今年1月から11月までに警察が認知した刑法犯の都道府県別件数で、大阪が東京を抜いて過去最悪となったことが28日、警察庁のまとめで分かった。11月末時点で大阪が東京を約3万件も上回っており、年間件数でもトップに立つのはほぼ確実な情勢。
刑法犯の年間の認知件数は戦後、東京以外の都市が最多となったことはなく、数字の上では首都を超えて日本一の「犯罪都市」となった。ただ殺人、強盗などの凶悪犯は東京が大阪を約100件上回った。
警察庁は「車上狙いなど窃盗犯の増加が原因とみられるが、人口差からは意外な結果」としている。
東京の人口は現在約1200万人で大阪は約880万人。犯罪の発生件数は人口に比例するとされるが、大阪は約320万人の人口差を覆す格好となった。
警察庁によると、11月までの刑法犯は、大阪が約29万8000件で東京は約26万8000件。大阪が前年同期より約7万3000件増えたのに対し、東京はわずかに2900件増だった。
刑法犯のうち、大阪は車上狙いや自転車盗などが大幅に増えた影響で、窃盗犯全体が約6万件増の約25万4000件となった。東京の約21万8000件を大きく上回り、東京を抜く要因となった。
東京はピッキング対策などで侵入盗が激減し、窃盗犯全体でも約2200件減少した。
年間の都道府県別刑法犯の件数は、警察庁に統計が残っている1946年以降、昨年まで東京が常にトップで大阪は2位を続けた。
東京は57年から毎年、20万件台前半を維持。ここ10年間は25万件前後で推移し、昨年は約29万件に達した。
大阪は70年代半ばまで、東京のほぼ半数で推移したが、89年に初めて20万件を突破してからは高水準を保ち、昨年は初めて25万件を超えていた。〔共同〕
※解説・関連記事に「車上狙いや自転車盗――窃盗犯の増加目立つ大阪」を掲載
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