ヴェルディ:歌劇《椿姫》(ラ・トラヴィアータ)


ステロクがシャットダウンすると聞いて、あわてて探してみたオペラ映像。ラ・トラヴィアータは、ゼフィレッリの映画版のLDを持っているが、舞台映像をみるのは初めて。仕事のBGMとして聴きながら、ちょこちょこと映像をのぞく。

演出はゼフィレッリの映画と対極をなしていた。

時を現代にして、華美な大道具を廃したシンプルな舞台演出が、歌と演技に意識を集中させる。高さは10Mもあろうかと思われる大きな弧を描く白い壁、その壁沿いに腰掛けくらいの段がある。向って右側に大きな時計。その前に黒いスーツの男が腰掛けている。

前奏曲に合わせて、赤いドレスのヴィオレッタが黒い男に近づいて行く。男は時の支配人か。

一転して音楽が華やかになると、黒いスーツ姿の大勢の男たちがヴィオレッタを取り巻く。

ヴィオレッタが美しく、歌もうまい。誰だろう。この種のオペラは女性の歌声が命、美しく響く歌声を聴き続けたい。それに加えてこの美貌は、いったい何? 病死する女性とは思えないほどの健康美。しかも、半ばからは下着をイメージした白いワンピース。もう彼女の美声と美貌に夢中になってしまった。

オペラがこんなにセクシーでいいのかなあ。

アルフレードは映画のドミンゴの熱唱が気にいっているので、どうしても比較してしまうが、二人とも若々しくて映画版より現実味がある。

札束をなげつけるシーンで、泣けて泣けてしかたがない。
父親の仕業とはいえ、愛する相手の気持ちを誤解し、逆恨みして、最悪の態度。
ああ、なんと情けない。相手も自分も傷つく。

と、つい自分を投影してしまう。

もう一度最初から見直すと、初めの解説画面に映る背景は、ホーエンザルツブルグ城ではないか?
椿姫、ザルツブルグで検索すると、すぐに出てきた。この映像 でした。なんとオーストリア放送局がネット放送したらしい

どうりで素晴らしい。注目の歌手、演出家でした。
椿姫のDVD


2005年のザルツブルグ音楽祭のライブ映像。
ヴィオレッタ:アンナ・ネトレプコ(ソプラノ)
アルフレード:ローランド・ビリャソン(テノール)
ジョルジョ(アルフレードの父):トーマス・ハンプソン(バリトン)
カルロ・リッツイ指揮ウィーンフィル
演出:ヴィリー・デッカー

DVDが出ているようだ。欲しい。


土 - 3 月 1, 2008   10:58 午後