- 最後は圧縮系統です。
- 圧縮不良の要因としては下記が考えられます。
- ピストン穴あき
- バルブ欠損
- バルブシート異物咬み込み
- バルブタイミングの狂い
- バルブクリアランス狂い(バルブ浮き)
- バルブステム曲がり
- ガスケット吹き抜け
- 圧縮不良だけでエンジンが掛からないと言うことは無いと思います、大抵は力がなくなったりアイドリングがハンチングしたりと言ったトラブルでしょう。
- 昨日までエンジンが掛かって走っていたのに今朝は掛からないと言ったような場合、一晩置いただけで起こるようなトラブルもまず考えられず他の要因だと思われます。
- 圧縮不良かどうかは各シリンダーにコンプレッションゲージを取り付けて測定します。
- 通常の場合で圧縮圧を正しく測定するときはエンジンのウォーミングを行って通常の温度まで暖めます。
- 次にプラグを全数外します、燃料ポンプが回らないように燃料リレーを抜いておくか点火コイルの電源を抜いておきます、リード線を外した場合は短絡しないように養生しておいてください。
- 1番シリンダーにコンプレッションゲージを取付スロットルを全開にした状態でスターターモーターを数秒間クランキングしゲージの圧力を読みます。
- あとは順番に測定して行けばOKですがバッテリーの負担が結構あり、途中で電圧が下がってくると回転速度が落ちてきて正確な測定が出来なくなりますので、充電器などをつないで絶えずバッテリーを良いコンディションで使うと共にスターターモーターを回しすぎないよう手早く行ってください。
- 圧縮圧力ならびに各気筒間のアンバランスは次の通りです。
- 圧縮圧力 120 〜 150 lb/in2 (8.40 〜 10.50 kg/cm2)
- アンバランス 最大 15%
- 圧縮圧力は公害対策の絡みで年式により異なります、ご自分のお車をご確認下さい、ちなみに '86 製造の私の車は 8.4キロです。
- ピストンの穴あきの場合は圧縮圧のテストをすればすぐに判明します、点火プラグの穴から細いLEDライトなどをシリンダー内に挿入できれば目視でも確認できると思います。
- ハイオク仕様の車にレギュラーガソリンを入れノッキングを起こしているのに無理矢理走ったりすると可能性があります。
- ジャガーの場合タイミングチェーンなのでタイミングベルトのように破断によるバルブ関係のトラブルは有りませんのでまず心配いらないでしょう、但し絶対とは言えませんが。
- バルブシートへの異物咬み込みもほとんど考えられませんが燃焼室にこびり付いたカーボンが脱落してシートに咬み込む恐れがあります、特にマフラーパイプが真っ黒な車は燃焼状態がよくないので燃焼室にカーボンが堆積していると思われ要注意です。
- ガスケットの吹き抜けは圧縮圧のテストだけではバルブに問題が有るのか吹き抜けなのか判断できないと思います、この場合エンジンが掛かっているとラジエターのヘッダータンクに吹き抜けたガスが流れてきてボコボコと沸騰しているような音がする場合があります。
- 吹き抜けている場所によってはエンジンオイルに冷却水が混じり込んで白濁している場合もあります。
- いずれにせよ単なる圧縮不良だけでエンジンが掛からなくなると言うことはまず無いと思いますがこれらのトラブルの場合シリンダーヘッド(腰上)の修理ないしはエンジン修理の大仕事になります。
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