高岡元殷の養子、本姓宇野氏。字は牧次。元眞と号す。肥後熊本藩細川侯典醫なり。

代々細川侯の侍醫の世系高岡元殷の養子となり、幼少より「時習館」に入り、のち「再春館」に進みて醫学を修める。17歳の時、養父高岡元殷の遺跡を継ぎ、藩の典醫を命ぜられ細川護久、護美の傅を勤めた。
明治19年(1886)私立醫学教授所「傳習會」を創設し、會長となる。
明治21年(1888)「春雨黌」を創立し、自ら黌長となり醫育の任に当たった。また私立熊本醫学校主となり、熊本県の醫育にも貢献する。大正4年(1915)藍綬褒章を賜う。
同9年(1920)1月　日歿　享年78歳。