乃木日向守秋綱
Nogi Akitsuna
(1493-  )


諱は秋綱。次郎左衛門と称す。官は日向守1)。佐々木源次左衛門清高の男。母粟津四郎左衛門清久三女。

畠山尾張守政長の軍師であった佐々木源次左衛門清高は、明応2年(1493)閏4月25日摂津正覚寺の合戦にて討死した。 清高の子を懐妊せる妻の粟津氏は、但馬國城崎郡那木谷村(乃木谷)2)に難を逃れ、 その地で一子、秋綱を産みたるといふ(『乃木将軍景仰碑3)』より)。 この秋綱が乃木希典大将の遠祖であり、希典はのちこの墓が荒れていると人伝えに聞き、 この地の保存に尽力せるといふ。



1)但馬出石宮内総持寺の『本尊造立奉加帳(1535)』にも、乃木日向守、子息乃木丹後守の名前あり。
2)乃木谷の現在地を何処に同定するかは諸説あり、『藩中略譜』では「但馬國某村乃木谷」とあり、 碑文では「丹波乃木谷」とある。巷説にては「但馬國城崎郡乃木谷」といふ。
3)『乃木将軍景仰碑(1940)』碑(全長約3m)の右側面に乃木氏の世系につひての記述があり。 所在地 大阪府大阪市平野区加美正覚寺2-6-37
■表紙へ