かがくののおと 2
エネルギー
化学で扱うエネルギーには,次のようなものがある.
力と 距離の積を仕事と呼び,これが力学的エネルギーである.単位は,J である.Jのデメンジョンは, (kg m2 s-2)
力の場で,力の働く方向に移動するのに必要なエネルギー.地球上では重力を扱い,原子の世界では,電気的な力である,クーロン力を扱う. いずれも式の形は同じである.
質量がある物質の間には,引力が働く (万有引力) .2つの物体に働く引力 F は,質量をそれぞれ m1 m2 ,距離を r とすると,
距離 r について積分すると,ポテンシャルエネルギーの式がえられる.
ここで,ポテンシャルエネルギーは,無限遠点を基準 (0 )にして,無限遠点から距離 rの点まで,移動するのに必要なエネルギーとなる (したがって負の値 ).
(地球上での近似)
電子は,負電荷を持っているので,正電荷を持つ原子核に対しては引力,他の電子に対しては反発力が働く.2つの電荷の間に働く力は,クーロン力と呼ばれる.クーロン力は,距離の2乗に反比例するので,電子が原子核から離れるのにしたがって,力の大きさは小さくなる.
より一般的なポテンシャルの定義
エネルギーについて,エネルギーの変化する方向に微分したもの
エネルギー場としては,重力場,電場,自由エネルギーがある.化学では,電場と自由エネルギーを扱う.
質量を持つ物質が運動しているときに持っているエネルギー.
運動エネルギーを表す式は,物体を加速したときの,距離の積分 から求めることができる.なお,
(参考相対性理論での運動エネルギー )
外部からエネルギーが与えられなければ,物質の運動が変化しても,位置エネルギーと運動エネルギーの和が一定で保存される.原子核の周りに存在する電子の運動も,エネルギー保存則を元に,量子力学的に解く.
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