十津川支流旭川ほか 2004.8.12(木)



今回は、十津川は初めてという播磨テンカラ会の大西さんとの釣行です。大西さん
は普段本流筋で釣られることが多く、ラインがのびのびと振れる谷ということを基準
に選んだ目的地がこの旭川上流の宇無ノ川でした。

この谷は10数年前に釣行した時、大きな土石流でもあったようで源流部は岩で埋
めつくされおり、何所まで上っても水は全て伏流し表面には一滴も流れていません
でした。また、車止め付近には流れはあるものの、砂利の堆積が多くて魚の反応
は殆どありませんでした。谷のあまりの荒れように、もう二度と釣ができるようにな
るとは思えず、それ以降は一度も釣行したことが無かったのです。しかし、昨年車
止め付近を少し探ってみると、渓相も良くなっており、魚の反応も良好でした。また
後日、さらに上流部へ入渓した釣友によると、流れはしっかり復活しており、釣果も
悪くは無かったとの事でした。

もうダメだと思っていた谷がどのように復活しているのか、それをこの目で確認す
るのも今回の楽しみの一つでした。しかし・・・・

大西さんとは前夜に拙宅で待ち合わせして、一路十津川へ。数日前に大塔村で大
規模な地滑りがあり、国道は不通だということでしたが、幸い迂回路のある箇所だ
ったため、車は問題無く通過することが出来ました。予定では車止めまで入って仮
眠することにしていたのですが、車止めまで後3キロほどというところから路面が悪
くなってきたので、無理せずにそこで寝ることにしました。

朝は5時ごろ起床で、車止めを目指して林道を歩きます。歩き始めは川までの高さ
が100mほどもあり、流れは全く見えません。しばらく行くと川が道のすぐ下を流れ
るようになります。

釣り人というのは、水が流れているとどうしても覗きたくなるもの。流れを覗きなが
ら歩いていると・・・、な、な、なんと尺物が淵に浮いているのが見えます。
早速川へ下りて竿を出してみまし
たが、残念ながら空振りでした。

水が透明過ぎて、アプローチで気
付かれたようです。
旭川は岩盤質の川床に、あくまでも透明な水
が流れ、渓相は素晴らしいです。写真は車止
め付近の吊り橋からの景色ですが、このあた
りで川へ下りてみても、遡行はちょっと無理か
もしれません。


車止めからはすぐ川へ下りて釣り上ります。このあたりからは渓相も少し優しくなり、
遡行に困難はありません。しかし、なんだか様子が変です。川が少し荒れたように
見えますし、魚の反応も全く有りません。

やっぱりそうか。昨年写真を撮ったところまで来て、不安は確信に変わりました。や
はり砂利の堆積がかなり多くなっています。昨年の川底と全く違います。手ごろな底
石が並んでいた場所は完全に砂利底になっていました。この一年の間に、また大量
の土砂が出たようです。


        2003年7月の渓相           今年の渓相
昨年は無かった岩が沢山流れ着いており、砂利も水面に出るほどに堆積している


結局、500mほど釣ってみましたが、魚の反応はゼロ。上流の渓相がどうなっているのか確かめ
てみたい気もしましたが、やはりここでやめて別の谷に転進することにしました。

次に入った谷は、旭川とは打って変わって暗い谷で、大きな滝や固定ロープのある険しい谷で
す。広い谷でのびのび竿を振る予定が、一転冒険フィッシングになってしまいました。


大きな滝があります。       
  

トロ場や淵には何匹ものアマゴが
浮いていますが、なかなか毛ばり
には食いついてくれません。しか
し、何度も打ち返したり、誘いをか
けたりしていると。突然食いつくや
つもいます。そんな魚の相手をして
いると結構時間がかかってしまい
ました。

固定ロープのロッククライミングも
ありました。


魚も、そこそこ釣れました。


大西さん、お疲れ様でした。初めての十津川の印象はいかがだったでしょうか。

私は、復活した谷での釣りを楽しみにしていたのですが、残念ながら叶えられませ
んでした。今度また宇無ノ川で釣が楽しめるようになるのは、いつのことになるのや
ら。