当院では2013年10月より、W&H社(イタリア製)の世界最高峰のオートクレーブ(高圧蒸気滅菌器)『 Lisa 』を導入しました。
オートクレーブは、ほとんどの歯科医院で使用している滅菌器です。
その滅菌能力によりヨーロッパでは、
クラスN(裸の固形物滅菌のみ、滅菌後すぐに使用要)
クラスS(メーカーにより特定された製品の滅菌のみ)
クラスB(医科の水準の滅菌)
に分類されています。国内の多くに歯科医院のオートクレーブはクラスNに属します。
厳格な滅菌方法が定められているヨーロッパの歯科医院はクラスBのオートクレーブの設置が義務化されています。
日本では、このクラスのオートクレーブの設置義務はありません。
歯を削るドリル (タービン・コントラエンジンのヘッド)も「 Lisa 」で滅菌
歯を削るドリル (タービン・コントラエンジンのヘッド)は、患者さんのお口の中に入り唾液や血液に触れることはもちろん、ドリルの内部に唾液や血液がが逆流するため、院内感染で最も注意しなければいけないものの一つです。
しかし、ドリルを患者様ごとに交換し、「滅菌」処理をしている医院は、実は国内ではまだほんの一部なのです。
どうしてでしょうか?
それは、「滅菌はしてもしなくても患者さんにはわからない、手間がかなりかかる、高温で滅菌をするとドリルの劣化が早まり早期に交換しなければならない」からです。つまり、滅菌は時間と手間とお金が非常にかかるのです。
。この高性能な機械は、これまで難しかった切削器具(タービン類)の内部および外部を徹底的に洗浄、処理が自動で行えます。これにより内部まで確実に滅菌された器具で、安心、安全な治療を行うことができるのです。
『 Lisa 』は世界でも最も厳しいヨーロッパ基準(prEN13060)であるクラスBをクリア、あらゆる種類の被滅菌物を安全に滅菌することができ、今までの滅菌器よりもさらにきびしく、狂牛病(牛海綿状脳症BSE)の原因とされるプリオンを不活化させることもできるのです。
『 Lisa 』には次のような特徴があります。
- 真空と蒸気の注入を繰り返すことにより、機材の内部や細部まで高温の蒸気を行き渡らせ、従来では滅菌できなかった箇所も滅菌
- 乾燥時には、ドアを開けず0.3ミクロンのバクテリアフィルターを通した清浄な空気の流入と真空を繰り返すことにより、外部の雑菌をいれずに清潔に乾燥
- 給水には専用蒸留水(左写真)を使用し精度の高い滅菌を実行
当院のイタリアW&H社製「Lisa」
「Lisa」専用の蒸留水生成器
『 Lisa 』で、皆さまの治療で使用する
基本的な器具 (基本セット)、
歯を削るドリル (タービン・コントラエンジンのヘッド)、
エアーや水が出るスプレーのノズル、
外科処置に使用する道具、
歯型をとるシリンジ、
ガーゼ、綿花、
根管治療に使用するファイル
などを滅菌バッグという専用の袋に封入して滅菌し、滅菌後は、念のため紫外線殺菌庫で保管します。
そして、治療開始時に滅菌バッグを開封し使用します。
滅菌バッグに封入した道具を「Lisa」で滅菌
「Lisa」滅菌バッグに封入して滅菌した道具は 紫外線殺菌庫で保管