でしたが、今日はバナナのパウンドケーキとカプチーノを出された。
 1時間後、やっとパソコンがあいたのですが、接続がうまく行かず。ライブラリーの他にビジネスセンターという部屋があるそうで、そこでもパソコンが使われているので回線が混みあっているらしく・・・それでも2時間くらい頑張った。どうせヒマだし。隣のパソコンでも白人の女の子がずっと頑張っていましたが、結局つながらないまま19時(閉店時間)になってしまった。
 バギーを呼んで、女の子と一緒に帰ることにした。彼女はロシア人でした。家族で来ているとのこと。カネ持ちやなぁ〜・・・。


リッツカールトンの夜

 さて。何をしよう。ご飯を食べに行こうかと思ったけれど、さっきケーキを食べたのでお腹も減らないし、ダンナが22時に帰ってくるのでそれまで待って飲みに誘ってみようっと。
 のんべんだらりとテレビを見たり、CDかけながらソファでうとうとしたりしていると結構早く時間が過ぎた。
 22時を20分過ぎても帰らないダーリン。遅いなぁ。待ちきれないので玄関の外で待つことにした。早く帰ってこないかな〜。
 30分になっても気配がない。まっくらな夜道で心細く待つ。空は満天の星。手が届きそう!
 40分になっても気配がない。だんだん不安になってくる。ああ、ケータイがほしい。メールしたい。
 50分になっても帰らない。もしやジャワ島からバリ島へ帰る飛行機が落ちたんじゃあ・・・いいや、クタでテロに巻き込まれたとか・・・?
 とうとう23時になってしまった。あと5分待とう。それで帰ってこなかったら・・・ガイドさんのケータイに電話しよう。
 そして5分経った。部屋に戻ってテレビをつけた。テロや航空機墜落の事故のニュースがやっていないかどうかを知りたかった。こんな思いをするなら一緒に遺跡ツアーに行けばよかったよ。留守番電話もチェック。何もない。そしてスーツケースを開け、ガイドさんのケータイ番号をメモした紙をひっぱりだし、ソファでテレビにかじりつき。
 私は胸の前で手を合わせて祈った。帰してください、うちのダンナを。私はあの人がいなくては生きてはいけないのです。もうわがままは言いません。
 あぁ!あの人の子供を産んでおけばよかった・・・そうすれば私はあの人の面影を子供に見ながら少しはマシな気持ちで生きていけたかもしれなかったのに。
 部屋に戻って3分後くらいだったろうか。ドンドンと窓を叩く音が聞こえた。カーテンを開けるとダンナが窓にはりついていた。「かーちゃん、開けてえな」

「はぬ!(※ダンナの愛称)遅かったやないか!」
「飛行機が遅れてなぁ」
「どんだけ心配したか!外で50分も待ってたんやで!」
 あーありがたや、ありがたや。ダンナが無事に帰ってきた!
「今の今まで外におったんやで。5分も経ってへんわ。今テレビで事故のニュースやってへんか調べてたとこや。ほんであと5分待って帰ってけえへんかったらエジンバラに電話しようと思ってケータイのメモ持ってたんや。もうこれはエジンバラに確認するしかない!思たんや」
「かーちゃん、ガイドさんの名前はエジンバラじゃないよ」
 メモを広げてみると「ディアンタラ」と書いていた。「ラ」しか合ってない。
「ディアンタラか・・・まあそんなことはどーでもええわ」
「うん、そんなことより見学の途中でスーパーでお菓子買ってきた。お酒のアテにええやろ。んでな、かーちゃんにおみやげや」
 ダンナ、小さい箱を出してきた。開けてみると銀色の丸い小さな入れ物が。網目模様が美しい。


「きれーい♪これ私のために買うてくれたんか?うれしい!!!」
「指輪入れるのにちょうどええやろ」
 私はアクセサリー類を身につけるのが好きじゃなくて、外から帰ったらすぐに腕時計も結婚指輪も外す。それを洗面所に置きっぱなしにしているのである。
「これからは指輪をボイッと置きっ放しにしたらあかんのよ」
「わかった。これに入れて大事にする。ありがとう、はぬ!」

 そして抱きつく。ハッピーエンドである。めでたし。
 この指輪入れ、底に値札が貼ってあった。日本円にして4000円くらい・シルバー製だった。こんな高価なものを買ってくれるなんて!感動。

 23時をまわってしまったので外に飲みに行くのはやめて、部屋でウィスキーを飲みながらダンナが買ってきたチョコレートやスナック菓子を食べました。
 めでたしめでたし。

 そして眠る。天蓋付のベッドでうとうとしかかった頃、
 ビーン、ビーン、ビーン
 部屋の警報機がけたたましく鳴った。
 小心者の我々、飛び起きる。
「な、なんやなんや!!!」
 意味もなく部屋をウロウロ、オタオタ・・・。
 しばらくすると鳴り止んだ。
「あーよかった。大丈夫やろ」←ダンナ(やはりO型?)
「誰かが侵入してきたんとちゃうか?・・・なんか怖いわ・・・フロントに電話して聞いてみようや」←私(やはりA型?)
「誰が?」←ダンナ(やはりO型?)

 ジャンケンホイ!私が負けた・・・。えーん、これらの事情を英語で説明するのかぁ?しぶしぶ電話に手をかけると、
 『日本語ゲストリレーションズ』と書かれたボタンが。ラッキー。もちろん利用するわよ。
 しかし・・・日本語イマイチ通じないんですけど・・・フロントでもレストランでもスパでもバギーに乗ってるときでも日本語通じたのに・・・なんで?電話の向こうでアタフタしてるのが手に取るようにわかり、結局ふたりくらい交代したあとに出てきた人が日本語を話せたのでホッとした。
「よくあることなので心配しないでください」とのことでした。夜中に警報、よくあることなのかー・・・明日も鳴るのかな、ヤだな。

(7月12日)
 今日は海へ行くことにした。ホテルのプライベートビーチ。バリへ来て4日目になるが、私はホテルから一歩も出る気がしない。こんな気分になるのは初めて。いつもは一分一秒でも時間が惜しくて秒刻みであちこち観光するのですが、ホテルがあまりに心地よいので・・・そして何よりも「暑い」じゃん。外をウロウロする気もしない。
 プライベートビーチはクブビーチという名前で、島の外れにあるのとホテルの宿泊者しかいないので本当に静からしい。
 バギーを呼んで出発。5,6分乗ったかな。結構遠くて歩いては行けない距離だった。
 ビーチが眼下に。そう、ここは断崖の上。ホテルのスタッフが明るい笑顔で迎えてくれ、「ここの階段を下りてってください」と。
 階段、184段あるそうだ。しかも急な傾斜。えっちらおっちら下りる。


階段の途中から見下ろしたビーチの全容

 水はとってもきれいですが、写真でも判るかと思いますが入り江になっているので波が複雑なのでした。
 海で泳ぐなんて何年ぶりだろ。12年ぶりくらいかも。山登りをするようになってからは海へ行く機会がなくなった。海へ行く時間があったら山に行きたいしね。勤労婦人の夏はみじかいのよ(悲)。
 というのは言い訳で・・・私は海が嫌いなのです。。。だって怖いじゃないの!急に深くなったり急に冷たくなったり波に飲まれそうになったりするではないですか。それに暑いしベタベタするしめちゃくちゃに灼けるしぃ。なんといっても海で何をするんです?ひとしきり浸かったらあとはヒマじゃないですか・・・。
 とはいえ外国のきれいな海には行ってみたいと思うこの矛盾。。。
 会社の同僚が1ヶ月ほど前にリッツに泊まったのですが、海にクラゲが大量発生して遊泳禁止になったので、ビーチで寝て過ごしたという。。。
 今日もクラゲがいるのではないか・・・・・・激怖。
 一方、大はしゃぎのダンナ。「かーちゃん、海や、海やぁ!!!」
「うん、海やなぁ」と言いながら着ていたTシャツを脱いだ。
 近くに寝そべっていたカップルの男と目が合った。私はダンナの耳もとで、
「な、あそこにいるカップルの男の人が私のこと見とった。あの娘かわいいなぁって思って見てたんやわ」
 ダンナ、心底呆れて退いていた。
「あんな歳になってあんな水着着たらアカンやろ、思て見てたんとちゃうか?」
 そうか、35にもなって赤と黒のゼブラ柄セパレートはアカンか・・・。やっぱり。

 ダンナは私を見捨てて海に行ってしまった。私はビデオカメラを回しながらダンナを目で追う。
 海に入ったダンナ、私を手招きしている。白砂のビーチで休む私・海から手招きするあなた・・・まるで聖子ちゃんの歌の世界みたいだワ、とひとりで酔いしれる。カメラ回しながら海へ近づくと、
「かーちゃん、カメラ濡れるから。置いて早くこっちに来なさい」
 水面はすばらしく綺麗。せっかくだからちょっと入ってみようかしら。

 もちろん浮き輪は手放せないけどね。
 おそるおそる歩いていると、やっぱり。3メートルほど歩いたらすでに足がつかない。ダンナはさらに沖の方で素潜りを楽しんでいる。
「はぬ!足つかへんやないか!そんな沖へ行ったらあかん」
「こっち来てみ。水が冷たくて気持ちええぞ。魚もおるぞ。沖に出た方が波も弱くて泳ぎやすいで」
 確かにそうかも。波が大きいので波打ち際にいると波に打ち寄せられ思ったように歩けない。浮き輪をしてるとなおさら。そして波が引くときはものすごい力で海に引き込まれる。激怖。
「浮き輪はしない方がええで。波に弄ばれるから」
とダンナの注意も聞くことはできない。手を引かれながら沖へ行く。
「浮き輪外してみぃ。ゴーグル貸してあげるから潜ってみ。綺麗やで!」
 浮き輪から抜け出たが手は放せない。そんな私を面白がって浮き輪を横取りしようとするダンナ。勘弁してください。半泣き状態な私。さらに面白がるダンナ。
「ホンマに怖いんやて!そんなんするんやったら帰るで!」
 浮き輪は返してくれたけど、イヒヒヒヒと意地悪く笑うダンナ。憎らしい。
 ゴーグルつけて顔をつけてみた。
 ほわー、綺麗なぁ!!魚は見えなかったけどすごい綺麗だった。ただ、波が強いのでそのたびに底が洗われて砂でけむっているような感じだった。


プライベート感満点のビーチ

 しかしビーチは静かで人の気配もまばら。プールとはえらい違いでした。ホテルは日本人客ばっかりだったのに海にいるのは外国人が多かった。子連れで来てるのは外国人のみ。184段の急な階段・深くて波が荒い海。日本人夫婦なら危ながって子供を連れては来られないんじゃないかと・・・。
 時々とてつもない大波が来て・・・浮き輪で浮いてた私はいいように波に弄ばれました。
 大波に乗った私、あッ!と思った時には遅かった。眼前に巨大な岩の群れが!!ぶ、ぶつかるっ!!!

 波に飲まれてなんにも見えなくなった。ああ・・・岩に激突&脳震盪か?
 

 この白い波のしぶきとともに砕け散る自分を想像しました。
 が、なぜだか岩にはぶつからず。
 やっぱり海は怖いッ。
 ダンナは依然として沖でバタバタやっている。波が来るたびに嬉しがって沖へ向かって行くのです。
「はぬ!危ない!波に飲まれて流される!」「帰ってこれなくなったらどうすんのっ!」「それ以上行ったらあかんて!帰ってきて!!」
 どんだけ叫んだか・・・。疲れた。叫び疲れた。

 ひとしきり泳いでダンナも満足したのか、ビーチで寝ることにした。
 酒を注文。ココナッツのカクテルを飲みながら読書。思わずうとうと。日焼け防止にタオルをかぶって寝る。
 しかしあちー・・・・・・蒸し風呂状態ですわ。あまりの暑さにもう一度海へ。
 今度は波打ち際にふたりで座る。
 私:「海っていうのはな、真剣に泳ぐところやない。こうやってふたりで眺めながらのんびりとするのが海での夫婦のあり方や」
 ダ:「ふーん」
 そして私は砂に字を書いた。
 スキ
 ダ:「高校生みたいなことせーへんの!40間近のオバハンが!」
 叱られた・・・(凹)。
 
 というわけでイマイチ盛り上がらないまま海をあとにすることにした。夕方からケチャックダンスを見に、街へ出ることになっていたし。
 184段、今度は登る。海で疲れたカラダに184段はツライ。汗だく、息は切れ切れ・・・。
 やっとのことで登りきると満面の笑みのスタッフがクーラーボックスから冷たいおしぼりとペットボトルの水を出してくれた。
 あー感激。こんなサービスがあるなんて!バギーが迎えに来てくれるまでしばし歓談。彼は紙切れを出して見せてくれた。まんなかに「利 亜 奈」って書いてある。
 私:「り、あ、な?」
 彼は自分の胸元を指差して笑った。名札に「RIANA」って書いてある。自分の名前を教えたかったらしい。
「日本語があんまりできない」と彼は照れくさそうにしてたけど、紙切れにはたくさんいろんな文字が書いてあり、全くの独学で日本語を勉強しているのだそうです。偉いなぁ。留学とか学校とか行かずに頑張ってるんやなぁ。
 バギーが到着したので部屋に戻る。リアナ君の笑顔に見送られつつ。
 あとでわかったことですが、この翌日は遊泳禁止になったそうです。高波で。

 そしてまた出かける支度を。今夜は街へ出る。バリの伝統舞踊、ケチャックダンスを観に行くのであります。
 時間があったのでひとりでライブラリーへ行く。今日こそブログができるといいけど。
 昨日2時間ねばったおかげで名前を覚えられていた。
 今日は先客もなく、接続もスムーズ。ダンナが部屋で待っているので長居は不可能。ささっと打ってささっと帰る。
 ガイドさんが迎えにきた。ダンス鑑賞は旅行社のオプションを申し込んだので、今日はガイドつき・ごはんつきで街へ。
 初日とは違うガイドさんが来た。彼の名はスジャナさん。なかなかの肉体派。
 私;「今日はエジンバラじゃないのかぁ」
 ダ:「エジンバラとちゃう。ディアンタラや。そう言えば昨日、遺跡ツアーに行ったときのガイドさんが『明日は初日と別のガイドがお迎えにあがります。すごいデブです』 って言ってたわ」
 ディアンタラさんは冷静で温和な感じだったがスジャナさんは熱血漢だった。彼はバリ島のウブド近くの出身だそうで、非常に愛国心の強い人だった。
 バリは観光地になり、ホテルが立ち並んで栄えたはいいが、こういう開発をするのはバリ人ではなくジャワ人なのだ。ジャワの人間は悪い。大型リゾートホテルを次々に建てて環境を破壊し、しかもバリ人を雇用しない。ジャワから人を連れてきて雇うからバリ人の生活は苦しいままだ。バリでテロが起きたのはあれはみんなジャワ人がからんでいてバリ人は関係ない、、、などと熱く語りだし、しまいには「全部ジャワ人が悪い!」とロレツが回らないほど熱くなっていた。
 そして若干、自分の家の自慢も・・・大きな家を建て、弟はふたりとも医大へ行って医者になった、と。ちなみにスジャナさんは今はガイドをしているが、前職はバーテンダーだったそうだ。
 大きな家には人もたくさん泊まれるようになっていて、仲良くなった旅行客が再びバリに来たときは泊めてあげるのだ、と。特にサーフィンをやる人はどうしても長期滞在を余儀なくされるのでそういう人に泊まりに来てもらうのだそうです。
 
 そして会場に到着。
 ケチャックダンスとは「ケチャ、ケチャ」と歌いながら大勢の男性が出てきて、その輪の中で芝居が繰り広げられるというもの。楽器は一切使用しない。声が楽器の代わりみたいな感じ。
 始まる前に舞台のまんなかにろうそくが灯され、祈りがささげられた。この地の人は信心深い。
 そして開演。上半身裸で腰にチェックの布を巻きつけた男たちが続々と登場。


 チャッ、チャッ、チャッ、チャッ、ケチャ!
 と歌いながら出てきた。なかなかの迫力。彼らはこの仕事で食っているのかとスジャナさんに聞いてみたら「昼間は普通の仕事をして夜にこの仕事を兼業している人がほとんど」だそうだ。
 スジャナさんと別れた私たちはダンス鑑賞を楽しむ。ストーリーはラーマーヤナの伝説をもとに作られているそうだ。
 男たちに取り囲まれた中心で芝居が始まる。色鮮やかな衣装をまとった女性たちの踊りと芝居。
 私:「オペラのアカペラ版アジア風って感じやな」
 ダ:「なるほど!確かにオペラやな。かーちゃん、ええこと言うなあ」
 たまに的を射た発言をしてほめられる。前回はウィーンでほめられた。「ハンガリーは奈良、ウィーンは京都って感じやな」と言って。
 ダンナにほめられたのはそれと今回との2回こっきりである。。。

 ケチャックダンスの感想は・・・うーん、ちょっと退屈。やっぱり私、オペラはダメみたい・・・。しかも音楽がなくて声だけだったので・・・ケチャ、ケチャって。
 私:「これやったら私にもできそうや」
 ダ:「オレも最初はそう思った。でもこれだけの人数で息を合わせるのは難しいぞ。それにようく聞いたらきちんと秩序だっていて、これは素人にはできんことや」と感想を述べていた。

夜景モードで写しましたが、イマイチでした

 ダンス鑑賞のあとは食事へ。
 インドネシア料理を食べに行く。すごく広いレストランでしたが、私たちはガラス張りの小部屋に入れられた。ガラスの向こうには舞台が。踊りを見ながら食事ができるらしい。ちなみにこの小部屋の中はオール日本人客でした。
 私:「こんな個室に入れんでもええのになあ」
 ダ:「ホンマやな。水族館の魚になった気分や。どっちが見られてるのかわからん」
 まずは前菜が山盛り出された。野菜の炒めものと煎餅。これがなかなかイケる。ビールを飲みながらパクパク食べていると芝居が始まった。
 美しい衣裳を身にまとった女性が華麗に踊る。私はケチャよりこっちの方が楽しかった。
 私:「綺麗やなぁ〜〜〜」
 ダ:「うん。みんな若いのに感心やな。今、踊ってる子、まだ子供やぞ」
 私:「こういうところで一生懸命経験を積んでるんやろな。偉いなあ。将来が楽しみや」
 ふたりで見とれていると、今度は別の女性が舞台に現れ踊り始めた。途中で同じような衣装を着た人が次から次へと出てきた。
 ダ:「いっぱい出てきたなぁ。まだ出てくるで」
 本当に次から次へと出てくるのである。総勢20人くらいか?
 私:「ようけ雇ってるなあ。ちゃんとギャラ支払ってるんかな」
 踊る人たちは皆、片腕を直角に曲げて上げ、手の上には大きな入れ物を持って踊っていた。
 ダ:「もしかしてあの中に料理が入ってるとか!」
 私:「まさか〜」
 そう言った瞬間、踊りの列が崩れ、舞台からぞろりぞろりと列をなして踊り子たちがこちらに向かってきた。
 私:「こっちに来るで!!」
 ダ:「やっぱりあの中に料理が入ってるんやで!」
 大当たり。入れ物の中には料理が入っていて、踊り子はテーブルに用意された大皿にいろんな料理を少しづつ盛りつけてくれた。
 ふたりしてまたもや完食。ビールは残してしまったけど・・・(悔)。

 私:「これは粋なサービスやな」
 ダ:「おう!」 
 ダンナ、がっつく。「バリはメシがうまいなあ。ちっともハズレがない」
 というわけで楽しい一日でございました。

 眠りにつくと昨夜同様の警報音が・・・。
 明日も鳴るのかなぁとつぶやきつつ、そのまま寝ました。

(7月13日)
 今日はクタへ行くことにした。クタといえばバリで一番の繁華街。ダンナはそこで足裏マッサージをしてもらいたいのだと言う。ガイドブックにいい店が載っていたのだそうです。
 私はイマイチ気乗りせず。というのも昨夜、ホテルの部屋に「ゲスト対象のカクテルパーティを催します。ぜひお越しください」との招待状が来ていたからだ。
 リッツのパーティやで、カクテルやで、行きた〜い。
 と、軽くゴネてみたけど効かなかった。足裏マッサージなんて日本でもできるやん!フンだ!
 ところでふた晩続けて警報が鳴った部屋でございますが、今朝はトイレが壊れました。ダンナがしょんぼりとした顔で「トイレが流れへんねん」と。
 世界のリッツも長期で滞在するとボロが・・・。
「かーちゃん、ハウスキーピングに電話してトイレ直してもらってえや」
「今度はあんたが電話してえさ」
 バギーを呼ぶのも私、警報が鳴っても私。たまにはダンナにも電話してもらおう。
 ダ:「なぁ・・・なんて言ったらええの?」
 私:「そうやなぁ・・・I destroyed toilet って言ってみ」
 ダ:「Destroy!!オレ、どんな壊し方したんかと思われるやないか・・・」
 私:「ハハハ。うーん、なんて言ったらええんかなあ」
 すぐに英語が浮かばないのが悲しいところ。そういえば先日、ネット接続がうまく行かなかったときに隣にいたロシア人の女の子が「working?」って言っていた。パソコンが動く、というのはworkを使うんかぁと覚えたところだった私。早速使ってみよう!
 私:「Toilet doesn't working でええやろ」←適当
 ダ:「doesn't working・・・?なんでdoesなん?それにdoesの後ろにing形はおかしいやろ」←A型?
 私:「チッ!細かいな!そんじゃToilet isn't workingでええやん!」←基本的な間違いを恥じいるあまりに逆ギレする私。
 ダンナ、意を決して電話する。なんとか通じたようだった。
 ダ:「かーちゃん、broken?って言われたで」
 皆さん、トイレが壊れたときにはnot workingではなくbrokenと言いましょう。
 ひとつ賢くなりました。 

 そしてクタへ向けて出発。ホテルからシャトルバス(無料)が出ているのでそれを利用。クタの中心地へと。
 何気なくうろうろし、マクドナルドに入る。食べ終わるとまたうろうろし、マタハリという名前のデパートの前に行くと若いお兄さんに声をかけられた。
 彼はルネッサンスリゾートとかいうホテルの人で、今回そのホテルのキャンペーンで「いろんな品が当たるクジ引き大会」をやっているそうで、とりあえずクジを引いてくれ、ハズレでもTシャツはもらえるのでお得ですよ、みたいなことを言った。
 うざい・・・あやしい・・・こういうのは無視するに限る。
 しかし兄ちゃん、食い下がる。僕はアヤシイ者ではないです!ほら、これがホテルの従業員証です、とプラスチック製のネームプレートを見せながらしきりに訴える。
 でも、くじ引いたらTシャツをもらいにホテルまで連れて行かれることになっているようなので断った。どこへ連れて行かれるのかわかったもんじゃないしね。
 しかし兄ちゃん食い下がる。とにかく必死なのだ。「僕はまだ新米。お客さんを連れて行くと僕、1週間いい仕事もらえるの。だから来てほしい」
 1週間だけなのか、こんな暑いとこで一日働いてもまともに相手してくれるのはほんの一握りなはず。やっとお客を捕まえても仕事もらえるのはたった1週間だけなのか・・・。
 ダンナ、情にほだされる←やっぱりO型
 ダ:「彼は正直や。いい仕事をもらおうと必死に頑張ってるし、悪いヤツではなさそうだ」
 私に耳打ちする。そしてくじを引いてしまった。しょうがないので私も引いた。
 全然信用してない私だったが、くじは立派な紙でできていて、お兄ちゃんが言うホテルの名前もプリントされていて、結構お金をかけていそうな感じ。
 ミシン目に沿ってくじを開くとTシャツの絵が出てきた。お兄ちゃんは「Tシャツもらえるから!がっかりしないで」と慰めてくれた。
 ダンナもくじを開く。XXXとペケマーク3つ。あーハズレ!!!
 と、思いきやお兄ちゃん興奮。
「すごーい!1等賞!すごい、すごいよーーー!!僕も初めて見るよ!ほんとすごいよー!!!」
 大興奮なお兄ちゃん。
 どうやらダンナ、大当たりらしい。くじを見ると、

(A)アラスカ〜オーストラリア 2週間クルーズの旅
(B)マタハリデパート USD250分のお買い物チケット
(C)ホテル1週間無料宿泊券
(D)バリ行きのファーストクラス航空券

 この中からどれかひとつもらえるらしいのだ。

 ダ:「へー」
 お兄ちゃん:「さあ行きましょう!こんな賞はめったに出ません」
 全部当たりくじなんじゃあ?とつぶやくと、お兄ちゃん、持っていたくじを次々開いて「全部当たりじゃないよ。ほら、これハズレ、これもハズレ」
 それでもしぶって「もういいですわ。いりません」とその場を立ち去ろうとすると、「あそこが僕らのオフィス」と指を指す。オフィスは大通り沿いで安全そうだ。
 ダンナ、すっかりその気モード。
 私:「やめとこうって!よう考えてみぃ、なんでアラスカ・オーストラリアの2週間クルーズとマタハリデパート250ドルお買い物券がおんなじ賞やねん。格差ありすぎやん、これ絶対アヤシイで」
 ダ:「オレはなぁ、お買い物券がほしいわ」
 私:「阿呆!断然ファーストクラスチケットやろ!」
 とりあえず行ってみることに。

 ルネッサンスリゾートなんて聞いたことないホテルだなあと思っていたら、ルネッサンスはペニンシュラホテルのスポンサー会社のようで、オフィスにはペニンシュラのポスターがいっぱい貼ってあった。
 それでも信用できない私はダンナとお兄ちゃんを置き去りにしてオフィス内をうろうろ。
 どうやら本当にペニンシュラみたい。オフィスにいる従業員は首から携帯電話をぶら下げていたけど、ストラップにペニンシュラと書いてあった。インチキでここまでお金をかけまい・・・。
 しかもペニンシュラホテルと言えば香港をはじめ、世界中に名を馳せる超一流ホテル。アヤシイ業者に簡単に名前を貸すとは思えない。
 ようやく話を聞いてやろうという気になり、ダンナと兄ちゃんのところに戻る。ダンナはすっかりうちとけて楽しそうに話しこんでいた。
 そしてホテルに賞品をもらいに行くことになった。ワゴン車に乗る我々。ペニンシュラのロゴの入ったきれいな車ではなく、いかにもポンコツそうな車だ。
 私:「地図ちゃんと見とってや。変な道に入ったら飛び降りるんやで」
 事前に行先を地図で確認しておいた。大通り沿いのホテル街の中だったので、薄暗い道は通るはずがないのだ。
 そして出発。ダンナと兄ちゃんは話が弾む。私は陰でこそこそダンナに「怪しい怪しい」と逃げることばかり指示するので兄ちゃんに敬遠されてしまった模様。
 それでも私はめげない。何かあったら私がしっかりしないといけないのだ。
 風景を写すふりをしてビデオカメラを回し、時折デジカメを出し写真も撮った。カメラを向けた時の兄ちゃんの反応をチェックするためだ。
 兄ちゃん、平然。どうやら本当に怪しい者ではないかも。
 数十分後、車はペニンシュラホテルに入った。
 ダ:「あれ!かーちゃん、ホンマにペニンシュラに着いちゃった。あらら」
 そして車を下り、我々はホテルのフロントへ。兄ちゃんがフロントに挨拶し、当たりくじを渡していた。
 
 バリのペニンシュラは香港のペニンシュラとは違い、とてもカジュアルな雰囲気のホテルだった。只今増築中でより多くの観光客を呼び寄せようとしているらしい。で、街で声をかけられエサにつられた観光客にホテルを案内し、帰国後にアピールしてもらうことを狙っているようだ。
 もうすぐ日本人スタッフが来るから、ジュースでも飲みながら待っていて、と言われ、喫茶へ入る。
 騙されてなかったとわかり、安心した我々、議論が始まった。
 (A)から(D)の賞品のうち、どれをもらうかの議論であった。
 おさらいしよう。

 (A)アラスカ〜オーストラリア 2週間クルーズの旅
 (B)マタハリデパート USD250分のお買い物チケット
 (C)ホテル1週間無料宿泊券
 (D)バリ行きのファーストクラス航空券

 Aは問答無用で却下。2週間も仕事を休んだらクビになる(双方)、海の上に2週間もいるのはイヤだ(私)。
 ダンナはBを希望。一番現実的で手頃だ、日頃買えないおしゃれな洋服や酒を買いたいと言う←夢が小さい=A型?
 Cは二人とも関心なし。
 私はDを希望。ファーストクラスなんてこれを逃したら一生乗れない。またバリへ来てリッツに泊まろう。

 意見が一致しなかった。
 しかし・・・自分たちで選べるのかと思っていたらそうではなかったのだった。
 結局Cが当たった。スペイン、ポルトガル、マルタ島(地中海の島)、カナリア諸島(アフリカの近く・スペイン領)、インド、バリ、フィリピン、タイ、オーストラリアのペニンシュラホテルに『夫婦&18歳以下の子供3人まで』無料で1週間泊まれる権利をもらった。
 しかし有効期限がある。1年以内。しかも予約は半年以内に、ということだった。
 これはまた身内でひと騒動起きそうだ(現在係争中・こんなもん、下手に当てるもんじゃないね)。
 
 同じように連れて来られた人たちで混みあっていたのか、2時間待たされた。あさって帰るのに観光の時間が減ってもったいないから帰る。と言うと賞品だけくれて帰してくれた。
 が、兄ちゃんが引き続き観光案内をしてくれると言う。
 そしてダンナ希望の足裏マッサージの店に行ったが、予約いっぱいで入れず。なので別の店に連れてってくれた。
 それはマッサージではなくエステの店だったけど、私は大満足。すごく丁寧なの、仕事が。オイルも好きなのを選べるし、最後は風呂でカラダまで洗ってくれるしね(ちょっと照れたけど)。
 二人で個室でゆっくり心ゆくまでボディスクラブや顔パックにクリームバス(頭と髪のエステ)、そして最後にフラワーバスに浸ったのでありました。
「かーちゃん・・・僕、こんなん恥ずかしわ・・・」
 紙パンツいっちょで全身にヨーグルト塗られながらしょんぼりするダンナが可愛かった。
 会計の時に「リッツカールトンのスパよりこっちの方がよかったです」と言ったら、それまで無愛想だったレジの兄ちゃんがぱああっと顔色を明るくしたのでなんだかこちらも嬉しくなった。

 そして次はマタハリデパートに戻り、日本へ買って帰るおみやげを購入。主に自分の家用に。ナシゴレンやソトアヤムの素、ケチャップ(バリのケチャップがなぜだかおいしかったので)ライスワイン(米のワイン)などなど。
 レジに行くとガイドの兄ちゃんが自分のサイフからカードを出した。このデパートのポイントカードだって。人が買ったものなのに自分のポイントにしやがるなんて兄ちゃん、ちゃっかりしている。「僕たち、友達だから」だって。

 そして次はシーフードを食べにGO。あたりはすっかり暗くなった。ガイドブックで目をつけていたシーフードレストランの名前を言うと、「そこは高いよ。こっちの方が安くておいしいから」と兄ちゃんが別の場所に連れて行ってくれることになった。

まずは食材を選ぶ 選んだのを焼いてもらう 解放的な雰囲気


 海辺にずらっと並べられたテーブルと椅子。海はすぐそこ。ろうそくの灯ったテーブルで波が打ち寄せるのを見ながら食事する。砂浜の砂が足に心地よい。


 食材選びはダンナの仕事。シーフード大好きなダンナは日本にいるときでもしょっちゅうデパートに出向いては魚売場を物色する。それが趣味なのだ。
 今回はエビ、ロブスター、ワタリガニを。
 めちゃおいしーーーーっ!!!
 ビールもすすむってもんだよ。
 私:「ふたりで一生懸命働いたお金がこのシーフードに化けた。そう思えば私ら贅沢してるわけではないやんな。これだけの分、働いたんやから」
 ダ:「そうやなぁ」
 私:「この1年、お互いに新しい部署に移ってしんどかったなあ。でもなんとかやってこれたなぁ」
 ダ:「そうやなぁ」
 ダンナも感慨深げである。
 私:「これからも一生懸命働いて、世界中いろんなとこ行っていろんなモン見て、おいしいもんいっぱい食べような」 
 ダ:「・・・・・・」
 なぜ黙る??? あーあ。
 でもね、二人で好き放題に暮らすのもこれで最後にしよう、と約束したんだよね。来年からはマンションのローンも始まるし、子供も作る予定だし、そう思って今回はちょっぴり贅沢したんだよね。最後の思い出だから、って。多分もう二人揃って海外なんて行けないよね。。。

 私は行くけどね。

 シーフードを次々にがっついていたらバンドの人たちがテーブルを回ってきた。「どこから来ましたか?」と聞かれたので「日本です」と答えるといとしのエリーを演奏してくれた。もう一曲なんでもリクエストしてください、と言われたけど、そう言われるとなかなか思いつかないもの。考え込んでいると「True Love」(藤井フミヤ)を演奏してくれました。
 海外で日本の歌を聞くとなぜだかせつなくなりますよねー。。。帰りたいような帰りたくないような。

 完食したあとはしばらく海を眺め、そして帰路へ。お兄ちゃんの車に乗せられてホテルへ戻りました。
「僕、明日仕事休みだからガソリン代だけもらえれば案内しますよ」と言われたけど断った。
 ホテルに着いて、今日の案内料として少しだけ渡すとお兄ちゃん、「あれ?」って顔をした。
 私:「少なかったんかなー」←ネガティブなA型
と部屋に戻ってからダンナに言うと「そんな感じじゃなかったで。『あれ?そんなつもりじゃなかったのに』って感じやった。あの兄ちゃん、我々と友達になりたかったんとちゃうか?だってスーパーに行ってもどこへ行っても『僕の友達』ってすごい嬉しそうにいろんな人に紹介してたやん。多分彼らにとっては日本人の友達がいるってことは一種のステイタスなんとちゃうやろか。日本語も教えてもらえるしなあ」←楽天的思考=O型?
 うん、そういえば別れ際、とっても名残惜しそうな感じだったな、あのお兄ちゃん。いい人に出会えてよかった。
 

 そして我々はホテルのバーへ。マティーニクラブというバーへ行った。残り少なくなったバリでの夜を惜しみつつグラスを傾けあったのだった。

cocktail memories(all matini)

(7月14日)
 朝、部屋のプールで全裸で泳いだ。ここに来てからの私の日課。1回やってみたかったのよねー。できれば朝ではなく夜の月の光のもとで、できればひとりではなくダンナとふたりで・・・。
「寒い!」と断られた。確かに夜に泳ぐのは寒い感じ。それならと「朝に泳ごう!」と言ってみましたが、またもや「寒い」と断られました。
 なのでひとりで朝に泳ぐことにしたのでした。
 今思えばダンナは違う意味で『寒い』と言っていたのかもしれません。

 今日もホテルでダラリとしたいと思っていたけれど、ダンナが「ウブドに行ってみたい」と言い出したのでした。ケチャを見に行った時のガイド、スジャナさんはウブドの出身で、しきりに「ウブドはいいよ!バリで一番!お土産も質がいい。お土産を買うなら絶対ウブド!特に石鹸がいいよ。クタは高くて質が悪い。ニセモノばっかり!」とウブドを絶賛していたのです。それにそそのかされたダンナでした。
 ウブドとは内陸部にあり、のどかな田園が広がり、様々な雑貨や美術館などが点在しているところです。シャトルバスの無料券を持っていたのでそれを利用することに。
 バスの名前は「ウブドGO号」。
 ダ:「ウブドGO GO!!」
 彼は今日もテンションが高い。
 ふたりで「ウブドゴー!ゴー!!」と歌いながら部屋を出る。
 まずはタクシーで街に出た。プラザバリという免税店の前からバスが出るのであります。
 10時半にバスが出た。1時間半ほどでウブドに到着。自転車を借りて回ることにした。
 まずはモンキーフォレストへGO!
 モンキーフォレストとはその名のとおり「サルの森」。入口でバナナを買う。エサあげ放題のサルの森なのであります。


 しかし飽食気味のサルたち。バナナをやってもあまり嬉しがらず、客が落とした芋や杏仁豆腐を夢中で食べていました。
 こんなサルもいました。 


 ここのサルは尾長ザルだそうです。しっぽがとても長い。そして小柄でとってもキュートでした。
 場内には緑の服をまとったおばさんたちがおり、その人たちは「サルのエキスパート」と呼ばれているそうで、「何かあったらサルのエキスパートに任せてください」と日本語の看板がありました。
 奥へ進む。森は熱帯雨林の様相。鬱蒼としていました。
 

 サルがバナナにイマイチ喜ばないのでがっかり。
 でも一匹だけ喜んで食べてくれるサルがおり・・・かわいい〜。
 ダ:「かーちゃん、ちょっとしゃがんでみ」
 バナナをかばんにしまい、しゃがみこんでサルを見ているとサルがこっちに向かってきた。
 こういう時は慌てずにそっと立ち去るのがよいと看板に書いてあったので、背中を向けつつ去ったのですが、太ももの後ろに何やらペタリと不思議な感触が・・・。


 そして次の瞬間。
 

 腰にサル。

 腰巾着!!!

 ダンナ「うほほほほ」と笑いながら、ビデオカメラを回す手を止めようともしない。ちょっとびっくりしたけど、サルはとても軽くて小さくて丸くて。思わずなでなでしたくなりました。
 エキスパートが長い棒を地面に打ちつけるとサルは慌てて私の腰から飛び降りた。でもしっかりとかばんの中のバナナは奪っていったのでした。ちょっとの隙間から手を入れ、房からバナナを2本も取っていました。その早業にブラヴォー!

 お次は昼食を食べにGO!
 ガイドブックで目をつけていた「トロピカルビューカフェ」へ。オープンエアなレストランから見えるのは田んぼ。なんで『トロピカルビュー』なのかなぁ。疑問。



 この田園風景を目当てにたくさんの観光客が訪れるウブドでありますが・・・
 ダ:「こんな風景、日本にもあるよなぁ」
 私:「確かに・・・」

 しかしのどか。たいそうのどかな風景に心癒されます。
 しばらく眺めていると中学生くらいの少年たちが3人、田んぼの中に現れた。たこあげをするらしい。電線がないので自由自在にたこをあげられるのはうらやましい話でありますね。
 たこはどうやら少年たちの手作りのようであった。
 ダ:「おおっ!あれは・・・!!」

 いかがなものか・・・。
 (ビデオに収めたのを写真に撮ったのでいい具合にモザイクが・・・?)
 
 私:「あれ、糸切れて飛んでったりせんやろか?イヤやなぁ、朝起きたら庭の植木にあんなんひっかかってたら。それか、外出中に家の屋根にあんなん張りついてたらイヤやなー!仕事終わって疲れて帰ってきたら近所の人に指摘されてさぁ、屋根に登って取るの。イヤヤでー、恥ずかしでーーー!!!」
 あら、イヤだわ、ワタシったら。笑いが止まらないワ。
 お下劣ですんません。

 そして次はチェディクラブへGO!
 チェディクラブとはホテル。ここにも泊まりたいなぁ〜と候補に上がっていたのですが、リッツとかけもちしたら慌しいかな、ということで取りやめにしたのです。今後の参考にぜひとも見ておきたい。
 裏口から入って守衛さんに「カフェだけ行かせてもらってもいいですか」と訪ねるとなかなか英語がわかってもらえず。ここはリッツと違って日本語は通じなかった。ようやくわかってもらえ、守衛さんはホテルの人を呼んでくれた。この守衛さん、梅宮辰夫にそっくりだった。
 そんなことはどーでもいいが、このホテル、鳥かごに入った鳥がいたるところに。それも普通の鳥ではなく「おうむ系」。多分、貴重な鳥なんだと思う。
 開放的なリッツと違って閉ざされた静けさが。家具は中国風な感じ。とってもオリエンタルだった。客室が20室(だったと思う)しかないのでお客も少なく、カフェに入っても誰もいなかった。ちょっと寂しいかも。。。
 

チェディクラブの敷地内から見た景色

 カフェでジュースを飲んだあと、再び自転車で散策。
 今度はお土産を買う目的で。籐のカバンや石鹸などを買った。ダンナは浮かない顔をするが(ショッピング嫌い)つきあってもらった。
 そして夕暮れ。
 ホテルへ帰るバスが21時に迎えに来ることになっていたので、19時頃にタイ料理のレストランに入った。
 ここもなかなかのお味。カフェワヤン(ワヤンおばさんの店)というレストランで、ここの女主人ワヤンさんはウブドでは知らない人がいないほどの有名人で、アメリカで料理教室を開いたこともあるという。この店は世界中にファンがいるという評判の店らしい。確かにおいしかったけど、、、「世界中にファン」ってのはちょっと大げさじゃないかい?って気がした。
 ここは自家製ケーキがいっぱい売っていて、どれもこれもおいしそー!もちろん食べましたとも。

ヨーグルト味のフラミンゴケーキ その名も「Death by chocolate」


 私はフラミンゴケーキを。何味か見当もつかなかったけど注文してみた。ヨーグルト味のムースケーキであっさりしておいしかった♪
 チョコレートを深く愛するダンナはチョコレートケーキ。「デス・バイ・チョコレート」というおどろおどろしい名前がついており、見た目はチョコで真っ黒。それをさらにチョコレートに付けながら食すというものでありました。
 でも全然甘ったるくなくておいしかったのですよー!!
 初めてバリコーヒーも飲んでみた。まったりしていて意外とおいしかったです。私はコーヒーは苦手なのですが、これは結構いけました。


 満腹になった我々、バスに乗ってホテルに帰りました。
 今日も一日楽しかったです。
 あー、明日は帰らなきゃいけないんだなぁ・・・と思うととても寂しかったです。

(7月15日)
 昼12時にチェックアウトなのでとりあえず朝食を食べに行ったその足でパターゴルフに。パターゴルフ三昧の毎日を送るつもりが結局2回しかできなかったのが残念。今回も最後の2ホールでダンナに追いつかれ、1打差で負けてしまった。持久力がないのが弱点な私。今後の課題としよう。
 そしてチェックアウト後、クタに出た。おとつい予約いっぱいで入れなかったマッサージ屋に今度は入れた。そして夕方にホテルに戻り、プールへと。あぁ忙しい。チェックアウト後でも飛行機の出発前までは無料で施設が使えるのが嬉しい。
 日が沈んだので最後の夕食。シーフードバーベキューのレストランへ。時間がないので少しだけしか食べられなかったけど、とてもおいしかった。ぜひまた行きたい!!!
 そして20時過ぎにロビーへ。ガイドさんが迎えに来てくれたので空港へ。
 リッツカールトン、さらば!
「K様、ここでのご滞在、いかがでしたか?」
 と、ホテルマンに尋ねられた。
 なんかね、どう言ったらいいのかな、他のホテルとはサービスの質が格段に違うのですよね。
 日本にも大阪の梅田にリッツカールトンがありますが、「何かが違う。ものすごくいい」と行ったことのある友達も言ってました。聞くところによると、とあるホテルでは従業員研修用としてリッツの研修用ビデオを借りているとか。
 皆さんもぜひに行ってみてください。食事をするだけでも。本当に「何かが違う。ものすごくいい」っていうのがわかりますから。

 迎えに来たのはディアンタラさんでもスジャナさんでもなく、またまた別の人だった。
 私:「エジンバラさんが一番よかったなぁ。物静かで知的な感じで」
 ダ:「エジンバラちゃう、ディアンタラや。オレはスジャナがよかった」
 私:「えーっ、スジャナ、暑苦しい。何言ってんのかようわからんし」
 ダ:「オレはああいうヤツ、好きや」
 私:「彼は一家の中でもアウトロー的存在やったんやろなあ。弟がふたりとも医者やのにスジャナだけバーテンダーや旅行ガイドやもんなあ」
 ダ:「彼は長男やから。弟たちのためにも早く自立して働かないとあかんかったんやろう。彼は親を助けなあかんと思って早くから働き始めたんや。えらいわ」←人情味溢れているところがO型っぽい?
 スジャナさんはそんなこと一言も言ってはいなかったが、なるほど、そうかもしれない。

 空港に着いてガイドさんと別れた。今回の旅はこれにて終了って感じだ。
 今回のツアーでは「スカイラウンジ無料利用」という特典がついており、ダンナはこれを非常に楽しみにしていました。
 お酒も含めて飲み物飲み放題。軽食もたくさん。バイキング形式で食べ放題。飛行機大好きな我々夫婦、冷房の効いてる室内からわざわざ蒸し暑い屋外のテラスに出て飛行機を見ながら乾杯。 

ジントニックとクラムチャウダー

 余談ではありますが、うちのダンナはパイロットになるのが子供の頃からの夢でした。高校の卒業アルバムには「将来の夢:パイロットになって国際線スチュワーデスと結婚する」とでかでかと書いてあります。(しかしこの夢、とても高校3年の書いたものとは思えんな。小学生並み!)
 その夢、わずか4年後に粉々にうち砕かれるということを当時のダンナは知る由もなかった・・・。
 ごめんねぃ!ダーリン。
 でもアタシと結婚してよかったよね?アタシはあなたと結婚できてよかったワ!本当によかったワ!!!

 てなわけでバリ島旅行記終了。
 帰国すると梅雨が明けてました。めでたし!

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 ザ・リッツカールトン バリ リゾート&スパ(オーシャンビュー・プールヴィラ)
 Jl karang mas sejahatera Jimbaran Bali
 Tel: 0361-702222(国番号 62)