第35章 故障と自力での修理体験
石油ファンヒータ、食洗機、家電、レコーダー、カメラの分解点検掃除、修理 、漏水修理、コンプレッサーその他ヤフー中古など

故障修理とは”なんというせこいことで喜んでいるのだ”と言われるかもしれないが、とんでもない、これほど価値のあることはそうはない。修理できれば、経済的に助かるのはもちろん、達成の喜びが精神安定に寄与するし。分解観察により、構造の理解、、設計者のセンス、能力、考え方、までが明らかとなるだけでなく生産技術などまで、学べ、将来、何かを作る際にも応用ができる、極めて価値があることであるといえよう。忘れてならぬのは、修理成功の実績は隠さず、むしろ積極的にネットで公開すべきなのだ。ネットで多人数で共有すれば効果はさらに倍倍加していくからだ。


石油ファンヒータ

は便利で快適だが、すぐ壊れる、寿命が短い、といわれている。確かに昔の芯式石油ストーブは、炎が不均一になったり、臭くなっても、火がつかないとか、勝手に消えて使えなくなるような根本的トラブルはなかった。が、ファンヒータではそうでない、突然、点火不良や、強制消火に見舞われ途方にくれることが少なくない。筆者の経験では、これらはほとんどがマイコンが異常を検知。安全装置が作動しただけだ。
えてして保障期間内は何事も無かったのが、保障期間を過ぎたとたん不調となることが多く、修理を頼めば容赦なく高額の修理費をとられる。
本当は壊れたのでも寿命でもない。大抵チョットした掃除すれば治る類の故障だ。しかし外回りをいくら掃除してもまったく効果はなく、どうしても分解が避けて通れないのだ。残念なことに、今どきの取り説に分解のやり方なぞ載っていたためしがないどころかご丁寧にも分解は一切禁止とある。これに懲り。そのメーカーの製品は2度と買うまいと決心するのだ。筆者はこれまで多くの石油ファンヒータの不調に出会ったが。ほぼ100パーセント修理に成功している問題は、勇気、根性、”分解は自己責任で”という重圧に耐えられるかだけだ。ここに筆者の実体験メモランダムを特別公開しておく


OK-M53SXの故障と修理

我が家には大小とりまぜ7台のファンヒータがある。日立1台、シャープ(らくらくタンクに惚れた)6台。全てブンゼン式(注)。なのにシャープ、それもある1台、購入以来7年殆ど毎年のように故障に悩まされている。主な症状は着火不良、火力減少、消火、など。同じ灯油を使っているのに、トラブるのはこの機体(OK-M53SX)なのだ。(一番運転時間が長い
今年もやはりこの機体だ。使い始めて間もなく、E-0を吐いて勝手に消火する。火力が大きくならない、炎が安定しない。E-0は取り説によるとバルブサーミスタ異常、となっている。が、バルブサーミスタってどれ?取り説に記載はない。しかたなくサービスを呼び、修理依頼。しかし結局、現地修理はできず持ち帰ることになり、3日後修理完了納品、問題は解決していた。聞くと、気化器新品取替えたとのこと。取説にはこれに触れた記述は全くない。


OK-M40GXの分解修理

幸い今回は”購入以来毎年のようにトラブっている”と文句を言って、何とか無償修理に持ち込めたが、我ファンヒーター達もそろそろ10年。いつまでも無償という訳にも行くまい。このファンヒーターなるもの、自力修理できなければ安心して長期使い続けることは出来ないしろもののようだ。

そんなことから、勉強のため1台のシャープ機”OK-M40GX"を俎上に、分解修理を試みることした。こいつは最近少し調子を崩している(点火ミス、炎が黄赤っぽく、やや不安定)。こんな軽い症状でも直すとなると意外に難しかったりする、これが完全に直せるなら、たいていの修理は大丈夫だろう。直せないならファンヒータの修理はきっぱり諦めよう。
ちなみに取り説では、1)埃、2)水分混入、3)もちこし灯油、4)気化器の不良とある。もちこし灯油を意図的に使ったことは無いが若干の前年の灯油が機体に残っていることぐらいはあるだろう。で灯油を交換したが、もちろん直る気配さえ無い。気化器の不良を疑い本体機能にある空焼きクリーニングもやるが全く効果はない。

これが練習台のファンヒータOK-M40GX。 再組立のことを考え、デジカメ写真をとっておくのが大切。

一応燃焼するのだから燃料ポンプやバルブ類や電気系統やセラミックヒータにはも異常ないだろう。燃焼に問題があるのだから、燃料系統、特に燃焼室、気化器、気化したガスの吹き込み部分(ニードルやノズル)がくさい。

 第六感、気化器が問題と見て分解を開始、気化器は最も奥にあり、何もかもバラばらさなければアクセスできない、いやらしい構造だ。くじけそうになるが、やっと気化器を外した。案の定、外見上異常は全く見当たらない。問題は内部にあるようだ、バラせるところまでバラし(ニードルとOリングが燃えないように取り外してから)バーナーでしばらくあぶってエアーで吹き飛ばし掃除。
ニードルはカーボンで真っ黒だったが、影響するほどでもなさそうだ。Oリングは予備がないので掃除のみ)
燃焼用空気取り入れ口はガスコンロとほぼ同様のベンチュリ形式。フィルタもファンも絞りもないから掃除する所はない。燃焼室は少し変色、炎センサや点火プラグにも多少白い汚れがあるが問題ないだろう。

結果、気化器をバーナーでしばらくあぶってエアーを吹き込み、飛ばして掃除。ナントこれだけで復活。正常な燃焼炎(青白い正常な炎)を取り戻した。


2台目のOK-M53SXを再生---再現テスト

これだけでは結論とするには早計にすぎる。そこで、とんでもない賭けに出ることに。それはジャンク(シャープOK-M53SX)をオークションで落札、同様な方法で再生させるというものだ。こいつは”点火したりしなかったりで修理が必要です”とコメントがあり、こんなジャンクが直せるなら、どんなものでも直せるはず、入手できたので、早速動作確認したところ、やはり点火不良消火、火炎色不良。同じ症状だ。即、外装を外してみたが、予想通り、外見からはどこにも悪いところは見当たらない。掃除しても直らぬからオークションに出したのだろう。さらに分解し、前回同様、気化器の加熱処理、清掃を試みる。

気化器をバーナーで焼くと、予想通り、内部から、どろどろした真っ黒の液体が大量に噴出、着火、かまわず加熱。その後、エアーブロー、ニードル清掃、
Oリングを交換し、元通り組み付けた。    スイッチオン。   --------ポコポコポコ(電磁ポンプ)----カチャ(エアーブリード弁閉)--ガチャン(二ードル弁開)-ボン、点火!---炎色青白、安定、強火、弱火OK、室温コントロールOK、以後何度か点火消火を繰り返すもミスなし、一発で修理成功、これもやはり気化器の詰まりだったようだ。---その後2ヶ月以上ほぼ毎日使用しているが全く再発する気配もない。完全復活だ。


原因、メカニズム、対策

これら2件の故障の原因は揃って気化器不良(詰まり)だった。このメーカーのファンヒーターは気化器のトラブルが多いようだ。それにしても我が家は特別なケースではないハズ。同様なケースで苦情やクレームが大量にあったはずなのになぜ対策ができてないのだろうか。このメーカーの物づくりの姿勢(方針)には首をひねらざるを得ないのだ。 故障に至るメカニズムを整理すると;

気化器は分留器、一定温度で加熱、白灯油から揮発分のみを蒸発、ガスとしノズルから吐出、燃焼させる。一方この温度で蒸発できない不揮発分はどこにもいけず、気化器内部に濃縮スラッジ)となってどんどん蓄積していくことになる。1シーズン運転すれば、蒸発する灯油の量もハンパではないからこのスラッジもバカにならない
ハズ内部に蓄えきれず、ついにノズルから噴出していくことになる、これが点火不良、黄色火炎、炎不安定(灯油の突沸?)、でファンヒーター本体が異常検出、強制消火に至るのだろう。よく持ち越し灯油や、。不良灯油が原因だといわれているが、この不揮発成分が多いのだろう。これは灯油を気化燃焼するタイプの石油ファンヒータ(ブンゼン式)の宿命なのだ。

意図的に不良灯油を使うのならいざしらず、普通の灯油を2〜3年使ったくらいで故障するのは問題だ。メーカーは少々の灯油品質のバラツキにも対応でき、長期にわたって、安心、安定、して使える、余裕のある製品を販売してもらいたいものだ。それもダメな場合、せめて簡単にメンテナンスできるような構造にし、構造、トラブル回避ノーハウを公開するのが、メーカーとしての良心だとおもうのだが。

教訓


燃焼状態問題がある(点火ミス、火力低下、炎色不良等)ときはまず気化器詰まりを疑え

----注意事項-----

んなことでも”分解修理は資格のないものはしてはならない”という法律がある。らしい。言うまでもないが、分解修理は自己責任で願いたい。


その後、また1台故障発生(運転中突然シャットダウン

今回はシャープOK-30EVR、初めての故障。運転中突然勝手にシャットダウンするようになった。アラームなし。やはり気化器をバーナで焼いて掃除。修理成功


シーズンが終わって
上記4台のファンヒーターはその後、快調で、1シーズン使い終わってまったく再発はなかった

2シーズン目(H23)

シーズン初頭またもOK-M40GXが不調、隅々までこんがりで解決。

3シーズン目(h24)
(点火不良、赤火、消火)気化器詰まり
シーズン初頭からOK-30EVRが不調、点火不良、赤火、消火、やはり隅々までこんがりで解決

4シーズン(h25)
、腑分け)
またもOK-M40GXが不調となった。今回は隅々までこんがりだけでは解消しない。それにしても、こいつは詰まるのが早すぎ、再発多すぎ。これまで想像してきたことが本当に正しいのか?心配になってきた。そこで、内部構造を確かめるためこの気化器を破壊(2度と使えなくなる)することとした。気化器は、炭火で真っ赤にまで焼く(1000度?)とやっと完全にバラバラに分解できた。予想どおり組み立てはロウ付けだった。さらに気化器内部(気化筒)を見るために、切断砥石で縦に切断した。その写真が下図。

気化器の内部構造
気化器の内部は空洞ではなく、一本の硬い多孔質のもろいスポンジ状の中空円筒(軽石状)が入っており(分解中3つに割れている)バーナーで焼くとカーボンが燃焼、真っ白になった。おそらく役割は、液体灯油をガス化するまで一時溜め込み、突沸しないようにすることだろう。このスポンジの穴は非常に小さいから、タールですぐ塞る。そして一旦塞がると灯油は液体のままノズルに行き突沸、着火不良、長炎異常燃焼、過熱となり。シャットダウンとなるのだろう。直すにはこのスポンジ(気化器フィルター?)を交換すればいいはずだ、しかしフタ(上図)がロウ付けで、我々素人では手出しできない。だから隅々まで根気よくこんがり焼く。現状これしか手立てはないだろう。

(h25)
点火せず、石油臭い
ニードル
ファンヒーターの季節がやってきた。ファンヒーターを蔵から出してきたが4台の内、2台が調子が良くない。;点火せず(Eー4)が1台(OK-36V7C)、もう一台(OK-S32SR)は点火、運転には問題ないが、停止したあとやたら石油臭い。早速バラシ、これは気化器(ニードル)の問題だ。ニードル軸に硬いピッチがついている。これでニードルの動きが悪いのだろう。で、ドライバーの先でかじりついたピッチをガリガリ擦りとる、結果、無事解決。”点火せず”はニードルが固着、電磁力では開かなかったためで、”石油臭い”はニードルが締まりきらなかったのであろう。同じような原因でも出る症状が全く逆なこともあるのだ。これにて1件、いや2件落着。その後またも別の1台(OK-36V7C)が、消火後やたら石油臭くなった、で、バラシ点検、やはり気化器(ニードル)の問題だった。ニードルを掃除して解決。ニードルのトラブルも多いようだ。

6シーズン目(h27)
火力減退、給油ポンプ
OK-M53SXが調子がわるくなった。炎が赤い。少し火力が下がったように感じる。給油ポンプとみて、圧縮エアーで燃料ポンプ内部を吹き、燃焼テスト、直った綿埃でも詰まっていたのだろう

火力減退給油ポンプ
親戚が使っているファンヒーター(三菱電機製 KD-D323)を持ち込んできた。症状を聞くと、調子が悪いから廃棄する。とのこと。どんなに調子がわるいのかさっぱり要領を得ない素人はこの程度の認識なのだ。火力が弱いようだ。燃料系統とみて、分解、明らかに燃料ポンプのサクションフィルターが詰まっているのを発見。エアーで掃除、燃焼テスト、正常、直った。

石油臭 (ニードル
今度はOK-36V7C、シャットダウン時やたらに石油臭くなってきた。ニードルバルブ閉止時の気密不良と予想し分解。予想どおり
ニードルスプリングの固着ニードルの途中にスプリングがついていて伸縮するようになっているが、ここがスス等で固まったため、消火時、密閉性が悪くなって臭いがきつくなるだ。気密テスト(エアー吹き込み)OK。結果、臭いはなくなった。が今度はH-3エラーで強制シャットダウン頻発。掃除時CRC5-56を吹いたのが原因か(5-56にはシリコンがふくまれている?)炎センサーが問題と考え、ペーパーで磨いた、あたり。直った

給油ランプフロートスイッチ
またも、くだんの親戚が古いファンヒーター(シャープOK-L30X)を持ち込んできた。こいつは、楽タンクではなく給油タンクをひっくり返す旧式。15年選手。給油ランプが点いたり消えたりとのこと。灯油リザーバータンクのフロートスイッチの不良とみて。フロートの外周りを掃除するも効果なし。フロートの動きはわるくないようだスイッチ(たぶんリードスイッチ)そのものが悪い。フロートスイッチのアッセンブリ交換できればいいが、なにせ15年選手だし、ここは田舎だ。部品が入手できるか?。なら、本体内部のリードスイッチを取り出し、新品リードスイッチと取り換えるしかないだろう。しかし古いスイッチをどうして取り出すか?樹脂が封入されていて、分解できない。もしフロートスイッチのケースまで壊してしまえば面倒なことに。しかし手はあるものだ。旋盤につかみ、ドリルで穴を開けるのだ、リードスイッチをばらばらにして取り出すことができた、出来た穴に手持ちのリードスイッチを押しこみ、ホットグルーで固定、フロートを動かし導通テスト。良好なのを確認。元通り灯油リザーバーに組み付け、テスト:良好。直った。。。すこしやっかいだったがなんとかなった。

7シーズン目(h28)

点火不良給油ポンプ
OK-M53SXがある朝突然全く点火しなくなった分解、点検。燃料ポンプからのポコポコポコの音がない。エアーで吹いても効果なし、予備機のポンプと交換、正常になった。後に取り外したポンプをバラし、針金で穴掃除、エアー吹き込み、無事復活 原因はホコリのようだ

点火不良気化器サーミスタ
OK-30EVRの点火ミス続発今回は隅々までこんがり だけでは完全に治らない。いよいよ寿命か。2度点火すれば着火できるので我慢できないこともないが。
後日、予備機の気化器のサーミスタを移植したところ点火ミスはなくなり正常動作となりこのサーミスタが原因のようだ。経年劣化かも?気化器の温度が上がらない内に、マイコンが規定温度に達したと判断、点火動作に入り、ニードルが開くため、生灯油が噴出、点火出来なかったものと思われる。しかし部品購入は無理


食洗機の修理ファンヒーターではないが、同じ家電の1つとしてここに掲載しておこう。


我が家の食洗機、2003年購入(ナショナルNP-50sX3)。が最近というか、購入3年目位から水漏れがするようになった。もちろん運転時。といってもザーザーとかシューシューではなくポトリ---ポトリだ。少ないといっても食洗機の下はいつもグッショリ、流しの上だから実害はないがなにより気分が悪い。すでに10年超え、修理代もかさむだろうから買い換えるか、と電気店を回ったが最新型もかわりばえせず、出費にともなう喜びが感じられない。捨てるのなら、壊してもおしくないと、自分で分解して確かめることにした。結論を言おう。治った、完全に。原因は、食器の洗いカスがパッキンの回りにコッテリ、これが悪さをし、壁を伝ってプールに戻るべき水滴がせき止められオーバーフロー、扉やケースの隙間からもれることが原因だった。分解、パッキンを取り出し掃除、パッキン溝をエアーで吹き飛ばし元どうりにして、水かけテストOK。パッキンの表面の掃除は取説にはあるが、パッキン裏のカス(ヘドロ)掃除までやれとは書かれていない。実はこれが最も大切なはずだが、これは躯体をばらさなければ出来ない作業だ。取説にはご丁寧にも絶対分解しないでくださいとある。しかし食洗機に限らず殆どの故障は、バラさなければ治らないのだ

其後1年、
この食洗機がまたおかしくなった。症状はこうだ。洗浄、水洗工程に入るとかなりの確率で全ての工程表示ランプがパカパカと点滅しはじめ、給水、排水を繰り返し、電源ボタンが全く効かない。この症状は初めてだ。しかしネットでみると同様の故障は結構多い。これは構造上の欠陥だろう。早速フロートスイッチを分解点検するも一見しての不良箇所は見当たらない。各所汚れもない、とりあえず掃除したところ一時治る。が、すぐ再発。信号線を取り出し、再現テスト、問題はやはりフロートスイッチのようだ。
フロートスイッチの動きが悪くなり、水面が高くなりすぎ、水面が泡センサーにさわり泡発生と同じ症状を呈するようだ。フロートが軽すぎ、外乱(汚れ等)に対する裕度がないのだろう。再発防止には余裕が必要と考え、フロートに塩ビ管をかぶせ、重く、大きくした、そのご再発はなくなり正常に使えるようになった。

其のまた1年
同じ症状が再発、分解して、点検。フロート室も汚れていない。前回の分解時、フロート室を開けたが電極は外れなかったため、完全な掃除ができなかった。のが良くなかったのか、電極スイッチの感度の経年変化かのしれない。(15年選手) これの役目は泡の検出のようだが、当方泡の発生する洗剤は使ったことがなく、トラブルに見舞われたことはない。で今回はこの電極の配線をはずしてみることに。 と、なんの問題なく使えている。パカパカと点滅の再発もなし--

なことから新たに食洗機をかった。(ガラスコップの落下頻発)
panaのNP-TR7という機種だ。性能は前機種と大差ない、やや静粛になったのは進歩だが、庫内がすこし狭くなっているのは改悪。マーこれは許せるとしても、最大の改悪は一般的形状のガラスコップが安定して置ける場所がなくなったことだ。つまり、ガラスコップはひっくり返しておかねば洗えない、上面は狭くできているし、底は重くできているから不安定になる。なのにトレーは凸凹があるので極めて不安定、そのためトレーの出し入れのたびに、何度もコップは転げ落ち、欠け、破れ、廃棄。新品購入、破損、のくりかえし。なぜこんな改悪をしたのか、理解に苦しむ。(結局落下防止のためバー(4φsus)をトレーに溶接して使ってみることとした。以後コップの落下トラブルは皆無となった。


DVDレコーダーの修理
これも家電だが、我が家の地上デジタルの録画に使っているパナソニック録画機(DMR-XW320)が突然故障した。(購入5年目)故障が少し早すぎないか。故障はDVDドライブのようだ、電源ONや、DVDをいれると、アクセス音が4回+1回して、”No read”DVDの再生、録画ができない。一方HDDは全く異常がない。レンズの汚れとみて、シャーシー上カバーを外し、レーザーレンズをみるがさほどよごれていない。アルコールで清掃したが、やはり治らない。ネットで情報を集め、DVDドライブを換装すれば治る可能性が高いと判断。当方のXW320は現状DVD型番は”VXY2009”だが、1996”や”、2013”で代用できるとの情報を得た。ドライブの入手方法がわからないので、ヤフオクでこれの搭載されているレコーダー(DMR-XE1)を落札した。DVDは2013だった。早速故障ドライブと換装。結果失敗、一見問題なく動いていたが、AVCRECで記録したDVDの再生だけができなかった。(通常のDVDは問題なく再生)。残念。その後、VXY2009の入手(新品1万円)ができたのでこれと換装した。結果AVCRECはもちろん読み書きにも全く問題なく。完全に治った。修理完遂。

パソコンのDVDレコーダーもトラブルが多い。レーザー関係が多いがこれはクリーニングくらいではなおらないからあきらめるほかない、次に多いのがトレーの出し入れで、ベルトのスリップが大半の原因だ。ベルトの経年劣化で伸びが原因とされているが、そうではなく、ベルトのグリス汚れも多い。ガソリンで拭いただけで完全に治ったこともある。


筆者はよくヤフオクに手を出す。たまにしか使わない道具にプロ用、新品を買うなど素人の我々がやるべきことではない。中古や中華で十分だ。大抵問題なく使えるのだが、たまに激安に手を出し故障品を掴まされあわてることがある。正直に故障ジャンク表示してあれば買わないが、ジャンクの表示がなければ、つい手がでる。表示にいつわりがあれば、送り返せば大抵返金に応じてくれる。が送料や手間のムダだ。そこで返送の前にバラしてなおせるものは、直してみる。実際、笑ってしまうほど簡単な故障も多い。その2,3例、

耕うん機(リョービRCV-330)¥8000(定価¥90000);

見かけはとてもキレイ(そういえばスパーク飛びます。リコイル正常とあった、が、どこにもエンジン始動できました、はなかった)まー、ガソリンがなくテストできなかったのだろう、ぐらいに考え、入札、無事落札。届いてみると外見は新品みたい。ガソリンをいれリコイルを引いて、、、、レレレレ、ナント、何度リコイルを引いてもかかるどころかプスともいわない。点火系統か?燃料系か?圧縮系統か?はたまたエンジンがダメかも、もしそうなら、手に負えない、大損だ。不安がよぎる。気を取り直して。プラグを外して、リコイルを引くと。スパークする。ガソリンのにおいもする。正常のようだ。ならなんでかからんのだ?お手上げだ。しか---し、よ〜く〜見回すとナント排気ガスの出口が見当たらない。ではなく排気口に何かが詰まっている。これが原因かも、ドライバーの先で掃除、リコイルを引くと、一発でエンジン始動、スロットルも正常。直った。前オーナー、そこらでひっくり返ったひょうしに排気管に泥が詰まり、エンジンがかからなくなって、あきらめ手放したのだろうか?いいただき♪〜。


エプソンスキャナー(GT-9400UF)¥4k(定価¥50k);
これも見かけはとてもキレイ。電源は入るが、ランプ点滅、まったく動かない。取説では、この症状はメーカーに修理依頼せよとある、当然保証切れだ?どーする、----よ〜くみると、タイミングベルトテンショナーの格好がおかしい、よくみるとプラのステーが折損している。--アルミ板を曲げ代用品作成、取り付け、 以後問題なく快適に使用中。大きなボデーから小さな突起を一体整形してある。こういうところは異物や気泡のたまり場になりやすいのだ。設計者の常識不足。


壁中の水道水の漏れを直す
これは機械の故障ではないが、家庭インフラの不具合。
時ならぬ電話。何事かと出ると水道検針員から。漏水があるようですだと。あわてて水道メーターを確かめると、パイロット(というらしい)がごくゆっくり回っている。調べると水量は〜100CC/分くらいのようだ。これはポタポタ程度だ。昔はこの程度はメーターが不感知だったから、水を貯めるのにポタポタ程度にすれば得だ。と言われたこともあったが、最新のメーターは驚くほど優秀でこんな少量でもガッチリ検出、できるのには驚いた。そして料金をばっちり取られる。

個人の財産とかなんとか、漏れ箇所を調べ、修理するのは全て我々ユーザーまかせとなっており。水道局は一切関知しない。ただし漏れた分だろうがなんだろうが、容赦なく水道代を取り立てることとなっているらしい。しかも料金は逓増制、ほんの2〜3割の増えただけだと油断していると、請求金額は倍増、泣きの涙。

水のユーザーは素人なのに、漏水した分まで水道料金を、我々ユーザーに全額負担させるのはあんまりではないか。(指定業者を通じてから申請すればいくぶんか割り引いてもらえるらしいが、漏水遮断機(のようなもの)無償で設置して貰いたいものだ。

電気の場合、断線は電気代には跳ね返ることはないし、短絡はブレーカー、漏電も漏電遮断機で防いでくれる。一方水道はそんなものは一切ない。
特に寒冷地では水道管破裂(漏水)は日常茶飯事のことだから。深刻な問題なのだ。

それはさておき、どの程度の損失になるか?我が家のケースについて概算してみると漏水は100x60x24x30/1000/1000=4.320M3/月となる。この単価は約¥400だから¥2000/月程度の負担増になる。ポトリポトリでこれだから、だれでも気がつくシューシューならすぐ万のつく金額になる。ポトりポトりがいつシューシューになるか。しかも漏水が発見される検針は2ヶ月に1度しかない。猶予はない。

さて、それでは漏水はどうしてみつければいいのか、もちろん自治体は一切関知してくれない。全てユーザーの責任だ。シャーと盛大に漏れているのなら、誰でも分かる、しかし、我が家のケースでは、ポトリ、ポトリ、だ。試みに水道管に耳を押し当ててみたが、全く音は聞こえない。音がダメなら、濡れたところを手や、目で探すしかない。?もっといい方法がないかとネットを調べるが、出てくるのは例によって”専門家(指定業者)に頼め”だ。値段は調査だけで40,000円〜だ?これでは自力、我流でやるしかない。


やり方は

土を掘り返して、埋設配管(塩ビ管)(母管)を掘り出す、1)元栓を閉じ、母管を切断、上流管にプラグを打ち込み、水を遮断、家中の水栓が閉じられていることを確認して、元栓を開ける。2)水道メーターのパイロットが少しでも動き続けておればこの切断部分より上流(元栓側)に漏水箇所があるはずだ。パイロットが止まっておれば、上流には問題はなく下流だ3)切断したところをソケットとエスロンで復旧してから。4)さらに下流又は下流側に同様の作業を根気よくくりかえせば、いつか漏水箇所は見つかる。

原理は簡単だが実際は配管が壁や床に埋設されているから、コンクリートをハツり、土を掘り返し、片付け、これは、道具があっても、実に過酷な作業だ。筆者のケースでは、建物(風呂場と洗い場)の床下に配管(母管)が埋設されていて、この場所に漏水箇所があることが分かった、だが建物や壁が邪魔で、これ以上母管(主管)にアクセスすることすら出来ない。オー・マイガー。


仕方ないこの部分の母管を別ルートに引き直しここの分岐管を全て新しい母管に繋ぎ直すしかない?(バイパス)。それで壁をハツリ、全ての分岐管(4箇所)を裸にすることに。やりはじめて2カ所目、筆者のケースでは風呂場の壁(ブロック)に埋設された蛇口に接続した配管にヒビがあることを発見した。この配管は、ブロックをくり抜き、保温材で巻かれた後、モルタルで塞がれ、反対側はタイル貼り。水漏れがなかなか発見できなかったわけだ。

場所が完全に特定できれば、直すのは簡単。破損部分を撤去、新しいパイプにソケットとユニオンとエルボなどで取り替えるだけ、費用は1000円以下、正味修理時間は僅か5分。原因は凍結破損であろう。


ヘッジトリマーの修理

庭の植木の剪定用にと買ったトリマー;ナショナルEY3300、だんだん切れなくなってきた。買って十年、普通なら寿命とあきらめるとこかもしれないが使用頻度は僅かだから納得できない。替刃を探す、しかし生産中止、在庫なし、ナント買えない。しかーしあきらめない。こうなれば本腰をいれて修理するまでだ。

本当の原因を確かめる。まず疑ったのは刃の鈍化、研いでみた。効果はない。よく観察すると、細い枝は問題なく切れる。切れ痕もシャープだから刃の問題ではなく原因は他にあるようだ。分解、点検の繰り返し、カムも減っていない(ノギスで測定)。---と--カムガイド(2枚の長穴のメンタ)が少し曲がって横から見るとの字になっているのが気になる。ハンマーで叩いて直せばいい。しかし直らないのだ。鋼で出来ていて、間隙は2mmくらい。叩くと、弾性で曲がり互いに当たって、修正できないのだ。分解すれば簡単に修正できるだろうが、刃はガイドにカシメてありこれ以上バラせない。困った。

しかし---
。曲げる方法を思いついた。カムガイドの根本に3MMの番線をむりやりはさんで逃げないようにし、脇をハンマーで一撃したら一発で曲がり、並行がでた。まさにコロンブスのたまご。
効果は劇的;それまで3φの枝がやっとだったのが、10φでもらくらく切れる用になった。原因は、太い枝を噛み力が掛かった時、くだんのカムガイドが曲がっているため、カムからはずれ、空回りになったからだ。


一輪車の空気漏れ修理

我が家では一輪車は必需品。庭は土や石ころが多く、通常の台車では役に立たぬ。しかし毎日使う程でもなく、1ヶ月で数回程度だ。困ったことにいざ使おうとした時、まず100パーセント、タイヤの空気が抜けている。もちろんパンクのように急激に空気が抜けるわけではなく、空気を入れれば数時間は使える程度。

虫ゴムとみて、替えてみるが、あまり好転しない、相変わらず、使う前に空気を入れなければならない。これは普通の自転車のタイヤと全く同じ構造、今時自転車のタイヤが1月やそこらで空気が抜けるなぞ、ありえない。ネットをみると同様の書き込みが多く、治らないと諦めるのか、ノーパンクタイヤに交換で解決。とある。当方も一部ノーパンクに代えてみたが、やはり重い、固い、走行抵抗が大きい、と使い心地がいまいち。この空気漏れは安物の中華製(しかない)では仕方のない現象なのだとなかば諦めてきたが。原因がわからないのはなにかくやしい、と、今回本腰をいれ原因追求に取組んだ。

結論原因はやはり虫ゴム関係だった(チューブは問題ない)、しかし虫ゴムそのものではなく虫ゴムが接する穴や当たり面に問題が有るのだ。思うにオリジナルのタイヤの虫ゴムは、品質が極端に悪く、経年劣化が非常に早い、悪いことにこれは劣化するとネチャネチャになり周りの金物(穴)に癒着、虫ゴムを交換しても、破片が周りの金物に、のこってしまうのだ。さらに金物も腐食。これらのため、虫ゴムを入れ替えても当たりが悪く、空気もれが起こるようだ。穴と当たり面を、5mmのドリルで軽くさらえてやる、と、これだけで、以後空気漏れは格段に減った。こんなことにならないよう購入した時、即、虫ゴムを交換して置くのもテかもしれない。


カメラのカビ・掃除

カメラのレンズにカビが生えた。(Canon EF-S 18-55mm usm)生まれて始めての経験だ。カメラはKISSデジ、最近の写真は気のせいかなんとなく黒の締りがよくないなー、なんだか白っぽい。マー買って10年以上だからかと放置していたが、ある日レンズを明かりに透かしてよく見て驚いた。蜘蛛の巣状。これはカビだ。考えてみるとここはマッタケの産地、カビが生えてもおかしくない。生えている玉(レンズ)が表面や裏面であれば、とかすかな望み、しかし現実は無情、中玉、それも絞り付近。これでは分解掃除しかない。やり方を早速ネットで検索、しかし出てくる情報は例によって”壊すぞ、触るな、専門家、メーカーに頼め、もしくは買い換えろ”ばかり。こんな答、誰が要るものかバカタレ。頼むのならハナから調べたりするか。欲しいのは経験談だ。ネット汚しメ!!!。しかしそのなかに幸い自力でクリーニングに成功したレポートを発見。これに後押しされ、生まれて始めて、分解清掃に挑戦してみることとした。
結果は成功、素人(経験皆無)でもネットがあればなんとかなるものだ。カビはちょっと綿棒でこすったくらいでは取れず、クロスでかなりの力で押し付けこすらねばならなかったが、傷もつかず、ほぼ完全に除去できた、以後、正常な映像が撮れるようになった。。。分解は、部品やネジを外すときはその前後で各一枚必ずデジカメで撮影しておくこと。ヘリコイドやズームリングの分解がキモ、分解する時、外れる瞬間の位相をマークしておくこと(白マジックがいい)。そうでないと再組み立ての際、組み立てられなくなり途方に暮れる。。工具は精密ドライバーとピンセットくらい。それにしてもなんで、こんな奥まったところにカビなの?メーカーさん、簡単に掃除できるように工夫して欲しい。

メーカーよ他社がやってないからこれでいいのだではダメ。実際、悪くなったら捨てて、買い換えるしかないようにするのが、最近のメーカーのトレンドのようですが、これが利益になるとでも、お思いでしょうが?そうはなりません、ユーザーはおたくの製品を避け買わないようになるだけです。こんなことがメーカー経営者たるもの、わからないのでしょうね。

その後 canon EF50mmF1.8にもかびを発見、分解掃除を行った。このレンズはオールプラスティツク製、外観ねじが使われておらず、どこからも手を付けていいか見当もつかない。幸い海外のu-tubeにやり方を発見。無事成功した。なんとAF/MF切替スイッチが両面テープで留められており、これを強引に引っ剥せばネジが現れるのだ。


 丸型LED蛍光灯の故障(2016/10)

風呂場の20W蛍光灯がチラチラしてきた。寿命だ。これに特段不満があるわけではないが、グローランプ式だから、点灯までにやけに時間がかかるのだけが不満。この際だからと、LEDに替えることとした。国産はないので、 Madein China 。交換は簡単。単にグローランプを外しソケットをつなぎかえるだけ。明るい。瞬時に点灯、これはいい。とよろこんでいたが、それからわずか2ヶ月、なんだか暗くなったようだ。と一部不点灯のユニットがあるではないか。早速ネットで調べるが、電源回路不良が多いとか、コンデンサーとか?症状から見て、そうではなく、断線のようだ。ハンダでもはずれたのでは?分解するしかない。-----原因判明。断線。1ユニットへの電力供給線(.5くらいの裸線)が断線していた。こんなものがなんで断線するのだ?さすがChina品質恐れ入る。あらたなリード線をハンダして、直った。


コンプレッサーの故障(エアー漏れ)(2016/11)

コンプレッサー(DIY用中華製2HP)が止まらなくなった。2Kg以上圧力が上がらない。原因はエアー漏れ。シャーというエアー漏れの音がコンプレッサープレッシャースイッチのあたりで聞こえる。プラスティックのクラックならあきらめるしかないが。早速ググるものの同様の症状は見つからない。仕方なくやみくもにバラす。分解してはじめて意外な原因が判明。プレッシャースイッチのダイヤフラム(ゴムシート状)の破裂だった。残念ながら、ダイヤフラム単独の購入は出来るまい。試みに、以前パンク修理にと自転車のチューブを残したものを代用してみることに。ハサミで整形、これに交換、以後問題なく運転できている、そのごプレッシャースイッチアセンブリがamazonなどで安価(¥1500〜)に入手できることが分かったので念のため購入交換結果OK

エアー漏れその2(2016/12)
今度は別のコンプレッサーが調子が良くない。やはりプレッシャースイッチあたりでシューとエアー漏れしている。早速プレッシャースイッチをばらしてみるがどこにも異常が見当たらない、プレッシャースイッチに行っている配管(ブリード管)を外すとエアーが常時少量漏れている、原因は逆止弁だ。
バラシて確かめる。特に異常はないがゴム(樹脂)パッキンに段差が出来ている。これが悪さをしているのだろうとペーパーでけずり真っ平らとしたが、まだ少し漏れる。バネが弱ったのか(ネット情報)とバネの元に4mm程度のパッキンをスペーサ代わりにかましバネを強くしたところ、完全にモレは止まった。しかしこんどは最高圧近くなるとなかなか圧が上がらなくいつまでも回っている。副作用だ。結局ゴムが当たる相手(弁座)金属をペーパー(800#)でみがいたところ(スペーサーは撤去)完全にエアーモレは止まり正常運転ができるようになった原因はごみか、弁座の腐食だったようだ。

エアー漏れその3
24章で紹介した静音コンプレッサーの調子が良くない、症状は;ロード時間がやたら長い。ピストンリング(uカップ)が摩耗したようだ。これはゴム(プラスティック?)でできている。取替れば治るはずだが、なにせ中華だろうから、どこで部品を買えるか?がさっぱりわからない。結局中国のアリババから直接輸入することにした。納期が2週間と長い他特に問題なく入手出来た(結構安価)交換後快調に使えるようになった。



JUKIコンピューターミシン、HZL-008〜010の現状品の故障と修理実績

ジュータンの滑り止めのためマジックテープが最も良さそう、と、マジックテープをかってきた、が接着ではすぐ剥がれるため、縫い付けることにした、しかし普通のミシンではジュータンが硬いわ、大きすぎるわ、回せないわ、で縫い付けるだけで大苦労、苦労した割に出来栄えも良くない。
横送り、逆送りさえ出来れば簡単なのに。長い歴史のあるミシンだから、そのくらい出来て当たり前だろうと調べるが、驚いたことにこんな簡単なことさえ出来るミシンがない。やっと見つけたのがJukiの刺繍ミシンHZLシリーズだった、しかし現在は生産されていない、新品は当時の値段が30万円以上と超高価、とても、マジックテープくらいで、買えるようなしろものでなかった。こんな時にはヤフオクジャンクなら100分の一以下で出品されているかも、一つ騙されてみるか。

HZL-008〜010はJukiの家庭用最高級刺繍ミシンとして開発販売されていたミシンで現在は生産されていない上、これより上のミシンは以後作られてない。現在中古として12万〜5万で流通しているが、ジャンクとして売られているものならナント2〜3千円のものもある、しかしジャンクは部品が取られたり、修理不能と修理屋がさじを投げたものもあり、手を出すのは、どうも、だが、現状品(通電確認しました)のなかにはヒョットしてなんとかなるものも混じっているかも、と淡い期待で買ってみることにした。

jukiのこのタイプのミシン、(コンピュータ刺繍ミシン)はコンピューターや液晶が未発達だった時代でもあり、液晶の故障・トラブル(要修理、調整)があったようだ、しかしjukiらしく機械的な故障は殆どなく、チョットで治れば、修理後の性能はさすが一流ミシンメーカーらしく文句なしなのだ。
筆者の経験では、ヤフオクで現状品(電源ONのみ確認しました、他は調べていません)とあるも、ほぼ全て何らかのトラブルがあったのだ。
1台目(HZL-009);
ほとんど正常のようだったが、なぜか
症状1;時々ピーと警報音がして、止まる。ハズミ車を回すと一方の回転がやたらに重いことが分かった。分解して確かめる。
原因;モーター軸とメタル(含油メタル)の間にホコリが焼付き、回転が重く固着寸前。
解決方法;モーターを取外し、モーター本体を分解、軸のメタルとの接触部分に付いた粘着物をかきとり
給油。正常になった。含油メタルのようだが、ホコリが多いところでは、無給油では無理があるのでは?しかも分解しない限り、給油できない構造なのだ。
症状2;この後液晶のタッチにずれがあることを発見、再度液晶のケーブルを取り外すはめに。しかし分解に失敗ジャンクになった、液晶のケーブルは印刷で導線が作られていて非常にデリケート、コネクターのロックを外すのを忘れたため1発断線。配線は印刷のようで、ハンダもきかない。補修不能。

2台目(HZL-008N):
症状;液晶が暗い。そのうちなにが表示されているのか分からなくなった。タッチパネルの応答も悪い。原因;液晶の明るさ調整ボルームにガリが発生。急に明るくなったり暗くなったりするようだ。
解決方法;ボリュウムに接点復活剤を噴射。念のため液晶をメイン基板から外しコネクターに接点復活剤吹付。正常化。ホコリと振動が多いところだから仕方ないのかも。後日ヤフオク処分

3台目(HZL-009)
症状;ボビンケースで糸が絡む、自動糸切ができない
原因;ボビンケースの小さな突起が曲がっており上糸が引っ掛かる。主軸とカマとの位相ずれがちょうど180度あり、
整備した人間の整備ミスだろう。縫うのはぬえるが位相ズレのため自動糸切りが使えない。これではこの機種の最大の特長が生きない。
解決方法;上記原因を突き止め、取り除き、正常化。原理の分かってない者が触って、結局、かえって悪化、ジャンクとなったようだ

4台目(HZL-009S)
こいつはSがついていて009シリーズでは最も新しい型だ、日焼けもなく、見てくれはよく高価(¥6000)だった、しかし検品すると、布押さえ、針保持器、カマ欠品、糸通し器部品欠損、ヤフオクの写真をよく確かめなかったのが悔やまれる。分解して治らず。放置していたようだ。完全ジャンク、程度が悪く。とんでもないものを引いてしまった。

症状1;針がカマ板の前部に当たって一発で折れる。一針も縫えない。テストもなにもできない。
解決方法;カマと針のギャップを調整するロックネジを探し当て、弛め調整、正常化。
症状2;針がカマ板のサイドに当たって折れる(ジグザグ方向の)
解決方法;ジグザグ用モーターの連結棒に調節用偏心ワッシャーがあった。調整。
正常化するのに、苦労の連続。えらい目にあった。正常化後ヤフオク処分

5台目(HZL-009)
ボビンとボビン蓋が欠品していたがまずまずの機体
症状;  液晶は表示は正常だが押す場所と反応する場所が一致しない。
解決方法;外殻割り、液晶パネルをメイン基板から外し、コネクターに接点復活剤を一吹、これだけで、ナンと正常化。後日ヤフオク処分

6台目(HZL-010)
外見は日焼けも少なく付属品の欠品も殆ど無く、上等、しかし相当重症。

症状1;  液晶が全く見えない。反応も悪い
原因と解決方法
幸いこの機種は液晶の明るさ調整つまみがケースを殻割りしなくてもよい位置に設けてあり、回すとクリヤーに見え、反応も良好となった。

症状2;  縫い速度の変更が全く効かず、いつもTOPスピードでしか縫えない。
原因と解決方法
殻割り、速度調整用ボリュームを取り出し解体、ナントこの速度調整ボリュームのカシメ部の導通が無かったのだ。
カシメ部分を導電ペイントで盛り、乾燥、正常となった。本当の原因は振動とホコリだろうか。

症状3;
自動上糸通しが不調。
フックとカバーが芯が合っていない。糸ホルダーが少し曲がって接触圧力が不足していたことが原因。調整後良好

症状4;
フットコントローラーが効かない
殻割りし確かめたところ、フットコントローラー&カード用のコネクタが外れていた。組立時の当方のミス。コネクタを繋いで解決
症状5;
刺繍時、時々下糸と上糸がからんでダンゴになり重くて回らなくなったり、針が折れることがある。
原因と解決法
刺繍枠が長方形のため薄い布は強く張ることが出来ない。ため同じところを縫い続けるため。009はこんな場合でも安定している。
下糸の張力が安定しない、分解してみると意味不明のシム板が出てきた。前任者または修理屋がボビン張力調整のためシムを入れていたようだ、取り外して、バネ板を少し曲げて修正。以後良好。

安定性ではHZL-009が抜群だ。010はなんとなくこの面でやや劣る。上糸、下糸通しとも全自動なのは魅力だが、全体的にやや熟成度が低いように感じる


白光のヒーティングガンの故障
ハンダ付け、塩ビ管の拡大、シュリンク処理、などヒーティングガンは大活躍だが。それまで調子良かった白光のヒーティングガン白光NO.881が故障した、症状は熱風が出てこない。すわヒーターの断線か?分解して点検するしか、結果、原因はそうではなく、スイッチも正常のようだ。よく見ると、ナント、スイッチの取り付けブラケット;本体の殻の内側に生えている、が割れて取れている。ためスイッチがズレ外れかけ、切替ノブの動きが少なくなり、ヒーターONの位置まで動かなかったためであった。---スイッチが動かないようビスを付け、修理終わり。日本の一流メーカーなのに、ダメだな。プラスティック整形の歪が考慮に入っていないのだろう。設計強度不足。