El Proyecto(コシノ邸CGアニメ)


FallingWaterのCGアニメーション を作成したスタジオEtérea のWebサイトの作品集 に収められているもので、ショートムービーがある。El Proyectoといのはそのタイトルだ。英語ではThe Projectと言う意味のスペイン語らしい。2000年の作品。スペインのArtFutura2000での受賞作品らしい。

これは、PIXERへのオマージュだ。

製図台に備え付けられたアームライト。その動きはPIXERの有名な短編アニメーション「ルクソーJr. 」の卓上アームライトだ。蜂は「バグズライフ」。CGアニメへの先駆者への敬意を感じる。

それにも増して、30年前に建築設計製図の勉強をした者としては、芯ホルダーやえび茶色のロットリングなどの製図道具の懐かしさ。作者は同年代かな。

ドラフターの定規がスモークトで、その質感が見事に表現されているのもいい。芯ホルダーが描き出す線が、また、鉛筆描きの図面らしい濃く太い断面線。

そして、そこに横たっていた図面は、なんと安藤忠雄のコシノヒロコ邸だった。それが図面から線画のまま立体化したかとおもうと、あれよあれよという間にテクスチャーマッピングされて、情景も再現される。アニメーションで構造を表現しながら、地中に潜った建築空間をあらわし、最終的には地形と一体となった建築の外観を表す。のちに制作された落水荘CGは、この進化形だ。

落水荘のムービーをみて建築CGのプレゼン手法としても大変おもしろいと思ったが、実はこれほどのショートムービーを制作することができる凄腕CG作家だったのだ。

建築へのこだわりとCGアニメへのこだわりがこの作品を生んでいる。


水 - 2 月 27, 2008   11:35 午後