心房中隔欠損症
atrial septal defect



<所見ポイント>
a)心房中隔二次孔欠損、短絡血流の有無
 断層図上は4腔断面において心房中隔欠損像が描出される(図26)。
ただし心尖−4腔断面では超音波ビームが心房中隔とほぼ平行に投入されるため中隔欠損がないにもかかわらず断層像上中隔欠損の如く観察されることがあるので注意を要する。
カラードプラ法で短絡血流が描出されれば心房中隔欠損と確認できる(図26)。動画は剣状突起下からのアプローチによる4腔像で短絡血流を捕らえたものである。
 
b)僧帽弁逸脱、僧帽弁閉鎖不全の有無
 心房中隔欠損症では僧帽弁逸脱とこれによる僧帽弁閉鎖不全を伴うことが多い。
c)心室中隔奇異性運動、左室変形の有無
 右室容量負荷のため心室中隔は奇異性運動を呈し(図27)、左室の変形は肺高血圧が強くなるにしたがい変形も強くなる(図28)。