このページを開設しようと考えたのは、自分たちも建築中はいろいろ悩み、そのたびにネットという手段で多くの情報を得た
という経験から、これからマイホームの建築を考えている人を素直に応援したいと思ったからです。

自分たちがそうであったように、計画中の方は、ホームページに掲載されている画像ひとつに対しても目を凝らして見られると思います。
そして、わたしたちもそんな1枚の画像に自分たちの計画のヒントを得たりしました。

わたしはハイムの関係者ではないので、イイものはイイと表現しますし、改善の必要があるものはそのように伝えたい・・・

ここにお見せするわたしたち家族の経験、写真やコメント・・・是非、みなさんのお住まい作りにお役立てください。







なぜセキスイハイムにしたのか?

数ある住宅メーカー・・・セキスイハイムを選択したワケ。なぜハイム?なぜbj?

・・・超根本的なトコロ。わたしたちはこだわりました。

たぶん生涯で1回しか建てないから。そして大切な家族が暮らす家ですから。

わたしは土木や建築の構造物を構造解析する職業に就いており、職業柄どうしても地震に対する懸念を抱いてしまいます。

鉄骨ラーメン構造にこだわったワケはここにあります。

ラーメンという構造は軸組みとは異なり、各部材が曲げ部材として働くもので、俗にいう不静定構造となります。
そしてこれらのラーメン構造ユニットが複数連結されたハイムの構造は多次の不静定構造となり、連結部に傷害がなければ、
たとえ何かの原因で何箇所か部材が塑性化しても全体系の崩壊にはなかなか至りません。

ラーメン構造のエネルギー吸収力(変形能力)は耐震設計上、非常に評価の高いものです。

セキスイハイムでは阪神淡路大震災に代表される直下型地震、東海地震に代表されるプレート型地震の両方に対して50回近く
実大実験をしており、実験での最大加速度1800ガル(阪神淡路大震災の2.2倍)を与えても構造体は一切損傷していなかった
ということです。

まったくもって恐るべき構造です。悪い言い方をすればかなり無駄な強靭性であると言えるかもしれません。

でも自然災害というものは、いつも我々の想定を超越し、多くの被害をもたらすものです。

そして、この耐震性こそがわたしたちがハイムにした最大の理由です。

最近、「阪神淡路大震災の揺れにも耐えます!」なんていう家の広告を見ますが、”想定内=経験値”の揺れに耐えるのは
当たり前の性能ですよね。

その他にもハイムの家は今後わが国の住宅形態として備えていなければならないと考えられる事項が驚くほど見ごとに
盛り込まれています。国土交通白書を意識してコンセプトを考えているように思えてなりません。


1)SI型の住宅であること
近年ではリフォーム住宅が見直され、テレビでも”匠”と称する方々が大活躍です。
それでも、わが国の住宅売買はそのほとんどが新築であり、欧米に比較して中古住宅の売買が極めて少ないのが特徴です。
その原因のひとつは日本の家屋は間取りが大胆に変更できない構造体が多いことが挙げられます。
ハイムの構造は鉄骨ラーメンユニット、家の中の壁全部取っ払ってても家は倒れません。まさにスケルトン(S)&インフィル(I)住宅
なのです。


2)バリアフリー、ヒーリング(癒し)を考慮した内装の採用。
玄関を入ってまず思うのはタタキと室内の床面の高低さの無さです。スロープ台を設置すれば車イスでも押して上がれます。
そして、洗面やキッチン、お風呂場などいたる箇所にバリアフリーとヒーリングが意識されています。


3)省エネ住宅であること(太陽光&オール電化というエコ思想)
機密性の高さにあわせて、オール電化、そして太陽光発電まさにエコ住宅のカタチと言えるでしょう。

4)リサイクル化
ハイムの家は移設が可能。さらにはユニットの再利用ができるため解体してもユニットを買い取ってもらえるのです。
新築時に解体のことを考えるのは気が早すぎますが、子供たちのことを考えると取り壊しに費用が掛かるようなものを残したくないですよね。




なぜbjのか?

ハイムのラインナップの3大巨頭といえば、ドマーニ、パルフェ、ハイムbjでしょう。デジオもありますが、都市部などで高さを
利用する状況でなければ、まず最初の3種のシリーズより選択するかと思います。

わたしたちはハイムbjにしました。

なんだかこの3シリーズのイメージは、トヨタの人気バン、アルファード、エスティマ、ヴォクシーの関係に似ているように思えてなりません。
高級感を追求したアルファード、格調と歴史を持つ根強い人気のエスティマ、若い世代の感性にフィットしたCOOLなヴォクシー。

ちなみに我が家の車はヴォクシーです(笑)。

ハイムの営業さんに聞いた所、40数坪程度の家の場合ドマーニ、パルフェ、ハイムbjの価格差はそれぞれ数百万あるとのこと。

でもわたしたちはbjを選択して、太陽光、タイル外壁、キッチンのグレードアップ、ウォームファクトリーと内装、外装に費用を充てました。

これだけの設備で300〜400万はアップします。

設備関係や内装、外装などをリーズナブルに抑えれば、パルフェ、ドマーニも建てれたかもしれません。

シンプルな基本デザインを選択して、本体の価格を抑え、性能に関わる設備(装備)に費用を充てるというコンセプトも、
選んだ車と家のタイプがとても似ているように思います。



最後まで悩んだこと・・・

「本当にbjでいいのか?・・・っていうかセキスイハイムでいいのか?」と最後まで思い悩んだことがあります。

それはハイム特有の「陸屋根形状」です。特にわたしの家内は「家の屋根=三角」というイメージが強くあったようで、
当初、根本的にセキスイハイムの家の形状はあまり気に入っていなかったようです。






家相的にも屋根の形状は水の流れが良い、形状がよしとされているようでした。

bjは片流れの屋根をつけることができますが、契約直前のプランでは、完全陸屋根の総2階直方体形状となっていました。
これは、
@費用の問題
A太陽光の設置面積が減少し、且つ三角屋根の近傍の日当たりが悪くなり、発電効率が下がること。
が理由でした。
bjの象徴的な片流れの屋根を付けて屋根裏部屋をオシャレにの活用・・・ってなんかワクワクするイメージですが、
蒸暑い屋根裏部屋の居住性や、子供への危険性から考え、我が家では物置になると判断しました。

陸屋根の問題はドマーニにすれば問題解決かもしれませんが、ドマーニでは予算上、安々仕様になってしまうため、
わたしたちの場合、セキスイハイムにした意味がかなり無くなってしまいます。

当然ですが、他社メーカーとのプラン比較もしました。
いろいろな住宅メーカーのモデルハウスを廻り、最後の最後は積水ハウスとの一騎打ちとなりました。

決め手は下記の4点でした。

@基本構造・・・同じ鉄骨系でもラーメン構造という点に大きな魅力がありました。

A外壁・・・当時、積水ハウスキャンペーンであったダインコンクリート外壁を手に持ったとき(30cm四方)、あまりの重さに
       「こんなに重たいものが家を囲んだら・・・」ということが不安になりました。
       地震時の慣性力は質量に比例しますので、構造部材でない重い外壁を有することは耐震性能上、わたし個人としては
       好ましいとは思えませんでした。

B価格・・・ほぼ同じ間取りで(実際にはハイムの場合、ユニットの柱を避ける必要があったため若干ことなりました)価格比較をしました
       がセキスイハイムの価格では同レベルの設備を有する積水ハウスの家は建ちませんでした。
       工場製作によるコストダウンと営業努力の差が出ていました。

C工期・・・セキスイハイムは5月末に契約で、10月末の引渡しが可能とのこと(わずか5ヶ月)。
       対して、積水ハウスは5月末の契約で年内に引渡しできるかどうかと言われました。
       0金利解除による住宅ローンの金利上昇が囁かれる中、建てるのであれば早くローンを実行したいという
       気持ちが当然ありましたので、工期が短いのは魅力でした。




セキスイハイムのウィークポイント

結局、わたしたちはセキスイハイムのハイムbjを選び、住んで半年経ちますが、
わたしたちの場合、本当にセキスイハイムにして良かったと思っています。
(失敗したと思っていればこんなホームページは作りませんよね・・・)

でも、ひとつ言えることはこれは”わたしたちの場合”ということです。

家を建てるときのコンセプトやイメージ、夢や希望など、これらは人によって千差万別。
そして、どの住宅メーカーの家にしても100%気に入ったというものには巡り合えないのではないかと思います。

”本当にセキスイハイムにして良かった”と表現しましたが、どうも気に入らない、または改善の余地があるなと感じている点はあります。
ここでは、あえてその点=ハイムbjのウィークポイントを挙げたいと思います。



@ユニットによる間取りへの制限
ユニット構造なので避けられない柱位置などが問題になる場合が考えられます。我が家の場合もこの制約のため
何回も契約までに間取り変更を繰り返しました。

ハイムの構造では4つのユニットが重なった柱を抜き、大きな空間をとれるハイビーム工法(Cレン)がありますが、個人的には構造上
好ましいとは思えず、我が家では採用しませんでした。
ハイビーム工法ではユニットの横梁の対角にブレースを設置して補強をするためこの箇所に吹き向けが作れなくなるなどの制約がでます。

また、セキスイハイムはユニット単位で構造性が設計(保障)されていますので営業担当が間取りの計画を担当します。
この点で他のメーカーと比べると営業さんとの関わりが多いと思います。
設計担当は建築確認申請の手前くらいから出番になり、その後の現場作業は工事施工担当にバトンタッチとなります。


Aバルコニー
ハイムbjは複数ユニットを連結して大きなバルコニーをとることができません(パルフェは可)。よってバルコニーは1ユニット分の大きさ
になってしまいます。

 



B乾燥について
我が家の場合、ウォームファクトリーを付けているためか、1Fの湿度がかなり低いです。
ウォームファクトリー自身の満足度は高く(詳しくはこちら)、窓の結露もないのですが、子供たちのことを考えて冬場は加湿器を使っています。


C壁紙
複数のユニットを据付けて建てる構造であり、この理由から、どうしても室内の内壁(石膏ボード)の継ぎ目にわずかな段差生じるようです。
特に1・2階の連結部が見える階段部などでは、壁紙によりその凹凸が目立つ可能性があります。



我が家の場合、少し薄めの壁紙を選択したためこの継ぎ目が目立ちます。昼間はほとんど見えませんが、夜に間接照明が当たる壁面
には注意が必要です。
ハイムさんはイヤな顔をせず手直し(張替え)をしてくれますが、やはり厚めの壁紙の選択と照明の設置位置の検討をお勧めします。


D地域性(これ重要)
ご存知の通り、セキスイハイムは「セキスイハイム株式会社○○支店」という会社形態ではなく、積水化学工業の住宅カンパニーとして
各地域でフランチャイズ的に「セキスイハイム○○株式会社」という形態で経営されています。

当然ながら建物の仕様などの統一はあるでしょうが、会社の風土やサービスには各地でばらつきがあるように思います。
これはネットの掲示板なんかに掲載されているセキスイハイムの悪評などについて、自分たちの場合と照らし合わせてみても
状況の差を感じることが多くあったために気がつきました。

わたしたちの家は和歌山セキスイハイムにお世話になりました。
少なくともネットの掲示板にあるハイムの対応の悪さなど、こと和歌山セキスイハイムについては今のところ感じません。
むしろ、営業担当、設計担当、施工担当の誠意と一生懸命さを感じます。

たまにお願いしていたことの返答などが遅い場合などありますが、その後のフォローがしっかりしているため、
「忙しくて忘れとったな?」とご愛嬌で済ませれる感じです。

ですが、”アンチセキスイハイム”とも思えるほどの悪評や事態の情報がネット上に多くあることは事実で、
無視できる感じでもありません。

知り合いが同じセキスイハイムの担当者で家を建てたなど、そういう繋がりがあると本当に安心できると思います。
わたしたちの場合はそういう繋がりはありませんでしたが、幸運にも良いところと巡り合えたものと思います。

もうひとつ見えにくい部分ではあるが重要な点があると思います。
それは、ユニットの据付以後現場で作業をする施工業者です。セキスイハイムに限りませんが、住宅メーカーの家は
部材(ハイムの場合はユニット)の精度にばらつきが少ないでしょうが、現場での施工業者(下請け)の力量によってその完成度や
サービス等大きく左右されるという点に注意しなければなりません。



和歌山セキスイハイムの施工業者は元セキスイハイムの社員が独立して設立した会社であり、いわばハイム家を
熟知している業者でした。さらに我が家の場合、施工業者の現場監督が元ハイムの社員で、あわせてハイムの施工担当も監督として
現場を管理するため現場監督が2人いるような状況で施工がされました。
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