ジオン公国軍

MSN-02 ジオング HGUC 1/144
\1,800
型式番号 MSN-02
所属 ジオン公国軍
建造 ジオン公国軍
生産形態 試作機
全高 23m(脚部完成状態:39m)
頭頂高 17.3m
本体重量 151.2t
全備重量 231.9t / 159t
出力 9,400kw
推力 187,000kg
ジオン公国軍初の実戦型ニュータイプ用モビルスーツ(MS)である。

ジオン公国軍はニュータイプの可能性に着目しており、開発を続けていたサイコミュ兵器は一年戦争末期、ブラウ・ブロ、エルメスの完成でようやく実用化に漕ぎ着けたが、この時点では装置が大型だったためモビルアーマー(MA)サイズの機体にしか搭載できなかった。しかし、ザクIIに代わる主力MSに搭載すべく、MS-16X[要出典]の型式番号を与えられ「ジオン」の名を冠したジオングとして開発が進められた。開発にあたりザクIIをベースとしたテスト計画「ビショップ計画」によってサイコミュ試験用ザクIIが試作され、貴重なデータを収集した。しかしサイコミュシステムの小型化が十分でなくMS-16Xは一般的なMSの2倍近い全高となり、MAに近いサイズのMSとして設計が進められた。実戦機と試作機を含む3機製造され、同時に脚部も開発されたが最終戦に間に合わなかった。また、無線サイコミュでの機体プランも予定されていた。

MS-16Xには二つのプラン[要出典]が存在した。一つは通常のMSと同様に脚部をAMBAC装置として用いる案、もう一つは運用を宇宙空間に限定し脚部を廃して高出力のスラスターによって機動する案である。テストの結果から後者のプランを先行[要出典]して進めることとなりサイコミュ試験用ザクのうち1機をサイコミュ高機動試験型ザクへと改修しデータ取りが続けられた。この段階でニュータイプ専用MSのカテゴリとして型式番号が改められ、MS-16XからMSN-02へと変更が行われた。

本機の最大の特徴はサイコミュを用いた前腕部の5連装メガ粒子砲であり、前腕ごと機体から切り離し、敵の予想外の方向から攻撃を行うオールレンジ攻撃が可能である。しかし、当時はサイコミュの技術自体が開発途上段階だったこと、ニュータイプだけでなく一般兵士にも操縦が可能な様に考慮されたことなどから、無線誘導式ではなくブラウ・ブロと同様の有線誘導式として設計された。また、腰部と頭部にもメガ粒子砲を搭載している。これら複数のビーム兵器の稼動を可能とするため大型の核融合炉を搭載している。更には腹部中央モジュールを残し頭部、胸部、腰部、腕部、脚部の7つのモジュールへと分離し攻撃することも計画されていた[2]。この計画はMSN-03として進められており、各モジュールは有線式ではなく無線誘導式のものが搭載される予定だった[要出典]。暗礁空域などで中央モジュールを陰に隠して、オールレンジ攻撃を仕掛ける戦法が予定されていたとされる。現存の資料ではその際、脚部がどのような役割を果たすのかは不明。

武装は計13門のメガ粒子砲が全てで、これらを稼動させるため通常のMSの数倍の大出力を誇るジェネレーターが搭載されており、サイコミュと合わせて機体サイズの大型化の要因になっている。ケイブンシャの「機動戦士ガンダムメカ大百科」によると、ジオングの用途は艦隊攻撃用となっており、白兵戦は全く想定されていないようである。

5本指のマニピュレータを持つが、多くの水陸両用MSと同様、携帯火器は一切用意されていない。また、ミサイルや機銃等の砲熕兵器も一切無い。ただ、完成状態では歩行装置として、ややドムのそれに似た脚が装備され、宇宙空間の無重力下でも地上の有重力下でも使用できる予定であった。その場合、スカート後端の補助バーニアがメインスラスターとして機能する[1]。 この点は、同じサイコミュ搭載機でもMAが宇宙でしか使えないのと大きく異なる。

また機体サイズ上、他のジオン軍MSの武装の流用も不可能と、MSとしての汎用性は相当に低い。機体コンセプトはほとんどMAと言って差し支えなく、かなり割り切った設計と取れる。

貴重な戦力であるニュータイプの生還率を高めるため、頭部は脱出モジュールとしても設計されており、頭部のみの稼動も可能である。サイコミュの操作系は頭部のコクピットで行う。胸部にもコクピットが設けられており、一般兵による操縦はこちらで行う。そのためコクピットハッチは後頭部と胸部に設けられている[3]。この際のオールレンジ攻撃はコンピュータによる半自動制御で行われるが、ニュータイプパイロットの場合と比べ大幅に攻撃精度が低下する。

サイコミュはエルメスのように一度に多数のビットを操るほどの性能は無いが、その分操作性は高く、練習も無しに乗せられたシャアでもうまく起動できた。それのみならず、それまでアムロやララァと比べてニュータイプ能力の発現が遅れていたシャアの能力を大幅に引き出すことに成功している。しかし、操作性が高く使用者の素質を引き出すこのシステムは、地球連邦軍の手で解析された結果、サイコガンダムのように強化した操縦者に干渉して精神に負担を与えた揚句に無理矢理戦わせるという方面に発展した。

ジオン公国はもとより、宇宙世紀初の実戦型NT用MSであり、後の時代に続々と登場するニュータイプ対応機の参考となった。

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2001年6月発売






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