心の諸問題考究会の設立目的・主な活動内容

 本会は「心の諸問題考究会」(英語名:Mind/Soul Explorers)と称します。
 心の諸問題についての、公開性と相互受容と相互批判の保たれる研究発表の場を設け、運営することを目指します。私たちは、学術的と認めうる限りにおいて、研究法の多様性をことさらに制限せず、この諸問題の考究を学際的かつ国際的に進めたいと願っています。

 本会では、電子ジャーナルの機関誌『心の諸問題論叢』に、全世界から公募する意欲的な研究論文、批評論文、展望論文を掲載いたいします。またこのほかに、論文をめぐる討論や、様ざまな学問的課題、話題をめぐっての情報提供や討議をインターネット上で行ないます。 カラー

 このなかで中軸となるのは論文掲載であり、運営方針は次の通りです。
 まず論文の投稿を、一般(全世界)から公募します。日本語のみでなく、外国語での投稿も可能な国際雑誌です。投稿論文は、まじめな学術的営為と認められるかぎりにおいて、すべて本会のホームページ上に仮掲載し、ここにリンクした「質問・寸評広場」で、内容についての質疑応答を行います。
 次に本会の運営委員ほか読者による査読所見を添えて、科学技術振興事業団の科学技術情報発信・流通総合システム(J-STAGE)上に作る機関誌(電子ジャーナル)『心の諸問題論叢』(英語名:Mind/Soul Interfaces)に掲載します。
 投稿者は査読に対して意見を表明することができ、査読者や他の読者もまたそれに対して応答することができます。このようにして、論文の発表と査読、審査、討論をすべて公開で、読者の参加のもとで行います。
日本語の論文にも外国語の要約が添えられ、全世界に向けて発信します。論文本体の使用言語は当面、技術的制約により日本語と英語に限られますが、今後はできるかぎり増やすことに努力してゆきます。
 また本会のホームページにリンクした「情報交換広場」では、論文の形をとる前の発案や資料を相互に検討し、学術論文に仕上げるための補助活動とします。

 こうした活動には、どのような成果が期待できるのでしょうか。
 まず『心の諸問題論叢』には、これまでの学会誌には発表できなかった独創性のある論文が公表されるでしょう。なぜなら、査読者からの一方的な指摘で却下されることが、もはやないからです。反対に、薄弱な根拠や議論の甘い進め方は、容赦なく批判されるはずです。これまで学会誌に投稿して採択されなかった意欲的な著者には、査読所見に対する反論の機会を与えるので、論文の審査基準をめぐる議論を喚起することにもなるでしょう。
 また、本誌上はもとより別のところで公表された著書や論文に対する批評活動も『心の諸問題論叢』上では活発に行えますから、研究者相互が刺激しあい、心の研究の質の向上が見込まれます。自由に発表できるということは、同時にあらゆる批判にさらされる可能性も引き受けることであり、発表さえしてしまえば業績に数えられるという時代は終わりを迎えるでしょう。
 さらに、本会の活動は全世界に公開されるので、各々の研究者がわが国と自らの研究の位置づけを意識せざるをえなくなり、外国の研究の紹介で事足れりとするような風潮は後退してゆくにちがいありません。また他方では、外国からの投稿も迎えるので、地球規模の知の交換と共有、相互理解に貢献できると考えています。思想・信条を超えた相互理解に導き、異なった文化や宗教の間の友情を深め、ひいては世界平和にも貢献できるでしょう。
 公開性については、もう一つの副産物も期待できます。現在の査読制度では、査読者には未公開の研究を知る機会が与えられているのに、ほとんどの場合、その氏名は公開されません。このため、未公開の研究の盗用の疑いさえ完全には否定できないのです。査読に先だって研究の公表が行えれば、疑惑は抱かれようがありません。

 将来を見通せば、このような活動形態こそが、学問研究の公表と評価の、あたり前の姿になってゆくことと思われます。
 インターネットを利用した電子ジャーナルの利点は数多いですが、中でも際立つのは、利用しやすい点です。これまでのような冊子体の雑誌では、購読料を払って本棚を占領されるか、図書館に出かけてゆかなければ見ることが出来ません。しかし電子ジャーナルなら、インターネットへの接続で、いつでもどこでも直ちに目的の論文が手に入ります。したがって、これからは電子ジャーナル上の論文の方が冊子体のそれよりもはるかによく読まれ、参照されるようになるでしょう。
 理科系の雑誌はすでに国際的にこのような流れになっていますが、文科系の諸学ではこの点が大変に立ち後れています。『心の諸問題論叢』は理科系の分野も含みますが、直ちには結論が明確にならない領域です。また文科系の分野にも広くまたがっています。どの分野においても、いずれ研究発表の主流が電子ジャーナルに移るであろうことは目に見えています。


 私たちは、派閥を作ったり特別な発言権を確保するような、従来型の体制作りをめざしてはいません既成の学会は体制の確立を任務と心得ていて、違った方法論から同じ問題に取り組もうとする試みを排除しがちです。さらに、若い頃からの仲間意識をひきずった「村的な」運営形態になっている場合が多く、学閥や人脈に外れたところから新たな問題意識をもって参画しようとする人を受け容れにくくなっています。公開性の高い雑誌は、このような状況を打ち破り、真の学問的な問題意識にもとづいた研究と議論の発展に向かう力となるはずです。
 これにより学術雑誌への論文掲載が、研究の終わりではなく、中間点に過ぎないことが認知されてゆくでしょう。他の学会誌の編集や公刊方法にも指針を与えると考えられます。さらに、大学など研究機関の評価法や業績評価のあり方一般にも影響が及ぶでありましょう。
・特定の権威者に、発言の生殺与奪権を握らせない。
・公開の場で討論し、それを記録に残す。
・地位や権威によらず、主張の内容と論理とによって対等に評価しあう。

 これら学術研究の本来の姿勢が、本会の目指す心の研究を中心に認知され、さらに広範囲に広がっていってほしいものです。

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