去年書いた(ここ と ここ)
道路拡張工事に伴ってもうすぐ切り倒されそうな桜の木が、
今年も花をつけることができた。
早速、古い桜には古いカメラをということでローライフレックスを持って出かけた。
このカメラは1930年代のカメラだと思われる。
撮影中、畑帰り風のおじいさんに出会った。
いろいろ話をすると、
(老人と話をすると、大抵めっちゃ長いが、赤の他人に限っては、結構面白い事が多い。)
おじいさんは、「17年か18年に掘ったやろ、あそこの山。」といって北を指差す。
えぇ17・8年前?と記憶を探るが、思いつかない、と、
「防空壕よぉ。」
おぉ、昭和17・8年か!!!確かに!こんな田舎でも防空壕を掘らざるを得ない時代だったかもしれない。
いわく、終戦後、残土を沼(この辺りには灌漑用溜池が沢山ある)に捨て、その新しく出来た土地をどうしようかという話になったときに、
当時の町内会長が、みんなの腹を探るため、その気も無いのに、桜を植えようと言いだしたんだそうだ。
そして、とんとん拍子に桜を植える話が進み、このような姿になったとの事。
「桜は花のときはええけど、毛虫は出るしなぁ。駐車場にでもなんにでもしとけば良かったんやぁ。」等と
おじいさんはおっしゃっていたが、美しい桜道はまんざらでもなさそうな表情でした。
桜もずっと歴史を見てきたけれど、おじいさんも多くを見てきたんだろうなぁと感じた一日でした。
しかも、このおじいさんに言わせると、私は「お嬢さん」なんだそうだ。
ちょっとくたびれたお嬢さんだなぁ。笑。
桜の樹の向こうの自転車に乗っている人が話を聞かせてくれたおじいさん。
おかげで、ローライフレックスの方が桜より先輩だということもわかったよ。
これからも、畑して、体を大事にして、いつまでも達者でね。どうもありがとう。