帝国歌劇団・花組 2005年新春歌謡ショウ『笑え!花組』/短評

 さて、早速短評を書くが、出来るだけ客観にするつもりだが、先に書いておく、独り善がりの短評になろう事を。また、普通によい点などは敢えて書かないので、批評が多くなりそうだが、それに対する苦情のメールは一切受け付けないので念のため。
 尚、星マーク(最高五ツ星)は点数ではなく、単なる目安。☆は★の半個分。
 追記。星の数は全体を見て割り出しているつもりだが、どうやら歌に思った以上に重きを置いていることが判明。でも軌道修正はしない。

◆第一部 人情七草鍋

・新西遊記  ★★★☆

挿入歌‥‥ユンホォア〜レビュウ桜花乱舞〜(ショートバージョン)

 今回は『新西遊記』公演の後の話ということで、テーマ曲だけであるが再現されている。本公演時と変わらないので特記することはないが、本公演を見てる人は懐かしんで下さい。ってことだと思う。
 幕間ではカンナによるコント。に続いてカンナとレニが含みのある会話を。これが後々様々な波紋を広げる。

・親方の家1  ★★★☆

挿入歌‥‥夢見ていよう(特別バージョン)
     愛ゆえに(ボス・親方バージョン)
     バスは行く行く夢乗せて(一部)

 親方の家はビックリハウス!?
 それは兎も角、親方のサクラ役は気色悪いというか何というか‥‥

・向島三丁目1〜親方の家2〜向島三丁目2  ★★★

挿入歌‥‥赤いカチューシャ(一部)
     エチュード(一部)

 早速新春公演にのみ見ることの出来るアウトオブ眼中のマリア嬢を拝見できる。インケツの雅とのやり取りの一部は『新西遊記』の千秋楽を見てないと判らない。
 ところで、川岡刑事は本物の桃栗小僧を本気で替え玉と思っているのだろうか‥‥。
 親方の家では武田がふぐの毒に当たるという構想外の出来事が起こるが‥‥。
 一方、向島ではカンナがいよいよ謎明かしをし始める。果たして無事に広げた大風呂敷を畳むことが出来るのか!?

・親方の家3  ★★★★

挿入歌‥‥さくら(一部)

 武田の死後硬直の部分はドリフのコントのようだ。
 この後はネタバレになるので差し控えるが、伏線が見事に繋がっている。


・3分ショッピング  ★★

 『パッチン君2号』は“際どい値段”だが、『温泉の元浪漫紀行さくらの湯』は何故2つも買うのか? さくらの金銭感覚が解らない‥‥。


◆第二部

・青山養老院〜演目『あぁ、無情』  ★★★★

挿入歌‥‥我が名はジャベール
     愛しき人よ(ショートバージョン)
     小金持ちは金持ちだ(ショートバージョン)
     恋の出逢い(ショートバージョン)
     我が心に鳴る鐘(ショートバージョン)

 演目自体はドラマCDの再演だが、ストーリーを追う、というよりもストーリーが歌を補足している感じなので、これだけを見るとレミゼの全容は窺い知ることは出来ない。
 しかし、歌自体は横山智佐が口にしたように良い曲が多いし、歌謡ショウで公開する機会を作るとしたら、この方法が最適だろう。
 ただ、フィナーレの『我が心に鳴る鐘』はコーラスなどで仕上がっているだけに、端折らずにフルバージョンにして欲しかった。

・生演奏  ★★★★

演奏曲‥‥さくら
     第九・歓びの歌(ベートーベン)
     ゲキテイ

 塩ビパイプで演奏するというのもさることながら、塩ビパイプで出せない(出すようにしていない)音は役者が発声するという風変わりな試みも壺に入った。

・花組すごろく  ★★★☆

 昨年の『花組大喜利』に引き続き100%アドリブの日替わりショウだ。
 ただ昨年と比較するとどうしてもパワーダウンしているような気がしてならない。やはり大喜利のネタを考えるのはしんどいのか。
 ところで、マリアのトランペット演奏の曲目が何故か未だに判らない。

・口ずさむ歌  ★★★★☆

 定番コーナーになりつつあるアカペラである。『海神別荘』の時はさくら一人で歌い上げたが、今回も8人の息がピッタリと合っている。しかも、2番の部分を日替わりで唄っているという熱の入れよう。 

・フィナーレ  ★★★

挿入歌‥‥ゲキテイ(檄!帝国華撃団)
BGM‥‥さくら
     花咲く乙女

 アンコールがないせいか、カーテンコールも少々淡泊な気が‥‥。

・総評

 2部だけを見ると昨年より見劣りするような気がするが、全体を見ると、決してそうでもない。昨年は新宝島や大喜利ネタに困らなかったのは大きいが、今回は今回で考え抜かれた演目だったと思う。
 いよいよこの夏は『新・青い鳥』だが、いよいよ小さい脇侍が登場。ではなく、いよいよあの「我が儘・高飛車・傲慢ちき」な彼女が帰ってくる!が、集大成のOVA版で「引退理由が霊力が無くなったから」と独白されていたので、歌劇団復帰ではなく神崎重工からの用事か何かで来る設定になるだろう。まぁどちらにしろ、その前哨戦に当たるドラマCD「花と嵐と帝都の浪漫!」でどのような扱いになるのか判るだろう。
 特典映像は『新宝島』の時に比べると半分の1時間50分にスケールダウンしているが、あれは『サクラ祭り』があったので、それを除くと同じくらいだろう。
 ところで、これを書いている時(5月23日現在)アニメ版ワンピースにフランキーが初登場した。その声優が矢尾一樹なのだが、どうしても琴音にオーバーラップしてしまう。それだけ灰汁の強いキャラだということだろうか。

曲数‥‥14曲