言葉
今から五十六年前
日本は世界の多くの国々と戦争をし
残酷で
そして悲しい出来事を
たくさん残しました
日本の各地の町には
雨のように
爆弾が降りそそぎました
そして沖縄では
アメリカ軍と日本軍との
激しい戦闘があり
沖縄に住む多くの人々が
苦しみもがき
命を奪われたのです
五十六年たった今も
こうした戦争の傷あとが残り
悲劇が続いているのです
それは、世界中の
どの国でも同じです
平和な世の中を作りあげていくことが
どんなに大切なことなのか
考えていきたいです
1930年
日本が中国を侵略して以来
戦争は15年も続きました
1941年には
アメリカとも戦争を始め
泥沼のような時代が続いたのです
日本の軍隊は
次第に、次々アメリカ軍に敗れ
ついに、アメリカ軍は
沖縄に攻め入ったのです
沖縄の人々の
九州への疎開が始まりました
子どもや老人たちでした。
対馬丸をはじめ
3隻の船に分かれて乗り込み
軍艦に守られながらも
いつ襲われるかもしれない不安の中で
鹿児島へ向かいました
ところが、その日の十時
対馬丸は
奄美大島という島の近く
真っ暗な中
2発の魚雷を受け
「お母さん 助けて」
「先生 助けて」
と言う叫び声が聞こえる中
海の底深く沈んでいったのです
1661人のうち
生き残れたのは177人
766人の子どもたちが
死んでいったのです
10月10日
アメリカ軍の激しい空襲で
沖縄の町那覇は
焼け野原になりました
家は焼かれ
食料も焼かれ
多くの死者
ケガ人が出ました
アメリカ軍は
瞬く間に押し寄せ
1945年4月1日
ついに沖縄に上陸しました
日本軍は全滅しました
その戦闘では
中学生や女学生も
駆り出されました
何十万もの人々は
家を焼かれ
家族がばらばらになり
多くの命を失ったのです
すさまじい悲劇が起きたのです
地獄があったのです
私たちは
歴史を学ぶ中で
たくさんのことを知りました
知ろうとしないから
見えないことが
たくさんあることも知りました
自分たちの目を
しっかり開いて
くもらさないで
耳を良く澄まして
雑音と本物の音を聞き分け
心を鈍らさないで
回りに流されず
自分をしっかりもっていきたい
自分のことじゃないからといって
知らん顔をして
黙っていることはないだろうか
知らず知らずのうちに
自分で考えないで
人任せにしていることは
ないだろうか
自分の考えや
感じたことを
勇気をもって
言えているだろうか
これからも
自分のできることを続けることで
二度と戦争を起こさないように
平和について
考えていきたい