ジェロントロジー・高齢社会の人間学をテーマにしています  癌を生きる ③ (病気とわがまま)
 
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六甲アイランド遊歩道の新緑ー2017年

                 マーク 癌を生きる ③ マーク

  腎臓と胃の手術後約3ヶ月になろうとしています。
 自分で話すことも変な話しですが、病気に託けてわがままを言っているようです。
 また、それを許してくれる妻がいる幸せ。
 何時までもこのようなわがままの状態が許されるわけでもなく、この状況から
 抜け出す必要があると思いつつ甘えています。判りながら、卑怯な自分がいます。
  
四葉クローバー 1)食事

  
現在の私にとっては食事が最も大切なことでしょう。
  1日5~6回妻は本当に大変と思いますし、自分のことは横に置き食事作りに頑張って
  くれています。
  その妻に「拙いとか、食べ難い」とかわがままを言ってしまいます。
  申し訳ないと思いつつ。自分では判っているつもりですが、人間とは本当に甘えて
  わがままな生き物と思います。でも、それを耐えて許してくれる妻には何時も申し訳
  ないと思いながら、口に出して謝ることが出来ません。

   この文章を妻が読んでどのように思うことでしょう。
  今も一人で料理の本(胃癌手術後)を読んでいるようです。
  そんなわがまま者を許してくれる私は本当に幸せ者です。
  現在、もし、私一人(独居)であればなど想像しますととても生きてゆけないでしょう。

   今後は、自分の食事についてもう少し勉強し、自分の意見と台所に立ち料理つくり
  の真似事でもと考えています。
  早く元気になり、食事にもそれほど気を遣わなくともいい体調に快復することが
  大切とは思いますが、妻の力なしでは生活できません。
   1日の食事の計画⇒6時30分頃果物・朝食・10時頃牛乳他軽食・12時昼食
            ・3時頃ヨーグルト類と軽食・18時30分夕食・20時30分牛乳
  おおよそ上記の食事計画ですが、大変な仕事だと思います。
  また、消化の良いものから食べるようにしています。
  食事前には、必ず果物を食べています。

四葉クローバー 2)リハビリと運動

   リハビリを兼ねた運動はある程度順調ですが、歩いている間に温度差が出た場合には
  腰や背筋の筋肉が痛む場合があります。その場合は、その場で座り込んだり、
  椅子を探したり、私が、動けない分妻は場所探しに走ってくれます。
  ひと言有難うと言える場合はいいのですが、何だか妻のせいにしているように言って
  拗ねている自分がいる時があります。申し訳ないと思いつつ。
  素直な自分であることの重要性が痛いほどよく判りますが、それが、素直になれない。
  恥ずかしい限りです。

   9月末と10月初めに退院後初めての講演を依頼されています。
  そこからくるイライラかもしれません。
  退院後、何かの目的を持たなければこのまま老化が進むような気がして、
  自分から、リハビリ代わりに受けた仕事です。それでもイライラして妻に当たる時が
  あります。良く判っていながら、恥ずかしい言葉や態度には私自身が嫌になります。
  申し訳ないが、今後気をつけますとしか言いようがありません。
  もう少し、時間に余裕がもてる計画が必要と考えています。

   今回の病気で恥ずかしい自分のこころの動きがいろいろと判りました。
  この病気も人生の一つの勉強とし、短い残りの人生ではありますが頑張りたいですし、
  今後に生かせるように努力を積んで日々を過ごしたいと考えています。
  
四葉クローバー 3)日常生活と思いやり

   日々の生活の中で、出来るだけ笑顔を持ちたいと思っていますが、ついついと甘え
  がでて不機嫌な顔をする場合があるようです。自分ではよく判りませんが、妻の表情や
  言葉遣いで気付くことがあります。

   体調が不良と言うか、何となく気分の悪い時があります。そのような時には自分では
  判りませんが、妻や他人は判るようです。
  他人に対しては妻はそれとなくとりなしてくれます。
  私に対しては自分を殺して笑顔で接してくれているように思えます。有難いことです。
   子供と同じように甘えが出て余計に困らせるようなこともあるようです。

   それらが、その場で判ればいいのですが、後で判り、申し訳ないと思いつつ、
  甘えて不機嫌な顔をする時があるようです。
  この文章を通じて妻には謝りたいと考えます。
   病気の前までは、夫として自分が守ると言う気概があったように思えますが、
  それが今はどこへと言われそうです。
  しっかり食べて、運動し、早く健康を取り戻し、元の日常に戻りたい思いで一杯です。

   その為には、妻や親族、多くの方々の言葉を素直に受け取り、
  皆さんの思いやりを素直に受け止めることが出来る素直なこころを取り戻したいと日々
  努力しています。
   「健全な肉体には健全な精神が宿る」と言われていますが、「健全な精神には健全な
  肉体を作ることが出来る」との解釈で精神をしっかりと持ち健全な肉体を快復したいと
  考えています。しっかりと笑顔で日々暮らしたいものです。

四葉クローバー 4)社会活動

    退院数日後あるNPO法人より、成年後見制度の講演依頼がありました。
  有難いことです。
  毎日病気のせいにしてぶらぶらしていますと精神まで老化しそうな気がします。
  何かの目的を持つために引き受けさせて頂きました。
  お蔭で毎日目的を持ち勉強に資料つくりに時間を割いています。気分的に目的に向って
  進もうとするこころが非常にいい方向に向っているように思えます。

   もう一つ、「えんがわ」クラブと言う高齢者が集まりおしゃべりをする会を主催して
  いましたが、この年の2月癌治療と同時に休会としていました。皆さんの励ましにより
  9月より再開することとしました。
   現在は、この二つですが、これからの本当の老齢期に於ける日々の過ごし方には
  何かの目標、自分の高齢者としての役割をしっかりと見つめて残りの時間を過ごしたい
  と考えています。

   このHPも可能な限り続けたいとも思っています。
  しかし、それらは妻や全て周りの方々の力をお借りしなければ実行できないと
  思います。
  社会の皆さまに、有難う、感謝の気持ちを持ち続けて。
  

四葉クローバー 5)これからの人生わがままに生きる

   これからの人生はわがままに生きたいと考えています。
  わがままを言わないとの文章と矛盾していますが、癌の大手術より無事帰ってきた
  のです。自分のこころに素直な日々を送りたいものです。

   後期高齢者も後半に近づきつつあります。
  わがままに生きると言うことは、自分勝手な行動とは違うと思っています。
  正しいと思うこと、反社会的でないこと、周囲の人々に受け入れて頂ける生き方等々、
  自分の意思を最大限に実行しながら楽しい人生であることではないでしょうか。

   周囲の人々には常に「有難う」の言葉と共に生きてゆきたいものです。
  地域の人々に笑ってもらえるわがままでこれからの短い人生を楽しく、
  人生の仕上げに向って日々過ごしたいと考えています。

   癌を発病し、一応の治療は終了したことと思っていますが、
  癌を発病したお蔭でいろいろと教えられます。
  癌に関して日常生活に変化があれば又書き留めておきたいと思います。


  
                       シニア ライフ アドバイザー 岡島貞雄
                                               


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