京大芦生演習林 2004.4.24(土)



毎年四月のこの時期には京大の芦生演習林へ釣行している。釣り場までの歩き
が長く、効率の良い釣り場とは言えないが、雪が少し残ったところへ春の花が咲
き、春の山歩きが満喫できる。山歩きに、釣りのおまけが付いていると言った方
が良いような釣りである。

今回は私の所属する播磨テンカラ会の新入会員上出さんとの釣行である。上出
さんとはメールでのやり取りはしていても、実際にお目にかかるのは今回が始め
てになる。

集合は生杉のルネッサンス館前、朝7時だが、私は前夜に到着して車中泊。天
気予報では冬型の気圧配置で寒気が流入して気温が下がり、近畿北部は雨との
こと。例年この時期には急な冷え込みでさっぱり釣れない日があるので、釣果の
方はあまり期待せずに出かけた。しかし朝起きてみると冷え込みは厳しいものの
空は晴れていた。車の中で身支度をしていたら、上出さんがバイクに乗って颯爽
と現われた。上出さんは芦生へは何度か来たことはあるが、奥の方まで行くのは
始めてとの事。簡単に挨拶をしてから車止めへ移動して、出発は7時になった。

車止めからは地蔵峠を越えて由良側の源流部に入り、ひたすら下流部を目指し
て歩くことになる。私がこのコースへ案内した人は、その歩きの長さにみんなヘト
ヘトになってしまう。今回もそんな目に合わせては悪いので、ゆっくりしたペースで
林道を歩き始める。



今年は暖かいせいか、例年ならあちこちに残っている雪は
ほとんど解けて、水溜りにはヒキガエルの卵が

林道歩きが終わると小さな流れを渡って山道に入る。最初はアップダウンの少な
い、細いが歩きやすい道を進む。足元には春の花が咲いている。回りのブナ林
の新緑が鮮やかだ。


 
 




明るくて気持ちの良い尾を歩く

最初の大休止の時ちょっと竿を出してみたら簡単にヤマメが釣れた。冷え込みが
きついので魚の活性は低いだろうと心配していたのだが、天気が良いせいか活
性は高いようだ。



休憩の竿出しで釣れたヤマメ

 
 

ニリンソウはまだつぼみ

川を渡って、さらに歩き続ける。このあたりは冬の間の雪で道がつぶれており、
通過に時間が掛かる。大汗をかいて尾根を越えたところで、またもや大休止。休
憩がてらここでも竿を出してみるが、魚は出たが掛からなかった。



次の大休止でも竿を出してみた

 
 



良い渓相だ、釣り場まではもう一息


川沿いの穏やかな道を行く

目的地の少し上流に二人組みのエサ釣師がいた。釣果を聞いてみるとボツボツ
だそうだ。やっぱりそうですか。釣果を聞くとほとんどの人はボツボツだと答えてく
れる。それでは答えになってないでしょ。私はいつも3匹とか、5匹とか具体的な
数字で答えるようにしているが、そんな答えをくれる人はほとんどいない。

4時間近く歩いて11時前にやっとポイント到着。小休止の後、準備をして釣りをス
タート。エサ釣りの後から釣ることになるが、少し時間が空いているの大丈夫だろ
うと釣り始める。魚はポツリポツリと出て、3匹釣れたところで昼食にする。今釣れ
た魚は早速刺身にしていただいた。釣師だけが味わうことができる料理だ。



釣師だけの特権、ヤマメの刺身

昼食を終わって釣り始めようとすると、上流から先ほどのエサ釣師が降りてきた。
それも川の中を歩いて来た。川沿いにはちゃんとした道がついているし、後ろか
ら我々が釣っているのが分かっているのに、わざわざ川を歩いてくるとは、それ
は無いでしょ。

しょうがないのでそのまま釣り上がったが、大きなのは出ないものの魚は結構出
て楽しめた。上出さんは「苦労しないと、ええ目は出来ない」と実感されたそうだ。

その後は釣ったり、道を歩いたりしながら、5時半まで釣りをした。かなり上流まで
釣り上ったので帰りは1時間半ほどの歩きで済んだが、車に着いた時にはとっぷ
りと日が暮れていた。上出さんはというと、やはりヘトヘトになられていたようだ。
ごめんなさい。

芦生ではここのところあまり芳しい釣果が得られず、魚が減ったのではないかと
心配していた。しかし、今日は結構沢山の魚と出合えて、芦生もまだまだ大丈夫
と安心できた釣行だった。