ジェロントロジー・高齢社会の人間学をテーマにしています    いつかは老いる (2018.5月号)
                     
 

活動内容

六甲アイランド遊歩道の新緑
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                四葉クローバー いつかは老いる

      この世に生を受けた動物は必ず老化し、この世から去ります。
   しかし、私達は、老いを気にせず、日々生活してるのではないでしょうか。
   昨年は、がんの治療の一年でした。初めて老い(衰え)と死について考える
   時間をたっぷりと持つことが出来ました。

    老いと死について考える時に、それ即ち「今を生きる」に尽きるとの結論に
   達しました。今までの考え方や行動を改め、人々にいい思い出を残し、
   「良かったね」と言ってもらえる残りの時間を過ごしたいと考えています。

    先日の毎日新聞に下記ニュースを読みましたので、それに関する私のHP
   (2015年JR列車事故・賠償問題)を一読下されば幸いです。
   認知症と言う前に人間として生きているのです。その人達は、戦後の日本を
   今の裕福な日本に頑張った人達です。
    
  
マーク1) 自分を考える

    後期高齢者は、残された時間は短くなりましたが、1日の時間は仕事もなく
  社会的な束縛もなく、自由に使える特権を与えられていると言えます。
   自然(神)に生かされ、自分の意思で生きることが大切なことだと思います。
  高齢期になると社会より離れてゆくような、置いて行かれるような気がする時期
  があります。その時役立つのは、長年生きてきた経験です。
  その経験に誇りを持ちたいものです。

   その経験に基づく自分を大切にしたいものです。
  自分を大切にできる人は、他人からも大切にされると思います。
  自分を大切にすると言うことは、社会に対して自分の役割を持つことだと
  考えています。
   小さな役割、自立した日常、楽しい日々を送る努力などなど、自分自身が
  できることは沢山あります。それらは小さなことかもしれませんが・・・。
  残された短い人生ですが、一日には、たっぷりと時間があります。
  真剣に考えて、しっかりと生き、楽しみ、お金に拘らない日常を送りたいもの
  です。
   そして自分自身のあり方をしっかりと考えることだと思います。
    

マーク 2) こころの元気

    こころの元気の源は安心感ではないでしょうか。
  先ず、日常に落ち着いた安心感を持つことが出来ましたら、
  自然とその他のこと、短い先であろうとなかろうと夢と希望を持つことが出来る
  ような気がします。
   当然に若者時代のように大きな夢や希望は望めませんが、小さな夢や希望に
  気付くことが出来ましたら、目的が出来、こころの元気がでると思います。

   高齢期には、気付きが大切です。小さなことに気付く事が出来なければ
  大きなことも気付くこともなく、楽しみもなくこころは元気になりません。

   ガン治療中は、ガンとの戦いと医師との信頼関係を持つことが重要でした。
  そのお蔭でガンとの闘いよりも自分との闘い、病に負けないことが一つの楽しみ
  と希望でした。
  現状では、先の事でなく、今に力を尽くし、残り少ない時間ですが、
  夢をもって頑張っています。

マーク
3) 楽しく生きて誇りを

   楽しく生きるためには、動物でも無機質なものでも愛着を持つことが大切です。
  楽しみには、他人より貰う楽しみ、他人にプレゼントする楽しみの二つがあると
  思っています。
   障がいのある人も高齢者も、皆頑張って生きています。
  その頑張りには楽しみと誇りがなければ意味がないような気がします。
  現在私の楽しみは、三度の食事を美味しくいただく時間、
  その準備のための買い出し、買い出しの道々での草木や自然を観察すること、
  これらをつなぐ会話が潤滑材となって本当に楽しい日々を過ごしています。
   小さな喜びですが、お金もかからず、会話が弾み、下手な俳句も時々。
  日々の生活の中では本当に小さな喜びを見つけてそれを感じ取る感性を大切に
  しています。
   強かろうとも弱かろうとも、お金が有ろうとも無かろうとも、
  それを受け容れ、自分を知り、自分の意思で考える時には楽しく生きることが
  出来るのではないでしょうか。   
 

マーク  4) 原理原則をやめよう

    年をとれば頑固になるとよく言われますが、本当にそうでしょうか。
  頑固になる原因を考えてみましょう。言葉や行動が経験に基づいているためでは
  ないでしょうか。
  頑固に自分の過去にしがみつき、それに基づいた言葉や行動。
  「ねばならない」的な原理原則しかなく、新しいものに対する挑戦や興味が
  持てない人が多く「ねばならない」となっているような気がします。
   新しい事がらに興味を持ち、若者との会話を楽しみ、
  現在自分が置かれている環境より一歩外に踏み出すためのこころの余裕が
  欲しいものです。
  過去の経験と現在の状況と上手にミックスすることと思います。

   多くの経験を積み重ねて生きてきたのです。
  若者にない宝物を余裕を持って臨機応変に活用する場合には原理原則でなく、
  若者にも受け入れられるのではないでしょう。
   「ねばならない」では世間が狭くなりますし、人々と楽しい時間を持つことは
  できなと思います。
  私の好きな言葉に「転ぶな、風邪ひくな、義理を欠け」と言う言葉があります。
  特に義理を欠けと言うことは,あまり義理に拘ると精神的に窮屈では
  ないでしょうか。
  ゆっくりと自分のペースを守って日々を過ごしましょう。
   年をとればとるほど自分を大切にしたいものです。
   
マーク 5)この世を去る時が最も大切

    がんという病気をしたお蔭で現在の幸せ感を存分に味わっている日々です。
  妻や親族、医療者等などの優しさを頂き、それを感じることが出来る自分を思う
  時に、つくづくと普段の小さな幸せほど大切なものはないと実感しています。

   この実感をこの世を去る時にも持ち続けることが出来たら、
  本当に良かった人生と言えると考えています。
  人生の終りに近づいてきましたが、高齢期の役割意識をしっかりと持ち、残りの
  時間を生き続けたいものです。

   これからの残り少ない人生こそが大切で最も重要な時間と考えています。
  その為には何をすべきか、先ず、自分の意思でしっかりと生きたい。
  長年生きて来た経験を社会に還元し、社会に対する役割を持ち続け、
  それを実現したいと考えています。

   体力的にも思考能力も衰えたことでしょう。多くの人々に助けられながらでも
  楽しく過ごしたいものです。「ねばならない」の世界より卒業して・・・。
     

                        シニア ライフ アドバイザー
                               岡島 貞雄


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