「事情聴取」4
「フラガ少佐!」
「ああ、こっちこっち」
ストライクのコクピットの前で手招きする。
ラミアス少佐を呼び出してから10分も経っていない。身支度が早いのではなく、起きていたんだろう。
「何ですの?相談って」
「今日の街への買出し、俺の代わりにトノムラに行ってもらって、ついでにボーズも連れてってやって欲しいんだが」
「キラくん?」
ラミアスが渋面を作る。無理な頼みだということなのだが…。
「虎が仕掛けてくる可能性を考えると、俺が残るよりアイツが残った方がいいんだろうけどさ。…ちょっと中見てみろ」
ストライクのコクピットを指すと、ラミアスが軽く中を覗き込んでしばらく言葉を失ってしまう。
「そーゆーことなんで」
「…この中で寝泊りしていたということ?」
「何日いたのかは判らないが。どういう意味かは…」
「…解ります」
ラミアス自身、休憩時間でもブリッジにいることが多い。
それは責任感というよりも、不安が大きいから。
「ちょっとマズいだろう?」
「ええ」
ため息を吐きながら、ラミアスが苦笑う。
「他にもいろいろありそうなんだが…」
学生たちの関係について話そうとしたところで、MSの整備士たちがわらわらと動き始めてしまった。
「ああ、くそ。後でまた話す。俺はマードック曹長に整備の話をしてくるから」
「わかりました。では私からキラくんに買出しの指示をしておきます」
「よろしく」
本編へ続け!
2003/03/29 UP
--- SS index ---