プラド美術館展

スペイン王室コレクションの美と栄光

フランスのルーブル、ロシアのエルミタージュと並び世界三大美術館と呼ばれることもあるスペインのプラド美術館。 その前身は、ハプスブルグ家とブルボン家の流れを汲む、スペイン王室のコレクションです。 今年の春に、ニューヨーク近代美術館展という大物展覧会を見逃してしまったウッキーとしては、まだ1ヶ月以上会期が残っているけれど、また行きそびれてしまいそうで心穏やかではなく、早めに出かけることにしました。

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美術館の収蔵品の特徴は、やはりスペインを代表するベラスケス、ゴヤ、エル・グレコの作品が充実していて、16世紀〜19世紀の作品が中心だそうです。 今回はその中から47作家の77点が紹介されました。 ウッキーの印象に残った作品をいくつかピックアップして紹介しましょう。

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左の写真は、ムリーリョの「善き羊飼い」という絵です。 羊飼いの少年はイエス。 子供とはいえ、実に聡明で落ち着いた様子に描かれていて、印象に残りました。 右の絵も同じくムリーリョの「無原罪の御宿り」です。 中央のマリアが、悪魔の象徴である月を踏んで立ち、天使に守られて光り輝いているという神々しい構図。 ムリーリョは17世紀スペインを代表する画家ですが、和やかな表情の人物を描く人です。 

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左の写真は、ベラスケスの「セバスチャン・デ・モーラ」。 若くして宮廷画家の地位を極めたベラスケスは、王族の肖像だけでなく、宮廷に仕える様々な人々も描きました。 これもその一枚で、宮廷に道化として仕えた矮人を描いた絵です。 小さな体で、手も足も不自由なようですが、自分の尊厳を誇示しているような表情にみてとれます。 ベラスケスの人間観が滲み出ているように思います。

中央の写真は、ゴヤの「巨人」。 有名な絵ですね。 もっと大きな絵かと思っていたら、そうでもなかった。(116×105cm) 戦争で逃げまどう人々や動物達の上に、巨人が描かれています。 巨人の解釈は諸説あって、定説は無いようです。 それにしても、ウルトラマンが立ちはだかっているようで、変わった構図だ。 今回の目玉作品のひとつです。 ゴヤの絵では、チケットに描かれている「日傘」と言う絵も見応えがありました。

右端の絵はルーベンスの「エウロペの略奪」です。 これは、ティツィアーノが描いた同名の絵を模写したもので、白い牡牛に変身したユピテルが、エウロペを誘拐してクレタ島へ連れ去ろうとしている場面です。

ウッキーはプラド美術館へ行ったことがありません。 ここには、ベラスケスの代表作として名高い「ラス・メニーナス」という作品があるので、いつか行ってみたいと思っている場所の一つです。

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