これが、オリジナルのパーツのラインアップ。
オペアンプはRHOM社の4560の同等品。コンデンサはご覧の通り、電解がニッケミと自作派の間では評判の悪いトホホな物だった。汎用の電解では松下の青い奴がまあまあ性能がよいということだ。セラミックは発振防止用の物なので、あまり音質に影響はないそうだが、やっぱり安っぽい。マイラ・コンデンサもイマイチだし、抵抗も1/8Wサイズの炭素皮膜となっている。

一寸この内容では情けないので、回路をばらして組み直すことにする。コンデンサはブラック・ゲートやタンタル、ポリプロピレンに、抵抗は1/4Wの金属皮膜に、ICはOPA2604に置き換えてみた。パワー段の改造は出費が嵩むので、今回は見送る。改造でアイドリング時のノイズが減ると思ったんだけど、殆ど変らなかった。高めのノイズのフロアはパワーアンプICの特性のようだ。

さて、改造後の変化だが、S/Nは変わらず。音質は艶っぽくなったというか、中低域に色気が出た。SP単体では音質の変化は歴然なのだが、他のノーマル仕様4個と連動して使用すると殆ど違いが解らなかった。まあ、オーディオの印象なんて得てしてこんなものなんだろうな。改造とは自己満足の世界である。厳密には5個とも改造すると、明らかな違いが見えてくるんだろうけど。