eoさんの旅ノート
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 7月11日 今日はグルンデルワルトからサン・モリッツへ鉄道で移動の日

 グルンデルワルト→インターラーケン・オスト→ルツェルン Luzern →チューリッヒ→ラントクァルト Landquart →サヤインス Sagliains →サメダン Samedan →サン・モリッツ  というコース
 通常はラントクァルトの先のクールで乗り換えるのだが、違う経路をとってみた。所要時間は同じである。
 グルンデルワルト発は午前8時過ぎ、サン・モリッツ着は午後4時頃だった。

 予約の宿はホテル・べラバル Hotel Bellaval。「サン・モリッツ鉄道駅近く」ということで選んだ宿だったが、行ってみると、近いもなにも、駅の中という感じの場所にあった。
 駅に何本かのプラットホームがあるが、湖に近い方の端のプラットホームと思って行くと、そこにホテル・べラバルがある。
 駅に近いだけでなく、サンモリッツ湖に面していて、立地は最高だ。
 予約の部屋は湖に面していて、小さいがバルコニーもついている。
 このホテルも、連泊以上であれば、この周辺エンガディン地区のローブウェー・ゴンドラ・リフトの無料バスのサービスがある。なかなかいいホテルである (^o^)

 まだ十分に陽が高いので、ムオッタス・ムラーユ Muottas Muragl 展望台へ行ってみることにした。
 サン・モリッツ駅から鉄道で一駅のプント・ムラーユで降り、少しだけ歩いて、真っ赤なケーブルカーで展望台に上がる。

ムオッタス・ムラーユ展望台
エンガディン
 ここからは、サン・モリッツとその周辺の景観を一望できる。
 写真右側の街並みはサン・モリッツ、左側の街並みはポント・レジーナ
 サン・モリッツの奥には、この地域エンガディンのいくつかの湖が見える。ここでは遠望だが、近くで見ても、どれも非常に美しい湖である。

 左側奥には、ベルニナ・アルプスの主峰ピッツ・ベルニナが白く輝いている。

 この展望台にはホテルがあり、ケーブルカーの乗り場のすぐ横に、そのホテル専用の展望テラスがあるのが見える。ホテルから前に突き出たようなサンデッキで、腰板がガラス張りになっている。眼前にエンガディンの景観を一望できる、素晴らしい展望テラスだ。椅子にのんびり座ったままその景観を楽しむことができるはずだ。
 ただ、宿泊客ではない、展望台に上がっただけの一般客は、仕切りがあるのでこのサンデッキには入れない。ホテル内を通っていけば、一般客でも入れるのかも知れないが。

 「ガラス張りのサンデッキ…とはねえ…」という思いで、私達はそのテラスを眺めた。
 実は、15年前のスイス旅行の際、私達はこのホテルに泊ったのだった。
 いつ頃建ったのかは知らないが、とても古いホテルだった。床も壁も全て木製でできていた客室は山小屋を思わせたが、しかし、美しくレイアウトされていた。食堂も古かったが、雰囲気よく、夕食も美味しかった。当時のこのホテルは、いわゆる、趣味の良い、素敵なホテルだったのだ。
 「ガラス張りのサンデッキとはねえ」は、私達の微妙に複雑な心境からの思いなのだ。  今は、昔よりもっと素敵になっているのかもしれない。
 しかし、ホテル内部をのぞいて見ることもなく、私達はそのままケーブルカーで降りた。

 7月12日

 今日はいくつかの展望台を巡り歩き、その後、時間と天候の条件が良ければ、ベルニナ鉄道に乗ろう。

 最初はフルチェラス Furtschellas 展望台に行き、見下ろす湖の美しさに魅せられ、その後、
 コルバッチ Corvatsch 展望台に向かった。

   コルバッチ展望台

コルバッチ展望台
左奥 ピッツ・コルバッチ 3,451m 中央がピッツ・ムルテル 3,433m    右下端は展望台の説明板です。

 コルバッチ展望台から降りて、バスとロープウェーを乗り継いでシグナール Signal へ、ここから30分ほどハイキング。
 チャンタレラ Chantarella からケーブルカーでピッツ・ナイル PizNair 展望台へ

   ピッツ・ナイル展望台

ピッツ・ナイル

ピッツ・ナイル展望台から、サン・モリッツを中心とするオーバーエンガディンの谷と湖水を見下ろす。
 だいぶん、曇っています。

ベルニナ鈍行トロッコ列車

 時刻は、今午後2時半頃。天候には少し不安があるが、少なくとも、雨は降っていない。ベルニナ鉄道に乗ってみることにした。

 私達がベルニナ鉄道に期待することの第一は"トロッコ列車"に乗ることだ。"トロッコ列車"は無蓋(屋根が無い)なので、天気が良い日でなければ連結されない。だが、無蓋なので視界は360度オープン、景観を見るには最高だ。
 また、"トロッコ列車"は、パノラマカーがあるベルニナ特急には連結されない。"トロッコ列車"は鈍行列車にしか連結されないのだ。だから、私達は鈍行列車に乗る。

 ベルニナ線沿線にもハイキングルートはいくつもある。15年前のスイス旅行の際、私達はここサン・モリッツ地区に数日滞在して、ベルニナ線沿線のいくつかのハイキングルートも歩いた。だから、今日は、私達は途中下車はしない。

 プラットホームに行ってみると、乗る予定の鈍行列車が待機していて、待っている私達の目の前で、最後尾に"トロッコ列車"が連結された。 OK ! Nice !

トロッコ列車  さっそく、連結された"トロッコ列車"に乗り込む。
 世界遺産レーティッシュ鉄道ベルニナ線、イタリアのティラノ行き鈍行列車

 腰板があるだけの"トロッコ"、ベンチは作り付け

 ベンチは10分たたないうちに満席になった。
 子供達はキャッキャッと騒ぐ。大人も、なんとなく嬉しそうな顔。
 皆の幸運を祝うかのように、青空が広がってきた。
 日除けになるものが無いので、帽子など、飛ばないようにしっかりかぶる。
   (車両の天井にある覆いは日除けのために臨時に置かれたもの。通常は、これは無い。)

  Let's Go !

モルテラッチ氷河
 出発して最初に目に入る氷河はモルテラッチ氷河。列車がカーブを曲がった途端に目に入ってくるので驚くが、急に見えてきたから驚くというより、あまりにも近くに見えるのに驚くのだ。氷河がこんなに道路の近くにあるのか、と。

 左から2番目の真っ白い峰が
   ピッツ・ベルニナ 4049m
ベルニナ谷  

 

 Val Bernina ベルニナ谷

 このあたりが このルートの最高地点


ピッツ・ベルニナ  

 中央の山が ピッツ・バリュ
 その右 小さく尖っているのが ピッツ・ベルニナ
 その右 ピッツ・カンブレナ など

 氷河は モルテラッチ氷河

 湖は レイ・ネイル(黒湖) 
ラーゴ・ビアンコ  

 黒湖を過ぎるとすぐに
  ラーゴ・ビアンコ(白い湖)が現れる。

 天候が快晴であれば、
 この湖は更に美しさを増すはずだ。


パリュ氷河  

 

 パリュ氷河

 谷間に向かって流れるグレッシャー

 水が流れ落ちる湖も、美しい。
ボスキアーヴォ  

 

 列車はゆっくりと谷を降りて、
  ボスキアーヴォに近づく。

 ここらあたりは、もうイタリア語圏だ。


ボスキアーヴォ湖  

 

 

 これも美しいボスキアーヴォ湖

  と、

 ベルニナ鈍行列車
オープンループ橋  

 オープンループ橋に近づく。

 残念だが、
 ループ橋の一部は、
 工事中の赤いシートに覆われていた。

   中央の赤い部分が工事中の赤いシート
   赤いからといってベルニナ特急ではありません。


オープンループ橋2  

 

 

 それでも、

 写真は撮りましょう。

 この列車はイタリアのティラノ行きだが、私達は終点ティラノの2つ前の駅 Campascio で降りた。
 私達はティラノで特に観光するつもりはなく、ただ、駅で折り返しの列車に乗るだけなので、時間節約のために Campascio で折り返すことにしたのである。
 ベルニナ鈍行列車は"鈍行"なので、基本的には全ての駅に停車することにはなっているが、しかし、そこは合理的で、人の乗り降りの無い駅には停車しない。"次、降ります"という意思表示が無い場合は停車してくれない。
 各車両に"Next Stop"(英語?ドイツ語? だったか、表記はよく覚えていない)を意味するボタンがあり、それを誰かが押すと、次の駅で停車してくれるわけである。
 ところが、"トロッコ列車"には"Next Stop"ボタンなんて無いので、 Campascio の1つ前の駅を過ぎたら直ぐにツレアイが前の車両に行って"Next Stop"ボタンを押してきた。

 Campascio で、ティラノから来たベルニナ鈍行列車に乗った。今後は"トロッコ"は付いてないので普通車両で、サン・モリッツに戻る。
 天候は、下り坂だ。

 7月13日 天候は、今にも雨が降りそう

 再びベルニナ鈍行列車に乗って、今日は、ディアヴォレッツァ展望台へ行く。
 15年前のスイス旅行の際も私達はここディアヴォレッツァ展望台を訪れたが、天候が悪くて展望を楽しめなかったので、それが心残りだった。だから、この展望台の展望に再トライしたのだが、今日もダメかな。しかし、標高の高い展望台ではひょっとしたら視界が広けてるかも、と淡い期待も。

ディアヴォレッツァ展望台
ディアヴォレッツァ展望台
 ゴンドラに乗っている間に、どしゃ降りの雨に。
 展望台でも、展望はほとんど無い。

 根気よく眺めていると、霧が動いて、時々、山と氷河がチラリと見えた。左はその瞬間に撮った写真
  眼前に聳える山は ピッツ・バリュー、大きな氷河はペルス氷河
 もし晴天であれば、素晴らしい景観なのでしょうね。
 15年前も、やはり、今と同じような悪天候だった。今回はリベンジの気持ちがあったが、今度もダメか。ディアヴォレッツァ展望台は、私達には縁が遠いようだ。
 この展望台で大勢の日本人観光客と一緒になった。
 この展望台には非常に大きなレストランがある。正確ではないが、数百人は入れるだろう。この大きなレストランが、パック・ツアーの日本人観光客で埋まっている。日本人以外の客を探すのは難しいという感じ。
 私達は空席を探してなんとかテーブルを確保したが、パック・ツアーの日本人観光客への対応に追われるウェイターが個人客の注文をとってくれず、私達は、ここで昼食をとるのを諦めた。
 15年前、私達はここで昼食をとったのだが、レストランはこれほど大きくはなかったし、ここで他の日本人観光客を見た記憶もない。

 これほど多い日本人観光客をみると、ここが超有名観光スポットであるのがよくわかる。が同時に、一瞬、ここは日本か?と錯覚しそうな、何か異様なものを感じる。
 だが、"異様"と感じるのは私の偏見に違いない。この大きなレストランが日本人観光客で埋まることを、このレストランやディアヴォレッツァ展望台は喜んでいるだろうし、国としてのスイスも喜んでいるに違いない。また、日本人として考えても、この私達も含めて、海外旅行客が多いという事実は、日本人がそれだけ経済的に豊かだということだ。喜ぶべきことだ。素直に私はそう思う、といっても嘘ではない。

 下りのゴンドラに乗るのも行列で、私達は辛うじて、大量の日本人観光客より1台前に乗ることができた。そして、ゴンドラが下に着いたら直ぐ「強風のため ゴンドラの運行 しばらく停止」の掲示が出された。やれやれ、大量の日本人観光客は上で待ちぼうけだ。

 またベルニナ鈍行列車に乗り、午後2時頃にはアルプグリュム Alp Grum に行ってみた。
アプフェルシュトゥルーデル
 雨が降り続いているのはここも同じ。
 天気が良ければ、バリュ氷河の美しい谷の展望が楽しめるはずだが、見えるのはガラス窓に降りかかる水滴ばかりで、谷は全く見えない。

 アルピグレン駅のカフェで昼食代わりのアプフェルシュトゥルーデルを食べ、
 ベルニナ鈍行列車でサン・モリッツに戻った。

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