平成22年、仏像彫刻に興味を持ち、教室へ四か月程通った後、一人で彫刻を始める。松久宗琳著「仏像彫刻のすすめ」を半年で終了、「続仏像彫刻のすすめ」に移る。三年で25点の作品を制作、個展を開く。その後仏像制作は止め、年に一点位の彫刻作品と阿修羅の制作をする。
独学の仏像彫刻制作について 仏像彫刻は古来の基本を守り綺麗に彫る必要は無いが,個々の技量で仏様を雑念無く無心に彫る事だと皆さん仰います。私は一応、基本を守りながらも、雑念と共に楽しく夢中で彫っていました。一人での仏像彫刻制作が難しいのは先生の指導が受けられない、他の生徒作品の鑑賞が出来ない事で感覚が磨かれない、作者同士の批評交換によってレベルの向上が出来ない、交流が無い故に制作意欲が徐々に減少する等々。逆に直接調達が出来れば材料費は約二分の一強、講習費(交通費含)の節約が出来る、の大きな利点が有る。又、仏像展は各地で開催されているので見に行って目を肥やす事が出来る。どちらが良いかは個々の判断ですが、私の場合、年5,6体彫る材料(大き目の檜や楠材)、講習費、交通費等で三十万円程節約できたかと思います(年間にですよ!)。以下、拙い彫刻ですけど初期からの作品を紹介します。 |
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一年目初期作品 | 一年目後期作品 |
・地紋彫り ・握り手 ・開き手 ・足 ・救世観音 ・仏頭 ・地蔵菩薩 |
・聖観音菩薩 ・雲中供養菩薩(レリ−フ) ・聖徳太子立像 ・阿修羅 |
■二年目初期作品 |
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・持国天 材質:屋久杉 像高:30cm |
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・増長天 材質:屋久杉 像高:34cm |
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・多聞天 材質:屋久杉 像高:30cm |
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・広目天 材質:屋久杉 像高:30cm |
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● 独学の心得 一彫り、二彫り、削る毎に腕を伸ばしてその都度、像の全体を見る。一体を彫り上げるまでに何百回も、正面・側面・背面・上・斜めからと形状確認をして目を養おうと心がける。 |
■二年目後期作品 | |
・金剛力士像(阿形) 材質:楠 像高:35cm |
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・金剛力士像(吽形) 材質:楠 像高:35cm |
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・釈迦如来座像 材質:檜 像高:30cm |
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・慈母観音 材質:檜 像高:42cm |
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● 独学の心得 三年目に入り、彫る事が益々楽しくなってきた頃です。教室の生徒さんで通常一年に一体か二体彫るのが平均ですが、数多く彫る事で美しい顔・姿を表現する事が分かりかけ2,3週間に一体(複雑な台座・光背は像と同じ位の時間を要するが)のペースで彫り進める。 参考;金剛力士像(上掲写真)の一体で、一日6時間の制作時間とした場合で約二週間です。 |
・材質:楠
・像高:22cm
・材質:檜
・材質:34cm
・材質:楠
・像高:57cm
・材質:楠
・像高:57cm
・材質:檜
・像高:63cm
・材質:檜
・像高:66cm
(槍先まで)
■ 3年が過ぎ、ギャラリ-に空きが出たので個展を開催する事にしました。装飾写経を入れて27点の作品展です。会に所属せず指導者もいないので何の気兼ねもなく開催でき、場所が良く他の催しも有りの相乗効果により、入場者が700名を超えました。又、1年後にJR駅コンコースギャラリ-にても展示。作品を披露しようと思えばこのような個展であったり、個人での官庁、各団体への出品法も有ります。 | ![]() |
・材質:檜
・像高:44cm
・材質:檜
・像高:62cm
■ 彫刻刀・小道具について 彫り進めれば彫刻刀が一本づつ増えて今では数十本。刃だけ買って柄を作り、色を塗り自分だけの刀を持つ楽しみ。数は必要ないと思いますが見たら欲しくなるんですね。 研ぎは砥石(中・仕上げ)を使い、途中で電動砥ぎ機を使い又砥石へ戻る。良く砥げた刃は気持ち良く、木に刃痕を残しにくいですね。 |
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